社会科学入門――新しい国民の見方考え方 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004110606

感想・レビュー・書評

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  • 古典とされる本と現代社会を扱った本、一方だけに偏ってはいけない。古典と現代には常に生き生きとした相互関係がある。青年は古典と現代との間を大きくゆれることが望ましい。p.211

    青年が書物を読むことは生活の一環であり、それ自体が生活すること。生きようとする意欲をもたない青年に読書への情熱は湧いてこない。哲学や社会科学に読みふける青年の生命力は、現代を生きぬこうとする情熱である。p.212

  • 日本の社会科学を考える時、体制、民族、体制を参考にして考える。

    社会科学は歴史、理論、政策の分野に大別できる。

    日本人という民族、国民にとっての社会科学を考える。歴史を学び、理論を導き、未来の姿をデザインする。

  • 【書誌情報】
    著者:高島善哉
    通し番号:青版 B-60
    刊行日:1954/06/20
    ISBN:9784004110606
    版型:新書 並製 カバー 236ページ
    在庫:品切れ

    社会体制,階級,民族など,現代に生きる私たちにとって切実な重要問題を取り上げて懇切に解明しながら,それを通じて,社会科学的なものの見方や考え方とはどういうものであるかをわかりやすく語る.社会科学こそ国民のために奉仕すべき学問であるという著者年来の信念にもとづいて書かれた入門書.巻末に読書案内を付した.
    [https://www.iwanami.co.jp/book/b267084.html]

  • 社会科学の意義と、未来をより良くしたい想いの詰まった本でした。
    1954年当時を生きた方から見た世界史や日本の置かれた立場を知ることができました。

  • 1950年台の社会科学を巡る雰囲気がよく分かる本。
    歴史の発展性に関する法則があると信じられた時代。
    資本主義と社会主義の対決にリアリティのあった時代。

    イギリス、フランスに対する、後進国としてのドイツ、アメリカ、日本の位置づけはためになった。
    特に、ドイツにおいて社会を国家が超越しているという指摘は重要。

  • 高島善哉『社会科学入門』岩波新書 読了。ようやく入門w 専門分化が進み過ぎた現在、社会の出来事は有機的に結合していることを忘れがち。体制、階級、民族の問題に対し、全ての社会諸科学から挑まなければならない。半世紀前の著書ではあるが、科学的な分析に基づいているだけに色褪せてはいない。
    2010/09/25

  • 【由来】


    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  • 社会科学の入門書ですが、さすがに古いという印象は否めません。

    本書では社会科学とは何かを解説するに当たって、自然科学との対比を用いるとともに、体制、階級、民族の3つの観点から社会科学の取り組むべき問題について紹介しています。

    また著者は、世界の歴史は封建主義から資本主義を経て、その後社会主義に至ると考える立場に立っています。そうした観点から、社会科学は、現代の日本における封建主義体制の残滓と資本主義体制の行き詰まりを打開するための条件についての考察をおこなう必要があると主張しています。

  • 読書案内(古典)
    政治学、法学、経済学、歴史学、社会学、教育学、社会主義

  • 学生時代以来の再読、今回の感想は主に三つばかり。
    ひとつは当時の社会科学者は社会主義を絶対視とは言わないまでも高い価値を見出していたということ。
    この点、遺物としての思想を学ぶという意味において、同著は有効かと。
    次に社会科学という思考の生い立ち。
    東洋でも中東でもなくやはり欧州、これは考えさせられる深い深い事実かと。
    最後はやっぱりこういう教養入門みたいな新著が現れてほしい。
    どうも社会科学自体が死語と化しつつあるのか、総合的な知性の深耕という意識が最近低いような気がするんですな。
    (偉そうに言ってみました、すいません、、、)

  • ・現代社会科学の最大の関心は、体制・階級・民族の問題に向けられる。これは現代におけるすべての人が切実に頭を悩ましている問題であり、市民社会の学である社会科学は、この問題に対して真向から対峙しなければならない。

    ・社会科学は原則として3つの研究部門から成り立っており、それは歴史部門・理論部門・制作部門である。とくに歴史は、理論と政策とを結びつける場であり、そして歴史という場は階級関係によって支えられている。

  • 社会科学とは何ぞや─?を古くは16世紀まで遡ってその起源から説明している。内容としては単なる現代社会のものの見方、考え方を指南するものではなく、社会科学の誕生やら本質を学術的に、根本から追求するものであるように感じた。
    第一章では社会科学の構成因を、二つの体制、二つの階級、民族の三要素から説明している。ここでいう二つの体制とは資本主義と社会主義であり、二つの階級とは資本と労働を指す。
    第二章では社会科学が科学として成立するためには人間自身の側における変化と社会そのものの側における変化が条件とし、動的な変化が必要とする見解を、ルネッサンスや絶対王政時代における市民革命に照らして述べている。
    続く第三章では前章に引き続き社会科学の成立には、市民社会の開拓、人間がものを見、社会を考える姿勢が必要だとする見解を、近代思想家の主張を引用しつつ解説している。
    第四章は、政治学、経済学、法学以外の社会科学─主には歴史学、法学─に触れ、欧州からの近代社会科学の流れにおいてドイツ、イタリア、ロシア、日本のもつ意義について言及する

  • 参考文献がよい。
    政治学
    法学
    経済学
    歴史学
    社会学
    教育学
    社会主義
    分野ごとに著名な書籍を掲載している。

    約60年前の著作である。
    この60年間の社会科学の進展をふまえて改訂があると嬉しい。

    また、自然科学者のための社会科学入門があるといいかもしれない。
    時定数が大きい事,確率が低いこと、認識主体を系の中に含んでいることを理解すれば、自然科学者が社会科学を理解するのに役立つと思う。

  •  確か入寮前の課題

  • [ 内容 ]
    社会体制、階級、民族など、現代に生きる私たちにとって切実な重要問題を取り上げて懇切に解明しながら、それを通じて、社会科学的なものの見方や考え方とはどういうものであるかをわかりやすく語る。
    社会科学こそ国民のために奉仕すべき学問であるという著者年来の信念にもとづいて書かれた入門書。
    巻末に読書案内を付した。


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