生きるとは何か (岩波新書 青版 881)

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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004120780

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  • 著者・島崎敏樹氏は日本の精神病理学の礎を築いた人と言われる人。精神医学、脳生理学、動物行動学などの広範な知見をもとに、独自の人間観を記している。

    【人前で明るくいられるかどうか】
    環境の影響をもっとも受けにくいのが「活動性」。ひっそりと陰で控えてえいるか、にぎやかに人前へせり出してくるかといった性格。
    環境にもっとも左右されるのが「自我(自尊)感情」。優越感、劣等感、自信のあるなしなど。

    そのため「氏か育ちか」というよりは、「氏も育ちも」重要だということが読み取れる。ただ、自尊感情は高めたいけれど、高めるのが難しいのだよなぁー。ここについてより深い示唆があると嬉しかった。

    【喪失は目覚めである。】
    「生きていること、というものは平時では気づきにくい。生命を危うくする危機に立たされることで、にわかに自覚されてくる。喪失をもとに充足した生をしろうとする逆算的な方法は大変有効である。」

    震災が最たる例。命の危険でなくても、身内の危険、失敗体験、冷や汗をかく取り組み、で人は大きく成長できる。スポットライトを浴びて失敗したり、リスクをとって冷や汗を書き続けよう。

  • ・環境の影響をもっとも受けにくいのが「活動性」、ひっそりと陰で控えてえいるか、にぎやかに人前へせり出してくるかといった性格。環境にもっとも左右されるのが「自我感情」、優越感、劣等感、自信のあるなしなど。そのため、「氏か育ちか」というよりは、「氏も育ちも」重要。
    →なかなか自信がないという自我感情を育てるのは難しい。このため2つのアプローチをとりたい。1つは、「活動性」から「自我感情」を変化させる。2つは、「自我感情」に日々目を向ける癖づけをする。

    ・喪失は目覚めである。生きていること、というものは平時では気づきにくい。生命を危うくする危機に立たされることで、にわかに自覚されてくる。喪失をもとに充足した生をしろうとする逆算的な方法は大変有効。人間の本質を見極めるには、命が危険にさらされたときでもある。
    →震災なんて最たる例。命の危険でなくても、身内の危険、失敗体験、冷や汗をかく取り組み、で人は成長できる。リスクをとって冷や汗をかこう。

  • 著者は精神病理学が専門で、ヤスパースの実存分析に深い造詣があります。本書では、われわれがこの世界に生きるありようについて、かなり自由な思索が展開されています。

    エッセイとしておもしろく読みましたが、本書に展開されている思索を支えている著者の理論的立場がよく見えてこない点には、少し不満が残りました。

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