私は二歳 (岩波新書 青版 410)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004121374

作品紹介・あらすじ

子どもは二歳になると、からだも心も成長し、個性がはっきりしてくる。しつけが始められ、母親と父親の考え方の違い、おばあちゃんとの育児をめぐる対立も出てくる。夜尿、どもり、テレビ、体罰など、しつけや子どもの心理の問題から、突然の発熱、腹痛など病気の症状や手当てまで、わかりやすく説かれた新しい型の育児書。

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭「「ね、坊や、食べましょうね。ママせっかくこしらえたんだから、食べてくれるわね。坊やもう二つになったんでしょ」」
    末尾「「そうかしら。みんなが円満で聡明な個人だったら世代がちがっても理解しあっていっしょに暮らしていけるんじゃないかしら」」

    『私は赤ちゃん』に続く第二弾。前作を読んだとき、赤ちゃんの一人称という形式が『吾輩は猫である』みたいで面白いと思ったけど、本則もその形式は維持されている。

    二歳では、しつけや教育、子供同士の関係などが増えてくる。本当にこの本のように社会や大人を見ているとすれば、二歳児侮るべからず。大人が困るようにゴテるとか、なかなか自分の武器を把握してしたたかである。

    本書の大半は京都のおばあちゃんの家が舞台で、嫁姑問題が大きい。さらにおばあちゃんが京都人で、京都人特有?の腹黒さみたいなのがある分おばあちゃんの印象が悪い。あえてしたかのかわからないけど、京都という設定がこの本における嫁姑問題を大きくしすぎている気がする。正直、途中読んでいて気分が悪かった。実際こういう問題があるんだったら仕方がないかもしれないけど。最終的にはママもおばあちゃんと仲良くできてるのはハッピーエンドだった。

    医学的なことととかは現代は当てはまらないのかもしれないけど、今の子育てにもやっぱり通じるものはあるんじゃないだろうか。

  • わたしはゴテることにしたのである。

    前作の「私は赤ちゃん」に比べて、特定の病名をテーマにした篇が多い。
    ラストの夫婦の会話まで楽しく読めましたが、わたしはこの本を夫に読むよう勧めることはないだろうな…と思いました。すべてはラストの会話の行く先に理由があります。

  • 子供にだって言い分があるのだ。
    親の策略なんてお見通しお見通し……。

    2歳の育児がもっと面白くなる1冊。

    1話見開き2P分なので読みやすい。

  • ◆きっかけ
    Amazon。『うたのえほん』を検索した時に「こんな商品も…」の欄に出てきて。2017/4/4
    ◆感想
    し図。リクエストして『私は赤ちゃん』と共に他館貸し出し。
    1961年発行の本書。文庫本ということもあって、相当年季入ってボロボロになっていた。私は赤ちゃんよりも、子どもを取り巻く環境やケガ病気、大人社会のことについても触れられていて、物語を読んでいるようで面白かった。まさに両親が2歳になる年に発行された本だけれど、両親に聞く子ども時代の話よりも、現代に近いような気がした。団地という舞台設定のせいだろうか。
    2017/9/14

  • 2歳のこどもの一人称で、彼を取り巻く毎日が語られる。パパママとの団地暮らしから、パパの実家に引越しておばあちゃんと同居になり、という中で、ゴテたり病気になったり友達と遊ぶ中でいろいろあったりといろいろある。
    最初は、なんで2歳の考えてることが著者にはわかるんだと違和感あったけど、だんだん、ああ、息子もゴテてるときこんなこと考えてるのかもなーと思ったりで、総じておもしろかった!!
    あ、こういうことまで2歳だとできるって考えていいんだねとか(この本だと1人で友達のとこに遊びに行ったりする)。
    ホント、ゴテられるとどう対処するのがいちばんいいのかなって毎回思う。あんまりこっちが屈してばかりでもガマンが身につかないなんてことになったら困るなと思うし…。

  • 子供が2歳になったので読んでみた。
    子供の話だけではなく、嫁姑問題とか、近所の子供同士の付き合いの問題とか。
    しかし当時の2歳児は一人で遊びにいったりしたのか・・・
    今では考えられないかも。

  • 子育てに関して、というよりも、当時の家族、夫婦の会話から時代が見えて面白い。

  • 私は赤ちゃんがとても良かったのでこちらも。
    松田道雄先生は期待を裏切りませんでした。
    早期教育やしつけについてもおもしろかったですし、子供同士の関係や嫁姑問題など、こどもをとりまく人間関係にフォーカスしていて、2歳ともなると一人の人間として社会との関わりが増えてくるんだなあと、現在1歳児の母として心の準備ができたかも。

  • 二歳の坊やを主人公にしたお話。
    語り手は坊や。
    子どもの行動についての子どもの言い分や、
    大人の子供に対する態度
    大人同士のやり取りに対しての
    子どもの気持ちや意見が述べられている。

    確かに子どもはそんな風に思ってるのかもな、と思う箇所も結構ありました。


    古い本なので、
    医療にしても、社会的な背景や家族的な背景にしても
    この本の世界と現在とでは違いがあるように思いますが
    それでも
    面白く読めました。

    育児本のカテゴリーだと思いますが、
    隣近所の人がでてきたり
    嫁姑問題があったり
    読み物として読むのも良いかと。
    パパとママのやりとり、
    小児科の先生のおしゃべりもなかなかよくできていて面白かった。

  • 『私は赤ちゃん』に続く、乳幼児視点で育児を描いたエッセイ風実用書。中盤から姑との同居篇が始まります。
    同居はファンタジー気味な和解を果たしますが、50年前という事を鑑みると作品的に許容範囲内かと。そこまでの、認識に差を抱えながら折り合いを付ける姿は悪くないと思いました。
    ちなみに映画化されていて、若い父親役が船越英二という辺りに歴史を感じました。

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著者プロフィール

著者 松田道雄(まつだみちお) 1961年生まれ、生まれも育ちも今も山形県山形市 
中学教師(社会科)、着想家、社会教育家、ポリネーター(ワークショップほか企画作りの相談請負人)
1993年「壁画—ニット」プロジェクトで、ロレックス国際賞受賞 
●著書 『駄菓子屋楽校』(新評論、2002)
『だがしや楽校のススメ』(共著、創童舎 2003年8月発売)              『だがしや楽校を開こう』(仮)(共著、新評論)
 ※「だがしや楽校」は全国に広がりつつある
ラヂオ社会教育講座「天分楽校」 VigoFM78.8MHzHP:http://www.vigofm.co.jp/

「2003年 『天分カフェ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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