自由と規律: イギリスの学校生活 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 614
感想 : 65
  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004121411

作品紹介・あらすじ

ケンブリッジ、オックスフォードの両大学は、英国型紳士修業と結びついて世界的に有名だが、あまり知られていないその前過程のパブリック・スクールこそ、イギリス人の性格形成に基本的な重要性をもっている。若き日をそこに学んだ著者は、自由の精神が厳格な規律の中で見事に育くまれてゆく教育システムを、体験を通して興味深く描く。

感想・レビュー・書評

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  • 権利を主張する前に義務を果たせ,なんて言葉を聞いたことがある.
    それと似たような言い方をすると,自由であるためには規律が守られなければならない.言論の自由だとか表現の自由だなんてことが言えるのは,それを規定する決まりがあって皆がそれを守るからである.

    自分で考えてみて思ったが,規律によって自由を規定するというのはなんとも不思議な感じを受けた.

    本書では,著者のイギリスでの学校生活経験をもとに,イギリス人の人格形成とか規律を守る心構えが,学校生活のどういった部分で行われていくかについて書かれてある.あと,中学高校といった多感な時期の教育に,教える人その人が学生の人格形成に重要な役割を果たすことについて考えさせる本だった.

  • 今回『自由と規律』を読み、その感想としてまず抱いたことは次の通りである。つまり、私は高校時代に真なる自由というものを謳歌できているのかという疑問である。なぜならば、私が3年間を過ごした熊谷高校は、その校訓の一つとして「自由と自治」というものを掲げているからだ。その高校では一般の高校と違い、制服が存在しない。学生は各々自由な格好で通学することができる。休み時間の過ごし方も自由である。たとえば、昼休みに抜け出し、近所のコンビニや駄菓子屋、レストランへ行くことも可能である。授業においても担当教員が不在の場合は、その時間は各自図書館学習(通称カクト)と呼ばれるものになる。その時間は勉強している学生もいれば、友達と麻雀に興じる学生、はたまた近所のレストランに行く学生などがいた。いうなれば、その時間は何をしようが自由なのである。高校時代私は、このような自由な校風の下自由気ままな学生生活を送っていた。しかし、ここで一つ疑問なのは、私は自由の裏に必ず存在する責任というものを意識していたかどうかという点である。「自由=無秩序」と考え、自由をはき違えていたのではないかという疑問である。そのことを示唆するエピソードを紹介したい。
    私の母校熊谷高校の最寄駅、熊谷駅前には源平合戦で活躍し、熊谷市の名前のゆらいにもなった熊谷次郎直実の銅像が鎮座している。毎年熊谷市では、うちわ祭りという祭りが夏に開かれるのだが、それが開催されるたびに我々学生はその銅像に登るという悪習が存在している。その銅像は重要文化財に指定されており、登ことはおろか触ることさえ法律で禁止されている。しかし、我々はその法律を無視し登ってしまった。我々の言い分としてはこれが伝統だから、自由だからなどが当時はあったと記憶している。今思うと非常に恥ずかしいことであるが、直実像に登った際私の先輩の一人が警察に捕まってしまった。この後警察、学校関係者に怒られたのは言うまでもないが、ここで問題なのは自分たちの蛮行に対する後始末を人任せにしてしまった点である。つまり、祭りの実行委員会、周辺住民、警察などの関係諸機関に対する説明責任を我々は負わなかった。謝罪にさえ行った記憶がない。すべて校長先生をはじめとする、先生方に任せてしまったのだ。高校入学時の担任から「自由ということばの裏には必ず責任ということばがついてまわるのだよ。」と言われていたにも関わらず、我々は自分たちの蛮行に対する責任を放棄してしまった。確かに中心となって扇動した応援団は謹慎し、それなりの責任を果たしたと言えるが、自分の蛮行に対する責任を人任せにしてしまった点は今でも申し訳ないと思う。
    このエピソードに見られるように、私は高校時代「自由」ということばをはき違え、それに対する責任を負わなかったように感じる。「自由=無秩序」という考え方が私の中にはびこっているように感じる。真なる自由とは規律によって担保されるという本書の主張は、私に衝撃を与えた。仮に「自由=無秩序」、つまり規律が存在しない状態だと我々人間はどのように行動するのか。おそらく自由の名のもとに暴走してしまうであろう。自分の利益のみを追い求め、数多くの蛮行を働くに違いない。なるほど、自由経済の世界においてもその自由を規制する法律、諸機関があることもうなずける。
    我々の自由に対して規律が必要なことは理解した。では、その規律を守らせるには、その規律を教え込むにはどうしたらよいのか。その方法はひとえに正解とは言えないが、私が思うのは次のようである。つまり、自由の裏に必ず責任ということばが付きまとうことを理解させるほかない。思うに日本の事なかれ主義においては、先生、親など規律を教えなければならない人が非常に過保護である。子供が悪さをすれば親同伴で謝罪に来る。自分が好き勝手にやったことに対して自分で責任を負う。この点がもうすこし強調されてもいいと思う。自分の行動の後始末を自分でつけることで、やってはいけないことを学ぶのではないかというのが私見である。

    • zyozenさん
      K高生って結局プライドだけ高いけど、実力が伴わないアマちゃんなのかもしれないね。
      K高生って結局プライドだけ高いけど、実力が伴わないアマちゃんなのかもしれないね。
      2010/12/01
    • browningm1837さん
      改行求む 
      改行求む 
      2010/12/28
  • ゼミナールで使用。
    これを読むと、日本の規律って…

  • ちょっと難しい。

    イギリスの教育的文化を垣間見れて面白い。
    だけど、一文一文が長くて読み取るのに苦労する。

    全体的に理解するのが難しいが、勉強になる。

    特に最後の運動競技、スポーツマンシップの項は、イメージがし易くて為になった。

    良きタイミングで見直したい。

  • 関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
    https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/webopac/BB00149595


  • 高校時代に読んだが再読。
    ブラック校則が話題の昨今、考えさせられること
    多数。

    文語調の声に出して読みたい
    美しい文章も特徴的。

  • いかにして、英国が今に至る国となったのか?その国民性、教育、思想とは?日本人とは異なる考えを相対的にエピソードを踏まえてわかりやすい。ノブレスオヴリージュの考えとはどこからやってくるのか。自由を謳歌する前に徹底的な規律を叩き込まれる。

  • 自由とは規律を伴い、自由を保障するものが勇気である。

  • ボストンコンサルティング御立さんのオススメ本

    教訓:自由を謳歌するには、規律が必要条件になる、という厳然たる定理がある

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著者プロフィール

2017年8月現在大阪商業大学総合経営学部教授、兵庫県立大学名誉教授

「2018年 『現代中小企業の経営戦略と地域・社会との共生』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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