天皇の祭祀 (岩波新書 青版 933)

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  • Amazon.co.jp ・本 (220ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004121657

感想・レビュー・書評

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  • 戦争体験世代にとって近代天皇制という日本のシステム問題は避けては通れない問題なんだろう、そこかしこに著者の真摯な怒りが垣間見えるようで、当方のような暢気な輩は首を垂れるばかりであります。いずれにせよ明治時代礼賛という風潮には声を上げないといけないのかもしれない。
    しかし天皇制という仕組みが何やかんやで古代以来永く続いてきたこと、このことこそ日本という国というか場所の本質が潜んでいるのかもしれないと改めて思う次第。

  • やや教科書的だが、非常に勉強になった。新嘗祭は皇室祭祀の根幹であること、紀元節祭などは明治になって始められた祭りであること、応仁の乱直前から江戸時代中期までは新嘗祭も行われなかったこと、9代の天皇が葬られた泉涌寺の歴史など。
    江戸以前は天皇は神であったことはなく、現人神は明治近代化の中で創られていった概念であることがよく分かる。
    筆者は戦中派らしく、天皇の公的行為の名の下に、政治性の強い活動が行われるのに懐疑的。

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著者プロフィール

1928年、東京生まれ。1952年、東京大学文学部宗教学宗教史学科卒業。東京大学講師・龍谷大学講師・慶應義塾大学講師を務める。1991年、没。
【主要編著書】『近代日本民衆宗教史の研究(法蔵館、1958年)、『国家神道』『慰霊と招魂』『天皇の祭祀』(岩波書店、1970、74、77年)、『新宗教―その行動と思想』(評論社、1980年)

「2020年 『日本の宗教 日本史・倫理社会の理解に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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