歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)

  • 37人登録
  • 3.78評価
    • (2)
    • (3)
    • (4)
    • (0)
    • (0)
  • 2レビュー
著者 : 市井三郎
  • 岩波書店 (1971年10月20日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (218ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004130024

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • ☆☆☆☆☆ やっと読み終えた。長い時間を費やしながらじっくりと読んだ。1971年10月20日第1刷発行のもの。

    「進歩史観」から「進歩の基準」、「人間史のパラドックス」を経て、著者としての結論
    『人間歴史の未来を創るのは、言うまでもなく人間である。多くの人間は過去、現在の惰性に押し流されたとしても…。その惰性に対して異なった方向へ未来を作ろうとするとき、人間は価値理念の導きを必要とする。しかも過去の試行錯誤から人間はより良い理念を、そして、よりよく実現可能な理念を探究することができる』と説く。


    考えてみれば、人類の歴史は、時間の経過とともに、一方方向に進歩してきたわけではないことは史実を読めばわかることだし、地域によるその人間の叡智の高度化と衰退、停滞の繰り返しが、存在したこともそれほど時代を遡らなくても歴史的事実として確認できる。ただ、ほんの何世紀かのなかで、西洋の思想が人間社会をリードしている期間が続いているに過ぎないのに、何故か西洋文化が人類の先端を走り、文化をリードしているような錯覚を持ってしまっている。
    マヤ文明を滅ぼした、当時のスペインの文化レベルとマヤ文明の文化レベルを比較したら、当然優っていたマヤ文明。そのマヤ文明が唯一、戦闘における武器の有効利用ということに劣っていたために、その優れた文明を途絶えさせてしまったことからもわかるように、人類の長い歴史のなかでは、優れた個人や、優れた文明国家が必ずしも、その思想や文明を継承させることができたわけではない。
    そこには、偶然性が左右するそのときどきの適者が存在し、他を駆逐してしまうことが、当然のこととして起こってきたに違いない。
    ネアンデルタール人とホモ・サピエンスの関係もそう言われている様に…。

    いま、私が生きているこの時代の瞬間は科学技術的には高度な文明の時間経過の中にあるのかもしれないけど、それは“人類の叡智”という視点から「歴史の進歩」を捉えると必ずしも、高度な進歩の経過点にはないような気がしてしまう。
    2016/05/07

  • [ 内容 ]
    人間の歴史にとって進歩とみえる現象が、他方では大きなマイナスをもたらしている事実が明らかになるとともに、素朴な人間進歩への信仰は崩れて、進歩をはかる価値観自体が混迷している。
    人間にとっての進歩とは、価値とは、という問いに対して、著者自らの主張を提示しつつ、読者自身がその問題を考えることを促す哲学のすすめ。

    [ 目次 ]


    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全2件中 1 - 2件を表示

市井三郎の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
伊賀 泰代
三島 由紀夫
遠藤 周作
エーリッヒ・フロ...
マルグリット・ユ...
エーリッヒ・フロ...
有効な右矢印 無効な右矢印

歴史の進歩とはなにか (岩波新書 青版 800)はこんな本です

ツイートする