万葉の時代 (岩波新書)

  • 岩波書店 (1954年12月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784004130918

作品紹介・あらすじ

「あをによし奈良の都は咲く花の…」とうたわれた白鳳・天平時代の古代人はいかに生きていたか。壬申の乱から説きおこし、天皇を中心とする当時の支配層内部の葛藤を暴露するとともに、その専制と戦乱の下で苦しむ人民の生活と哀歓を生き生きと再現し、萬葉集を生み出した時代背景を明らかにする。真に萬葉集を理解するための道を開いた名著。

感想・レビュー・書評

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  • 壬申の乱から平安遷都にいたるまでの歴史の流れをたどりながら、同時代を生きた万葉歌人たちの歌を紹介している本です。

    天武および持統天皇の時代に確立され、大仏造立という国家的事業をなしとげた聖武天皇にいたるまでの白鳳・天平時代は、天皇による専制を志向しつつもその内部で藤原氏がしだいに権力を掌握するというかたちで、政治が動いていきました。宮廷歌人であった柿本人麿は、天皇の治世を寿ぐとともに、権力闘争のなかで命を落とした人びとへの哀悼を歌に託しました。

    他方、農民たちの苦しい生活に目を向けた山上憶良は、「貧窮問答歌」に代表される独創的な作風を追求します。さらに東歌・防人歌には、公民の支配が強化されるなかで苦しみにさいなまれる庶民の心情が表現されています。

    『万葉集』は、こうした幅広い階級の人びとの思いを表現する歌を採録しており、この時代を生きた人々の息吹に触れることのできる作品になりえています。その背景には、中国文化を取り入れて詩作をおこない、遊園の席でそれを口誦する宮廷人たちの文化的成熟と、庶民のあいだで口ずさまれる民謡が洗練されて彼らの文学的な資質が高められるという、二つの潮流がありました。本書は、こうした文化史における変化と、政治史における出来事が相互にからみあって展開される時代の様相をえがき出しています。

  • 目次
    序章 壬申の亂
    第一部
     1 白鳳人の創造
     2 平城造都
     3 天平の人間群像
    第二部
     1 國分寺の創建
     2 藤原廣嗣の叛亂
     3 彷徨五年
     4 大佛開眼
    第三部
     1 橘奈良麻呂の變
     2 萬葉の挫折
     3 天武系皇統の斷絶
    結章 平安京への道

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