明治維新の舞台裏 (岩波新書)

  • 岩波書店 (1960年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (215ページ) / ISBN・EAN: 9784004131182

みんなの感想まとめ

幕末から明治維新にかけての日本の政治的変遷を深く掘り下げた本書は、勝海舟や西郷隆盛といった歴史的人物の実像を描き出し、彼らの行動がどのように新政府の樹立に影響を与えたのかを考察しています。特に、薩長連...

感想・レビュー・書評

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  • 大河ドラマなどでは、勝海舟の江戸無血開城が美談として描かれるが、実際は新政府への恭順を装い、海軍力の保留、将軍家駿河移封の阻止など、徳川慶喜を江戸城主として保全するために可也骨を折っていたらしい。その結果は失敗におわり、江戸城は新政府軍によって占拠され、将軍慶喜は駿河に移徙させられた挙句、封地も大幅に削減され、筆頭大名的地位すら手放してただの地方大名に没落してしまう。
    同じく豪傑として描かれる西郷隆盛も、実際は豪放磊落なところが泰然としていて他人からのウケが良いというだけで、時勢を見極める目は勝海舟に及ばず、大久保利通にも及ばず、木戸孝允にはイギリスの狗と皮肉られる始末。その意味で西南戦争は必然の結果なのかも。所詮、新しい時代を担うだけの能力はなかったということか。

    ただ、そういう個人のキャラ設定以上に深刻なのが、本書で述べられる、新しい日本政府の由来。憎っくき悪党である徳川家を崩壊させて日本を浄化しようと薩長が同盟を組み、本来の日本の君主である天皇を推戴して新政府を樹立し、旧幕政権を破って日本を統一した、という筋書きも、結局はイギリス(反幕府)とフランス(親幕府)という両勢力による智慧比べの上で繰りひろげられた代理戦争でしかなかったらしい。イギリスの力で樹立された明治政府と、アメリカの力で復興した戦後の日本。改めて日本って何なんだと考えさせられる。そういえば、清朝も李氏朝鮮もチベットもベトナムも、アジアの国はどこも欧米諸国の代理戦争で新政権が立ち上がっている。アジアのアイデンティティって一体……。アジアを卒業して西洋の仲間入り、なんて言って独りお高く棲っていた日本人って一体……。
    そしてあとがきにもある通り、お隣の中国が徹底的に西洋に食い物にされた結果としてその反撥エネルギーが爆発したのに対し、日本は西洋の真似をして海外に植民地を求め、国際社会の時勢を読むことに失敗してどんどん外へ外へ拡大を続け、国民もそれに酔いしれて、最終的に破綻する。


    内容は全体にとても面白いが、文章へたなのが珠に疵。あと、「大阪」って書いてるけど、明治5年以前は「大坂」じゃないの?

  • 幕末から明治維新までの経緯に、イギリスとフランスの両国がどのように関わったのかを追った本です。

    薩長をはじめとする雄藩を支持し、徳川政権から明治政権への平和的な権力の委譲の実現に力を注いだイギリスのパークスと、徳川慶喜や小栗忠順らの路線を支持して「徳川絶対主義」の道を用意したフランスのロッシュが中心に取り上げられています。この両者の動向については、司馬遼太郎の歴史小説の中でもしばしば言及されていたので、さらっと読むことができました。ただし小栗忠順の評価については、司馬と本書の著者との間にかなりの隔たりがあるようです。

  •  幕末後期の政局へのイギリスとフランスの関与・介入過程史。徳川幕府が統治権力を強化するためにフランスへの「買弁」的癒着を深めたことや、イギリスが幕府の貿易独占体制を打破するために西南雄藩へ接近したこと等を、英仏の外交文書等を用いて明らかにした点で研究史上画期をなす書。

  • 目次
    Ⅰ幕薩連合策の破産
    Ⅱ長州再征へ
    Ⅲ薩長連合の成立
    Ⅳパークスとロッシュの対決
    Ⅴ将軍慶喜の巻き返し
    Ⅵ大政奉還か挙兵封幕か
    Ⅶ徳川政権の終末

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