太平洋戦争陸戦概史 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004131342

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  • 1951年刊行。著者は元陸軍大臣秘書官。◆陸軍から見たアジア太平洋戦争。そしてその前史たる満州事変あたりから叙述開始。太平洋戦線関連、陸海の省部対立、軍政・統帥対立、資源・人員・武器弾薬の輸送軽視については新奇事項はないが、日中戦争期はなかなか興味をそそる。①ドイツへの盲信・過大評価の要因論(首脳部から英米留学組が放逐という人事面。独の電撃戦に幻惑という統帥面)。②独ソ戦が重慶攻撃を頓挫せしめる。◇インパールの牟田口氏は余りに著名だが、この人物の思考・性格形成を考究できたら。上層部に昇進した理由も。
    現代の組織論の反面教師に。◇陸軍幼年学校での科学の軽視の問題を本書は指摘。算数数学・物理・化学。◇台湾沖航空戦の戦果検証をしないまま。その後の捷一号作戦(レイテ)に大きく影響。実証・確認・証拠の軽視。◇陸軍から見た菊水一号水上作戦の不可解さ。◆本書は陸軍関係者が戦後直後に刊行したことに大きな意味。虚心坦懐さ、反面教師に彩られる本書の内容に反する書が、最近横行。しかし、あくまでもそれは枝葉あるいは例外的事象。肝に銘ずべし。古い故に読む必要が高い書。

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