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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784004140047
感想・レビュー・書評
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「ボヴァリー夫人」が取り上げられているのを思い出し,第7章を再読.
この本の良いところは,小説自体のあらすじがほとんど書いてなくて,作家の生涯や,作品の成立の背景となる事柄に記述がしぼられていること.だから作品を読む前に読んでも読書の妨げにならない.
ボヴァリー夫人を取り上げた第7章でも,フローベールがいかに苦心して文章を磨き上げたかが書かれていて興味深かった.一方で,文章自体にかかわることや,小説の構成にかかわることは,翻訳を読んでいるせいか,私が鈍いせいか納得,共感するところにまでは至らないところがある.ただそれは全体としてはわずかで,この小文を読むことで多くのことに気づかされるのは確か.
さて,ついでに,この本の思い出を書いておこう.
この本の存在を教えてくれたのは,通っていた予備校で英語を教えてもらっていたO先生だった.当時モームの英文は入試問題の定番で,その余談に10大小説の話しが出たのだったと思う.当時の私はそのうちの一冊も読んだことがなかったと思う.大学にはいったら思う存分こういう本を読んでやろうと思ったのを思い出す.
私の持っているこの岩波新書の奥付は1989年で,O先生に紹介されてから数年後になる.この時点ではたぶん「自負と偏見」と「赤と黒」だけしか読んでなかったと思う.今はもう10大小説をすべて読破してやろうなんて思わなくなったけれど,長い年月のうちに気づいてみると8つまでは読んだことになる.あと10年くらいすると,全部読んだことになるかもしれない.改めて,このラインアップを見ると,これらが「10大」小説なのかは議論があるにしても,いずれも強い印象を残す優れた小説であることは疑いない.詳細をみるコメント0件をすべて表示
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