名画を見る眼 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 71
  • Amazon.co.jp ・本 (190ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004140641

作品紹介・あらすじ

現在、わが国では西洋美術の展覧会が相次いで催されており、西洋の名画に直接ふれる機会が多くなった。これらの作品をただ漫然と眺めるだけではなく、一歩進んで西洋絵画の本質について改めてよく理解したいとする要求に応えて執筆された、誰にもわかる西洋美術鑑賞の手引書。代表的名画十五点を選び、それぞれに懇切な解説を試みる。

感想・レビュー・書評

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  • 15世紀から19世紀までの、一度はポスターや図録で見たことがあるような著名な絵画15点を取り上げ、時代背景や宗教的背景などを踏まえ、その絵の見どころを解説してくれる本書。
    今から50年も前に書かれている本なのに、全然古い感じがしない。

    まず最初に取り上げられるファン・アイクの「アルノルフィニ夫妻の肖像」で、隅から隅までに目を配り、何気なく描かれているようにしか見えていなかった調度品や登場人物の服装に仕草と、画家がそれぞれに込めた意味を指南してくれるので、絵画鑑賞の奥深さ、面白さにグッと引き込まれました。二つ目以降、時代の流れに沿って紹介される名画たちにも同じように丁寧な解説が。
    読み終えて、いや、読んでいる最中から、紹介された絵を今すぐにでも美術館で生で見たい!(海外に行くしかないけど!)そんな気分になる本でした。
    自分の素朴な感性で絵画を楽しむのも悪くはないけれど、こんな風に適切な導きがあれば、何倍も楽しめそう。絵画鑑賞の楽しみ方が広がりました。

    印象派以降が紹介される続編も読んでみようと思います。

  • 読む者を引き込む文章。もっと堅苦しいものかと思っていたからびっくり。他の書籍にこの本がきっかけで美術史の分野に飛び込んだという話があって、なるほどそれも納得。専門的な知識がなくても楽しめる。もっともっと知りたいという欲が出てくる。高階さんの他の著書も読んでみたいな。

  • 絵画をどういう見方をすればいいのかわかりやすく書いてます。その絵画が持つ意味や、時代背景、絵画や画家にまつわるエピソードなどを理解すれば絵画鑑賞は何倍にも楽しめるんだなと思います。

  • 分かりやすく、そして惹き込まれるような美しい文章だった。
    ファン・アイクからマネまで、有名な絵を取り上げて、ルネサンスから近代の始まりまでを通覧する内容で、良い復習になった。そして、この本で取り上げていたものでなくても、美術館へ行ってじっくりそれぞれの作品と向き合いたくなった。

  • 高階秀爾 「 名画を見る眼 」

    西洋美術の見方を知る。1枚の絵で キリスト教義や人の変化を 緻密に再現してる。凄い。

    ファンアイク「アルノフィニ夫妻の肖像」
    ボッティチェルリ「春」
    レオナルド「聖アンナと聖母子」
    ワトー「シテール島への船出」についての 著者の見方は とても役に立った

    ファンアイク「アルノフィニ夫妻の肖像」
    *細部の写実〜シャンデリアの硬質感、毛皮など 触れたくなるほどの迫真性
    *見る側を引きずりこむ構図〜鏡の中の来訪者=結婚の立会人として来たファンアイクを描いている
    *林檎=人間の原罪に対する十字架の救い
    *一本だけ灯された燭台=結婚のシンボル

    ボッティチェルリ「春」愛と美の女神ヴィーナスの幻想劇
    *右/大地が 西風につかまり 花の女神フローラに変わることを擬人化=春の到来=女性が愛により生まれ変わる
    *左/ブローチをつけた美神=愛欲、地味な中央の美神=純潔→右の美神=美によって和解→愛欲と純潔の接触によって美に変わる
    *キューピッドの矢は 中央の純潔の美神へ向けられている
    *中央/愛と美の女神ヴィーナス

    レオナルド「聖アンナと聖母子」教義を備えた宗教的作品=原罪による堕落、十字架の死と復活による救い
    *アンナ(マリアの母)、マリア(神の母)、イエス(神の子)
    *マリアの赤の上着、青のマント=愛情と真実の象徴
    *仔羊=犠牲=イエスの受難

    ワトー「シテール島への船出」
    *シテール島=愛と美の女神ヴィーナスが流れ着いた島
    *一組の男女の心理的な動きを表現した

  • 西洋美術の解説本の元祖というところなのですかね。
    数十年前に尊敬する予備校の人気先生が面白いと推薦してくれたのが、最近その先生と同年代になって、ようやく面白いものと認識できるようになって自分の成長を感じた。

    とはいえ、自分には少しマイナーというか知らない作品があったのも事実。もっと勉強しないと。

  • 西洋絵画15作品について解説。

  • 続編に譲る

  • 【特徴】
    ・西洋絵画を鑑賞するための古典として根強い人気
    ・筆者の深い洞察に唸ります。
    ・最近出版されたカラー版もおすすめ
    ・ルネサンス〜写実主義・マネまでを収録

  • 高校時代に買って読みました。
    初めてロンドンにいったときに持っていきました。
    アルノルフィニ夫妻の肖像を見たかったのです。
    あの冷たいまなざしが忘れられません。
    ロンドンに行く度にあのお二人に挨拶に伺っています。
    「ファン・エイクここにあり」
    たしかにこのときファン・エイクはここにいたのだなと思うと不思議な気持ちがします。自分も絵の中に入ってこの二人を見ているような気になるのです。
    絵画を見るのは面白いことを教えてくれた本です。

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著者プロフィール

美術評論家・大原美術館館長

「2020年 『高階秀爾、語る 方法としての日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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