ものいわぬ農民 (岩波新書 青版)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004150091

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  • この本の初版は昭和33年(1958年)。
    日本のチベットこと、岩手の農村は金なし、暇なし、娯楽なしだった。
    産まれた子供の半分は亡くなってしまう地区もある。
    そういった農村の中で生きていくには、部落の中における世間体が最も大切であり、良くも悪くも右習えにならざるを得ない。

    農村のヨメ勤めは過酷。
    農繁期は朝から晩まで働きとおし。農閑期は姑と四六時中一緒。
    (姑がヨメに気を使う現在に生きる我々からは想像を絶する世界だったはす)

    受胎調節など農民達の実態を把握せず、紙の上にありえない農村をプロットし、語り出す国や自治体と農民達のギャップは大きく、話しをしても何を言っても農村達の生活は何一つ良くなるわけではない。
    農民にあったのは希望ではなく諦めだった。


    あいも変わらず、国の政策に振り回される農家を見た時、これは決して昔話ではないのかも知れないと思う。

  • ・日本の農村とはどのようなものだったか
    岩手の特に厳しい地方とはいえ、かつての日本の農村の語った言葉が描かれている。今老人の回顧を聞くのとは違う。

    ・農民の声を聞く、ということがいかに難しいことか
    開発に際して当事者の声を聞くことの重要性はいわれるものの、このようにかなり当事者に近い外部の人間がかなりの時間をかけなければ本音は聞けない。
    また、本音を聞いたところで、結局のところ彼らの生活を変えたのは農地改革。

  • 確かに、ここで書かれているこことは過去のことかもしれない。現在ではここで書かれているような貧困や抑圧そして閉鎖性は影を潜めているかもしれない。しかし、その根源にある格差を生み出す構造は、依然として存在している。

    その構造はすでに近代の出発点から存在し、これからも存在し続けるだろう。いまこそ、過去の声にならない声に耳を傾けるべきではないのだろうか?

  • [ 内容 ]
    「日本のチベット」といわれた岩手県――その山村で、貧困と因襲を背負いながら黙々と働く農民たちは、いろり端で、行商してあるく著者に対して,自分のことばで、その生活の喜びや悲しみを語った。
    嫁姑の確執、二・三男問題、土地への愛着、子供や老人の姿等々。
    日本社会の最も深い鉱脈をなす農民たちの語る言葉に耳を傾けよう。

    [ 目次 ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 自分の基準と、それぞれの人の基準は違うものであることは当たり前である。そのことを踏まえて一般的な「くらしの声」とまとめてしまうのではなく、それぞれのくらしの声をそれぞれの暮らしとリンクして、くらしの声から生まれた問題を向き合って考えることで初めて、くらしの声を「聴いた」といえるのではないかと考えられる。

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