本の中の世界 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • レビュー :6
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004150909

作品紹介・あらすじ

読者はこの本で湯川博士のくつろいだ姿に接することができる。読者とともに散歩しつつ、読書の思い出を述べ、あるときはエラスムス、アインシュタインにふれて世界観を語り、あるときは荘子、墨子、ドストエフスキーに説き及んで人生を語る。科学的思索をささえる教養の広くゆたかな据野が峰の高さをしのばせる。

感想・レビュー・書評

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  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所:教員おすすめ図書コーナー(1階)
    請求記号:019//Y97
    【選書理由・おすすめコメント】
    昔、東条英機、今、湯川秀樹と言われた時代の本。著者はご存知素粒子研究の先駆け日本初のノーベル賞受賞者で、理系の若者の憧れの的だった。帯に書いてある「読書の思い出を語り、若き日の回想を聞かせてくれる。」という宣伝文句を見るとつい読みたくなった。因みに、当時読書の道標として、「岩波文庫100冊の本」というのもあった。読むべき本がどんどん増えて若者は幸せだ。(化学・竹村哲雄先生)

  • 読んでみよーっ。基本な気がするのにできてないもんねあたし。湯川って人の観点からの読み方らしいけど

  • (2013.11.28読了)(2005.09.23購入)
    50年前に出版された本です。著者は、1907年生まれなので、50代に書かれたものです。
    雑誌『図書』に20回にわたり掲載したものに、「私の自叙伝」を追加した、とのことです。
    著者が若いころに読んだ本とそれにまつわる思い出を綴っています。
    目次の標題を見てみると、中国の古典、日本の古典、西欧の古典などが取り上げられていることがわかります。読んだことのある本もいくつかありますが、聞いた事も見たこともない本もいくつかあります。時代がずいぶん変わってしまったということでしょう。
    まだ読んでいない古典のいくつかは、いずれ読んでゆきたいと思います。

    【目次】
    「荘子」
    「近松浄瑠璃」(近松門左衛門)
    「カラマーゾフの兄弟」(ドストエフスキー)
    「舞姫」(森鷗外)
    エラスムス「平和の訴え」
    「山家集」(西行)「伊勢物語」
    「文章軌範」
    「ナンセン伝」(アンナ・ガートルード・ホール)
    「近世畸人伝」(伴蒿蹊)
    「墨子」
    エピクロス
    「狂言記」
    「唐詩選」
    「海潮音」(上田敏)
    「ラッセル放談録」(バートランド・ラッセル)
    「あめりか物語」(永井荷風)
    「わが世界観」「晩年に想う」(アインシュタイン)
    「東西遊記」(橘南谿)
    「源氏物語」(紫式部)
    自分が書いた本
    短い自叙伝―或る物理学者の宿命

    ●『山家集』(43頁)
    中学時代の私には、もちろん和歌のよしあしはよくわからなかったが、西行の歌を格別上手とは思わなかった。ただ好きな歌、面白い歌が、他の歌よみの場合より、ずっと沢山あった。細かい技巧をこらしてないので、わかりやすく、中学生の心に素直に訴えてくるものが多かったからであろう。
    ●哲学(127頁)
    ワイヤット「哲学とは何でしょうか」
    ラッセル「私自身の見解は『哲学とは、正確な知識がまだ得られない事柄についての、思弁からなるものである』というのです。」
    ワイヤット「哲学と科学との違いはなんですか。」
    ラッセル「大ざっぱにいって、科学とは私たちが知っているところのものであり、哲学とは私たちが知らないところのものである、といってよいでしょう。」
    ●自然と人間(177頁)
    自然は曲線を創り人間は直線を創る。

    ☆関連図書(既読)
    「旅人」湯川秀樹著、角川文庫、1960.01.15
    「人間にとって科学とはなにか」湯川秀樹・梅棹忠夫著、中公新書、1967.05.
    「物理の世界・数理の世界」湯川秀樹・北川敏男著、中公新書、1971.05.25
    「創造への飛躍」湯川秀樹著、講談社文庫、1971.07.30
    「宇宙と人間 七つのなぞ」湯川秀樹著、筑摩書房、1974.07.18
    「目に見えないもの」湯川秀樹著、講談社学術文庫、1976.12.10
    「湯川秀樹が考えたこと」佐藤文隆著、岩波ジュニア新書、1985.06.20
    「罪と罰(上)」ドストエフスキー著・工藤精一郎訳、新潮文庫、1987.06.05
    「罪と罰(下)」ドストエフスキー著・工藤精一郎訳、新潮文庫、1987.06.05
    「鴎外の「舞姫」」角川書店編、角川ソフィア文庫、2006.04.25
    「西行-魂の旅路-」西澤美仁編、角川ソフィア文庫、2010.02.25
    「竹取物語・伊勢物語」田辺聖子著、集英社文庫、1987.07.25
    「新訳哲学入門」B.ラッセル著・中村秀吉訳、現代教養文庫、1964.02.28
    「ふらんす物語」永井荷風著、新潮文庫、1951.07.05
    「相対性理論」アインシュタイン著・内山龍雄訳、岩波文庫、1988.11.16
    「新源氏物語(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(中)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1984.05.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(上)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    「新源氏物語 霧ふかき宇治の恋(下)」田辺聖子著、新潮文庫、1993.11.25
    (2013年12月12日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    読者はこの本で湯川博士のくつろいだ姿に接することができる。読者とともに散歩しつつ、読書の思い出を述べ、あるときはエラスムス、アインシュタインにふれて世界観を語り、あるときは荘子、墨子、ドストエフスキーに説き及んで人生を語る。科学的思索をささえる教養の広くゆたかな据野が峰の高さをしのばせる。

  •  湯川秀樹が過去に読んだ本や自らの体験を引用を含めて次々と紹介していくといった内容。そのバリエーションの豊かさにはただ驚かされた。
     引用されている古文漢文は本文中では現代語訳されないので、慣れていないと疲れる。
     森鴎外の「舞姫」について「今から60年前の作品」として紹介しているが、その文章自体が今では60年前のものとなって、自分にとっての湯川秀樹と、彼にとっての森鴎外が同程度の時間的距離にあると初めて認識した。また自分にとっては単に遠い昔の物語であった「舞姫」が、湯川秀樹という中間点を挟んだ位置にあるものとしてより具体的に感じられて感慨深かった。二人が歩いたベルリンを自分も訪れたことがあるという事が、それを一層リアルに感じさせてくれた。
     個人的には、スウェーデンの章も好き。何十年も前の時点でのフラム号の博物館についての記述が、昔自分が訪れたときの記憶とほぼ全く同じだった事に不思議な感覚を覚えた。
     残念ながら岩波新書版は絶版らしく、今は手に入りにくいかもしれない。

  • [ 内容 ]
    読者はこの本で湯川博士のくつろいだ姿に接することができる。
    読者とともに散歩しつつ、読書の思い出を述べ、あるときはエラスムス、アインシュタインにふれて世界観を語り、あるときは荘子、墨子、ドストエフスキーに説き及んで人生を語る。
    科学的思索をささえる教養の広くゆたかな据野が峰の高さをしのばせる。

    [ 目次 ]
    「荘子」
    「近松浄瑠璃」
    「カラマーゾフの兄弟」
    「舞姫」
    エラスムス「平和の訴え」
    「山家集」「伊勢物語」
    「文章軌範」
    「ナンセン伝」
    「近世畸人伝」
    「墨子」
    エピクロス
    「狂言記」
    「唐詩選」
    「海潮音」
    「ラッセル放談録」
    「あめりか物語」
    「わが世界観」「晩年に想う」
    「東西遊記」
    「源氏物語」
    自分が書いた本
    短い自叙伝―或る物理学者の宿命

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    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 大体において、湯川先生は思っていた通りの方でしたね。なんというか、尊敬の念はかなり抱いていますが、それほど好きな人物というわけではないのです。さて、話が飛ぶようですが、2007年度のセンター試験に「老成」の意味を答えさせる問題があり、かなりの正答率の低さを叩きだしました。僕も間違えた中の一人です。そして、この本の『舞姫』の章での湯川先生もどうやら間違えてるような。あまりにくだらないことを述べてしまいましたが、もっとくだらないことを。『墨子』の章で、実の兄を「貝塚氏」と呼んでいるのです。まさかどっかの角界の兄弟みたいなことはないんでしょうが、読んだ時は笑ってしまいました。色々と、楽しめた本です。取り上げられている本を挙げると、『荘子』、「近松浄瑠璃」、『カラマーゾフの兄弟』、『舞姫』、『平和の訴え』、『山家集』・『伊勢物語』、『文章軌範』、『ナンセン伝』、『近世畸人伝』、『墨子』、エピクロス、『狂言記』、『唐詩選』、『海潮音』、『ラッセル放談録』、『あめりか物語』、『わが世界観』・『晩年に思う』、『東西遊記』、『源氏物語』。

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