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Amazon.co.jp ・本 (215ページ) / ISBN・EAN: 9784004151036
感想・レビュー・書評
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自称「東洋の一机上ヒマラヤニスト」(p.147)が書いた本。特に出典などは示されていないが、実際にヒマラヤに登った登山家たちの伝記や攻略本などを参照にしたのだろう。ブラット・ピット主演『Seven years in Tibet』の元ネタとなった登山家ハインリヒ・ハラーの自伝も本書で紹介されている。
本書はヒマラヤの主要な山それぞれについて、初登頂までの経緯と苦労話を集めたもので、全体的にうまく纏められていると思うが、素人としてはさすがに中盤あたりから同じ内容の繰り返しに思えてきた。また、極自然に専門用語がしれっと出てくるのも、少し困った。わざわざ独語のビヴァークなんていわなくても漢字二つ「露営」の方が視覚的にわかりやすいし文字数削減できるし万々歳ではないか。
ただ、生物が生きてゆけないようなところを重い荷物を担いで悪天候の中、雪崩やクレバスを避けつつ山頂を目指し登ってゆくわけで、ちょっとした気分転換にとか、遊びでとか、そんな生やさしいものではないのだなというのが、各章の経験談から感じられて、刺戟的だった。
ヒマラヤは第一次世界大戦以前から欧州列強が登頂を目指していたようで、海外進出を図る英国や、独国、伊国ではその山頂制覇に対し積極的な資金援助があったそうな。特に英国は印度を植民地化していた関係で早くからヒマラヤの存在を知っていて、山頂の制覇は国民からの支持も受けていたとか。
ヒマラヤは世界の屋根といわれるだけにその標高が群を抜いてたかく、技術的に登頂が困難というのは勿論、さらに政治的に敏感な位置にあったためにしばしば入山許可がおりなかったり、宗教的関係でも印度などから入山を禁止されたり、時代の関係、つまり戦争の影響で入山できなかったり、気候的要因、たとえば季節風を避けるために時期が限られたりと、その登頂にはいくつもの障壁があったらしい。
ほかにも現地住民の迷信によって計画が頓挫することもあったらしく、日本から派遣された登山隊はネパールから一度登り、その後に麓の村が災害で潰れ、村民はそれを異邦民が侵入したことへの祟りと主張して日本隊の西入山を妨害したとか。
こういった背景知識なら文字で読んで理解できるが、どの地点からどの地点を通って山頂まで登ったという具体的な戦略になると、さすがに文字だけでは辛い。キャンプを張った地点が記された簡単な山の地形図も出てくるが、素人としてはそもそもみかたがわからず想像ができなかった。各章の頭に山の写真も出てくるが、山頂に寄りすぎて、正直どれも同じにしかみえなかった。もう少し図解や写真が多かったらなおよかった。
一つ残念だったのは、ある山ではどうしても山頂までいけなくて、ダイナマイトで爆破して突破口をつくったと書いてあったこと。それって登山といえるのかと疑問におもった。もっといえば、雪崩でテントが押し流されたりして人間は悔しいだろうが、立派な環境破壊では。生死の狭間で空っぽになった酸素ボンベを捨てたりというのも、別に誰もその人に登山を強要したわけでなく、登りたいから登って、勝手に死にかけて、自然分解されないゴミを捨てて、何がしたいんだと思ってしまう。欧米人の科学を追究する姿勢は尊敬に値すると思うし、アジア人もみならうべきだと思うが、自国の山をゴミだらけにするならともかく、よその国の山に登って、宗教や風俗を無視して、ゴミ捨てて、随分だなと思ってしまう。時代がかわれば環境への意識もかわり、今はさすがにそんなことはないだろうが。
疑似体験によるドキドキワクワクのほか、いろいろと考えさせられたという点でおもしろかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『日本百名山』でお馴染み深田久弥氏の著。8,000m峰という極限に人が挑んできたドキュメンタリー。それぞれにドラマがあり、挑戦のあり方も様々、撤退しつつも賢明な判断で教訓を残した隊から学ぶことも多い。また単なる登山記録の記述のみならず、ガッシャーブルムの呼称に関する記述など、著者の主張も適度に入っているのが良い。
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8,000m峰それぞれの初登頂に関するエッセイ。
スラスラと読めるけれど、文字と簡単なルート図だけでは素人にはイメージがわかない部分も多い。 -
[ 内容 ]
世界の屋根、ヒマラヤは今も昔も人びとの心をとらえて離さない。
一九五○年フランス隊のアンナプルナ初登頂に始まるヒマラヤ黄金時代に、現在とは比較にならぬ貧弱な装備、不完全な地図しかもたぬ先人達は、八千メートルの高峰にどんな夢を見、挑んでいったのか。
本書は人と山との壮絶な闘いの歴史を綴った記録である。
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