無限と連続―現代数学の展望 (岩波新書 青版 96)

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  • Amazon.co.jp ・本 (194ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004160038

感想・レビュー・書評

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  • 平易な語り口ながら、高校数学では現代数学の基礎であると説明されていつつも、いざ詳しい説明となると濁されてしまう集合とか無限とか群といった概念が、次々と繋がり有機的な展望が開ける、その説明の見事なこと。もっと早く読んでいたかった…。

  • 無限、群、位相空間、非ユークリッド幾何学など、数学啓蒙書でよく取り上げられるテーマに関する遠山啓による著書。類書に比べて、最も短く最もわかりやすく、深さと広がりをもっている、といってよい。ゴールに向かって最短距離で急降下する話の進め方、適切な例示、一般化による広がりは数学において最も味わうことができる。

  • 僕が生まれる前に出版され、今だに再版されているので、名著であることは間違いない。
    数多在る「数式無しで〜」と銘打った一般向けの数学書の中で、最後までギブアップしなくて済むのは少ないが、本書は大丈夫だ。「数学を鑑賞する」ために書かれた本書は成功のようで、名前だけは知っている「非ユークリッド幾何学」や「トポロジー」などの現代(当時)数学がちょっと近づいてきた気がする。

  • - 多様性と単一性
    - 血液型の輸血できるという関係は束
    - 推理のスイッチバックによってより高い抽象へ
    - 変換群によって変化しない性質を扱う

    P81の aga^{-1} = gg^{-1} = g が分からなかった

    P174の引用:"ユークリッドの直線は、このモデルの「直線」に比して無条件に実在的であろうか. よく考えて見れば、そのような常識を支持する論理的根拠はひとつもみつからないのである."
    非ユークリッド幾何学の'線分'ではない見た目上無限の距離を持った「直線」を当たり前のようにひょいと引いて使っているのはおかしく見えなくもない。非ユークリッド幾何学の(見た目)線分(直線)も目ではなく「手で見る」と無限の距離を持ってるけど。

    今慣れ親しんでいるものが全てじゃない。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    文庫&新書百冊(佐藤優選)194
    ビジネスパーソン仕事術

  • 真の教養と呼ぶにふさわしい本。現代数学の道のりとは拡張、抽象化、妥当性の確認、不変量の発見を繰り返していたのか。数学的概念の真意を知る喜びがあった。

  • ~とも言うべきだろう、という言い直しが多用されている。出発点と終着点とを入れ換えて高みを目指すスイッチバックが数学では頻繁に出てくるとのことだが、本書でも、言い換えで理解の高みを見せてくれる

    1952年出版とは思えないほど、分かりやすい丁寧な書き方。良書

    1部
    集合は順序を破壊し、残った数の多さを比べる。そのとき、要素の数が無限だと計数することは無意味なので、要素の一対一対応によって集合間の多少を判定する。加算無限集合では、次元は関係なくなる。ヒルベルトの無限ホテル

    2部
    要素間に関係を定義する。群

    3部
    点、距離、閉集合、位相

    4部
    幾何、射影、平行線、長さ、角度、非ユークリッド幾何
    4章はさすがに無理があって詭弁、と思いきや、アインシュタインの相対性理論の導出は同じ、となって感心する

    1章は理解できたが、2章以下は何となく分かったぐらいなので、再読が必要

  • 1952年著、岩波新書青背3である。全4章。最初はカントールの無限理論と集合論である。カントールの無限論は一対一対応によって無限を数え、「無限では部分が全体に一致する」、「無限にも大小がある」ことを示した。この無限集合論によって数学は再構築を迫られ、集合論では考慮されなかった数の関係を構築したのが、「抽象代数学」と「トポロジー」である。第二章は「抽象代数学」の話で群論(群・環・体・束)がでてくる。群とは「もの」ではなく「働き」を代数として扱うことである。三すくみや系図などの「関係」が数学の対象として扱われている。こうした「関係」には反射的・対称的・推移的などがある。第三章は、「トポロジー」である。デカルト座標から出発し、二次元・三次元・四次元と「距離」を拡張し、無限次元の話までいく。つぎに「距離」の概念を放棄し、位相空間の説明をしている。これはゴムのように自由に変形する空間であり、そのなかで変わらない本質とは何かということが問題になる。第四章は、非ユーグリッド幾何学の話で、今やコンピュータグラフィックで使われている射影幾何学やアフィン変換などについてふれている。数学者の逸話もいろいろと紹介されていて、盲目のトポロジスト、ポントリャーギンやロバチェフスキーなどの話も読めて興味深い内容だった。

  • (1969.03.30読了)(1969.02.24購入)
    *本の帯より*
    「無限を数える」とはどういうことか、それは数学が直面してきた課題である。本書は百年このかた高度に発展をとげた現代数学の根本概念を、万人のものとするために、平易な言葉でよびかけた「数学への招待」であり、難解な数学の真意を語る「数学者の弁明」でもある。

    【目次】
    第一章 無限を数える
    第二章 「もの」と「はたらき」
    第三章 つくられた空間
    第四章 始めに群ありき

  • 無限集合、群論、トポロジー、非ユークリッド幾何学を平易な記述で扱っており、大変読みやすい。話の展開の仕方が絶妙であり、そのすべてに意味を感じられる。素晴らしい。
    1952年の著作であるにもかかわらず、言い回し等にまったく古さを感じない当たりも本当に凄いと思う。教育に力を注がれた遠山先生ならでは。

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