栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)

著者 : 中尾佐助
  • 岩波書店 (1966年1月25日発売)
3.54
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004161035

栽培植物と農耕の起源 (岩波新書 青版 G-103)の感想・レビュー・書評

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  • (1993.07.27読了)(1992.10.01購入)
    内容紹介 amazon
    野生時代のものとは全く違った存在となってしまった今日のムギやイネは、私たちの祖先の手で何千年もかかって改良に改良を重ねられてきた。イネをはじめ、ムギ、イモ、バナナ、雑穀、マメ、茶など人間生活と切り離すことのできない栽培植物の起源を追求して、アジアの奥地やヒマラヤ地域、南太平洋の全域を探査した貴重な記録。

  • 【読前メモ】
    ・宮崎駿に影響を与えた本、らしい

  • 文化"culture"の元の意味は耕す"cultivate"から来ているという指摘は言われてみれば目から鱗。なるほど、農業"agriculture"はまさにカルチャーそのものってわけだ。マクニールの『世界史』が紀元前における農耕文化の発展に対してやたらとページを割いていたのも今となってはよくわかる。農耕文化とは技術や儀礼だけでなく、栽培植物の品種それ自体も含まれるというのはその通りだと思う。僕らが日々食べているご飯も何万年もの改良の跡が刻まれているわけで、美味しく食べられるってのは一つの歴史的行為なんだ。

  • 宮崎駿がもののけ姫をつくるきっかけになった本のうちの一冊にあげていたので読んだ。関連知識をもっていないので「そうなのかぁ」とおもっただけだったがおもしろかった。

  • 歴史上での記述と近代までの農耕の世界分布を、農耕文化複合の概念によって合理的に説明している。
    世界の農耕文化の時代を超えた全体像や、文明の初期段階における農業の発展が原始国家の形成に対し果たした役割などを具体的にイメージできるようになった。
    少し読み難い日本語で書かれていることと、新大陸原産の作物が殆どおまけ程度にしか触れられていなかったのが残念。発行が1966年なので現在の定説とは違う点もあるかもしれない。

  • 照葉樹林文化は、ヒマラヤから日本まで連なり、共通の自然資源利用形態を基盤とする文化。こういう人と自然の関わりを反映した文化っておもしろい。もっと詳しく書いてあったら良かった。

  • 宮崎駿の愛読書らしい

  •  農学部生たるもの、中尾佐助大先生の著作ぐらいは読んどかなきゃ、ということで大学3回生のときに読みました。
     イネ、ムギ、マメ、イモ、その他雑穀、茶などの私たちの食生活に欠かせない栽培植物について、現地調査や遺伝学的な解析から民俗学、文化的な考察を交えながらその起源を追求した傑作。
     中学や高校の地図帳に載っている、根菜農耕文化(南アジア熱帯;イモ、バナナ)、サバンナ農耕文化(アフリカ・北部インド;雑穀、ゴマ、マメ)、地中海農耕文化(トルコ東部;ムギ、えんどう豆等)、新大陸農耕文化(メキシコ;トウモロコシ、カボチャ、ジャガイモ)という4つの独立した起源から農耕が伝わっていく中で形成されたそれぞれの文化(農耕文化複合)があるという説を初めて説いた本です。
     そして、根菜、サバンナ、地中海の3つの農耕文化複合とイネ(稲作)や茶といったアジア特有の作物と風土がフレンドされて「照葉樹林文化」(東アジア;イネ、茶、桑(絹))が形成されていると説明しています。
     単に農耕の起源を追うのではなく、栽培作物を栽培したり利用する中で衣食住の文化的な面にも多く触れられてるのでいろんな視点から楽しめます。生物学的な部分は、出版されてから技術が進歩しているので専門的な方には不満かもしれません。また、生物学に疎い人でも、その部分を読み飛ばせば十分読めます。
     意外にも栄養バランスがいいのはサバンナ農耕文化だったり、日本などの照葉樹林文化に人々はイネが伝わるまでは山岳民族だったなどが面白い発見でした。

  • 1966年初版の古い本です。
    この本には、遺伝育種学、栽培植物学の立場から、人類がどうやって
    栽培植物というものを獲得したかの仮説が書かれています。

    大学生の時にこの本のp146〜p148のくだりに、えらい感動しました。

    内容を適当に端折りながら書き出すと
    ーーーーーーーーーーーーー
    原始採集経済の人々が大草原に入り込み、
    野生の種の採集と狩りをしキャンプをするようになる。
    すると、キャンプの周囲には窒素を濃縮した排せつ物がまき散らされる。
    そのことが、大草原の中に島のように土壌の異なる場所を作り出す。
    この人間が新しく作り出した環境の中に入り込んで育つ植物は
    普通の野生植物とは異なる植物となる。
    具体的には、突然変異によって適応を遂げた植物群が生じたのである。

    簡単に言うと、野草から雑草へと進化したのだ。

    さらにこの雑草群の中にムギ類の野生種が入り込むと
    もう農業に非常に近いものとなる。

    このようにムギ類は、野生から雑草へ、そして栽培植物へと
    変わってきたのだ。

    特に注目すべきは、野生から雑草へと変化したときには、
    農業はまだ始まる以前のことなのに、植物の品種改良ともいえる
    遺伝的な変化が起こっていたことだ。

    こうして、人間が土地を耕すことを 植物の側から準備して待っていたのだ。
    ーーーーーーーーーーーーー
    最後の結びは、多分に詩的なとらえ方ですが、人間は本当に自然と
    つながって進化してきたのだと感動したくだりです。

  •  栽培植物と農耕を通して人間は文明を発展させたわけですが、豊かな食糧事情が必ずしも文明を発展させるわけではないということがわかり、新たな発見をさせてくれた本書です。

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