人間はどこまで動物か 新しい人間像のために (岩波新書)

  • 岩波書店 (1961年10月30日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (254ページ) / ISBN・EAN: 9784004161219

みんなの感想まとめ

テーマは人間と動物の違いであり、特にヒトの赤ちゃんの特異性に焦点を当てています。訳者の導入部分が読者にとって非常に有益であることが強調されており、難解な内容でも太字による要約が助けとなる点が評価されて...

感想・レビュー・書評

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  • 冒頭の、まえがきよりも前にある、訳者による「この本を読む方へ」が、非常にありがたい。読み飛ばすべからず。

    決して厚い本ではないが、難解である。
    特に前半は、当時の常識への反論や、自らの主張への反論に備えた布石がおおくて、なかなか本筋の話が進まない。いったい何を言ってるのか分からないと思ったら、良いタイミングで太字が出てきてまとめてくれる。非常にありがたい!

    数式を説明するように、理屈で丁寧に下支えしながら進んでいくので、読むのにも根気がいるが、3章を乗り切ったあと4章から先は突然めちゃくちゃ面白い。

    ヒトの赤ちゃんは他の動物やサルと比べても特異な点が多い。
    完成して生まれてくる割に身体がアンバランスだったり。「おそろしく未成熟で能なし」だったり。比較的妊娠期間が長い生き物でありながら、本来もう1年子宮にいるべき未完成な状態で産まれてくるのだと説く。
    ではなぜヒトだけが、そんな特異な状態で産まれるのか。そして産まれてから1年で、乳児にはどんな変化が起きているのか。


    進化論という考えが世の中に広がり政治が揺れていた時代に、なにが人間らしさかは動物と比較して初めて分かると説く。【離巣性】【就巣性】、【生理的早産】といった有名なキーワードは1章と2章で早々とでてくる。イラスト付きでかわいい。
    5章でちょっと「児童の世紀」(エレンケイ)に触れるのも興味深い。そうか同じ時代だったのかと思う。他の作品がクロスオーバーする感覚で楽しい。

    巻末の「編集者による解説」も、非常に丁寧でありがたい。
    教育の知見を広げたいと思い読んだが、当時の時代背景や政治についても知見が広がる、知識ぎっしり詰まった名著。

  • 100-Po-

  • 類人猿より成長が遅いという点は、別の書籍で読んだという記憶が薄ら思い出したのだが、本著だったかどうかまでは思い出せず。

    人間の横暴さから観ると、地上の生命や自然に対して、ただただ謙虚でありたいと思う。

  • 人間の動物との違いについて,一番近い類人猿との違いから解いている本である。

    『原理講論』のように難しく書いてあるため,簡単に絵本になったりするともっといいのかなと思った。

    生まれたての人間を『能なし』と言った,表現があったりするが,【個人的には好き】人間の特殊性について,述べており,これからの生物学が進化論から違った観点で論じられるのではないかと述べているかのように感じ取られる。

    わかったこと。
    ・類人猿に比べて人間の脳の成長率が,2倍もある。
    ・類人猿に比べて人間は明らかに出産してからの身体の成長が遅い(遺伝子的意図があると考えている)

  • 【書誌情報】
    原題:Biologische Fragmente zu einer Lehre vom Menschen
    著者:Adolf Portmann(1897-1982)
    訳者:高木 正孝(1913-1962)
    通し番号:青版 G-121
    ジャンル:自然科学
    刊行日:1961/10/30
    ISBN:9784004161219
    Cコード:0245
    体裁:新書 ・ 並製 ・ カバー ・ 286頁
    定価:968円
    在庫:在庫僅少
    NDC:469

    進化論は,人間もまた動物であり,サルから進化したものであると説く.だが,人間とサルとの距離がどのくらいあるものなのかについては,必ずしも明らかではない.世界的な動物学者が,この問題を広範な比較研究によって説き明かし,さらに社会学,心理学,人類学の成果をとり入れて,新しい人間学を打ち立てようとした画期的著作.
    https://www.iwanami.co.jp/book/b267478.html

    【目次】
    口絵 [i]
    この本を読む方へ [ii]
    日本版へのまえがき [iii-iv]
    目次 [v-viii]

    序 001

    I 生まれたての人間(新生児) 025
    「巣に坐っているとの」(就巣性)と「巣立つもの」(離巣性)
    新生児の身体の割合
    延生時の体重と脳髄の形成

    II 生後第一年 059
    生理的早産
    比較発達史の一章
    妊娠期間の評価

    III 人間の存在様式 077
    存在様式と発達過程
    中枢神経系と生活様式
    客觀的行動

    IV 子宮外の幼少期 097
    高等哺乳類の典型的な発達
    直立姿勢
    洞察力ある行為
    発達事象の統一性
    形態と行動の統一性

    V 生後第一年以後の発育 127
    人間のゆっくりした発育という特殊性
    脳髄の発育
    心理的羌達
    人間の特殊性としての青春期の発育

    VI 老衰 169
    生物学的な比較
    人間の特殊性
    間性

    結び 183
    立場の変更
    発達と社会生活
    遺伝素質と社会生活
    人間像の誕生について 

    註 [197-218]
    〔叢書のためのまえがき〕現代の人間研究における生物学の役割 [219-233]
    編集者による解説[原叢書編集者] [235-250]
      1 生物学と人間学
      2 著者について
      3 アドルフ・ポルトマンの著作
    訳者あとがき [251-254]
    索引 [1-9]

  • 信州大学の所蔵はこちらです☆
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN0182730X

  • 訳:高木正孝、原書名:Biologische Fragmente zu einer Lehre vom Menschen(Portmann,Adolf)

  • 読書録「人間はどこまで動物か」3

    著者 アドルフ・ポルトマン
    訳 高木正孝
    出版 岩波新書

    p42より引用
    “つまり科学的観察は、まったく「先入見」
    なしの観察ではあり得ない。だから科学的に
    ものをいおうとするなら、先入見のないこと
    を主張するよりも、むしろはじめに「先入
    見」をあきらかにしめしておく方がいっそう
    大切なことがよくある。”

    目次から抜粋引用
    “生まれたての人間(新生児)
     生後第一年
     人間の存在様式
     子宮外の幼少期
     老衰”

     動物学者である著者による、人間と動物の
    共通点と違いについて記した一冊。
     生まれる時から死に至るまで、他の哺乳動
    物や鳥類との比較をもって、人間について語
    られています。

     上記の引用は、人間が哺乳類の中で占める
    位置について書かれた項での一節。
    客観的に物を見よ、とはよく聞く言葉ですが、
    この一節を読むと、客観的な事実という物事
    は無いのかも知れません。
     環境に拘束される動物に対し、閑居を自分
    たちの為に操作する人間。人間が人間らしく
    生きようとすればするほど、より一層環境と
    の戦いが増大していくような気がします。
    ある人の周りが清潔で快適である時は、その
    人が引き受けるべき不快をよそに押しやって
    いるかもしれませんね。
    同じ種類の生きもの同士でありながら、お互
    いに首を締め合うような所が強いのも、人間
    らしさなのでしょう。

    ーーーーー

  • ★3.5。大学生になりたての頃講義で紹介され衝撃を受けた本の一つ。
    大学で学ぶ学問とは何か?という問いに一つの答えを示してくれた本でもあります、当方にとっては。
    改めて読み直してみて思うことは、ヨーロッパ思想や社会の中から生み出された産物だなということ。ナチスにまで行き着くナショナリズムや人種優位主義に対峙しつつ新たな思考を構築しようとする思いが充満している気がする。
    また人間の早産性など、純粋にヘェ〜と驚く指摘を楽しむのもこの本の一つの魅力であります。

  • 進化論、動物学、人類学などの広い視点からヒトでなく人間を眺めている。古い本だけれども、今でも意味あるいい事書いてある。この関連図書を読みたいなぁ。

  • 三葛館新書 469||PO

    助産学専攻科 飯田美代子先生
    母性看護学、助産学を専門としていますので、胎児期の重要性はもちろんですが、ポルトマンは生後1年を「子宮外胎児」といい、人間の尊厳にかかわる重要な時期であると書いています。
    生後1年の育児について示唆に富んだ本です。

    和医大OPAC →http://opac.wakayama-med.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=27186

  • 虐殺に優れている点では人間は獣に似ている。

  • [ 内容 ]
    進化論は、人間もまた動物であり、サルから進化したものであると説く。
    だが、人間とサルとの距離がどのくらいあるものなのかについては、必ずしも明らかではない。
    世界的な動物学者が、この問題を広範な比較研究によって説き明かし、さらに社会学、心理学、人類学の成果をとり入れて、新しい人間学を打ち立てようとした画期的著作。

    [ 目次 ]


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