中世ローマ帝国―世界史を見直す (岩波新書 黄版 124)

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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201243

感想・レビュー・書評

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  • ビザンティンの通史みたいな新書読んで「次は同時代の中西欧いくか」と思って古本ワゴンから積ん読だったの出して来たら、これもビザンティンだった。勝手にてっきり神聖ローマやと思い込んでた。
    こないだ読んだ「生き残った帝国」に比べると古いからか岩波だからか図版とか見づらいし、正直文章も硬くてちょいツラい。シリアのオリーブプランテーションの話とかネタはおもしろいんだけどな。

  • 中世に存在したローマ帝国とは、所謂東ローマ帝国(ビザンチン帝国)であるが、これはそもそも古代に存在したローマ帝国が没落したことによって生まれたのではない、という解釈から始まる。
    確かに、ローマ帝国は二つにわかれたが、東のローマとしてのコンスタンティノープルが存在し、ここにローマの正統な後継が

    もとより中世は「明確な国境」があったわけではないのであり、精神的な統治をも行った。中世の東アジアでは冊封体制が存在したが、欧州でも似たような制度があったというのは興味深い。元々皇帝という言葉には、領域を超えて支配するという意味が含まれているようで、東ローマ皇帝は西ヨーロッパの国王を「兄弟」「息子」「友人」と定義することで、家父長的な支配をおこない、領域を超えて精神的な支配者となったのである。

    またユニティアヌス帝のときに、「ローマ法大全」が編纂されたが、その中では「朕は法には縛られこそしないが、しかも法のために生きる。」とされている。また本人も、「皇帝が、自身を法に縛られるものと認めることは、支配者としての尊厳にふさわしい。」またバシレイオス一世のときには、そのローマ法典のエパナゴゲー「法とは万人に該当する定めであり、賢い人々の思考の産物であり、故意による、および過失による犯罪の処罰であり、市民の社会契約であり、そしてまた神による発見物である。」とかいてある。「法は市民契約の所産である。」というものは、その意味での皇帝は「法の支配」を受けるということである。市民革命期に活躍した、ホッブズに通ずるものがあるであろう。

    非常に感銘を受けた本であることに変わりはない。西洋史を学ぶ学徒は必読であると思う。

  • 『読書の軌跡』阿部謹也より

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