北京三十五年 上: 中国革命の中の日本人技師 (岩波新書 黄版 127)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201274

感想・レビュー・書評

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  • 三十年ほどの月日を経て再読。やはり面白い。下巻が楽しみ!

  • 中国大陸に先の戦争末期に鉱山の技師として渡り、そのまま技術者として中国に残った著者のお話。発売が1980年だが、その時点ですでに35年も中国に関わっていた方のようだ。力むことなく自然体で国民党・共産党・大躍進・文化大革命と経験し、長年監禁されたりする中でも冷静に周りを観察している。

    戦後、ソ連の影響が強くなり、マルクス・レーニン主義の勉強会に参加したり、工場の生産方式をとにかくソ連スタイルにすればよいといった上からの命令に翻弄されたりする中、1953年に日本人総引き揚げが開始された際、現地の人達と一緒に仕事することを”この人たち仕事をすることは非常に愉快であった。それは決してその時の文化水準の高低とか、技術レベルの発達とかいう枝葉の問題ではなく、長い革命生活で理論的に実践的に鍛えられぬいて出来上がった、たくまざる性格からにじみ出る魅力であった”と明記し、中国に残ることを決断している。

    2016年現在、北京に滞在し、正直人々と接していて不愉快な気持ちになる事は少なくない。それでももし可能なら上記のような想いを持つような出会いがあってほしいものだと思う。

  • 東北帝国大学工学部卒で、三菱工業の技師が留用者として中国北京に35年間すごした記録。

    北京の支配権が日本、国民党、中共と変わる中で、根っからの共産主義者ではない著者が、中共のイデオロギーに縛られない柔軟な視点で工場技術顧問としての日々を描いている。

    上巻は、1944年から1953年まで。

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