日本中世の民衆像―平民と職人 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (185ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201366

感想・レビュー・書評

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  • 2017/2/21読了

  • 1980年刊行。著者は神奈川大学短期大学部教授。

     本書刊行から30年も経過しており、確かに隔世の感は否めない。1974年に小学館文庫日本の歴史シリーズで鎌倉後期の巻を担当した時は、本書のように明確に中世民衆を論じていたわけではなかったが、徐々に平民・海民・傀儡・聖人等、中世の民衆に関する見解を展開していった。
     まさに、本書はその渦中で生まれた書。非常に慎重な言い回しながら、水田稲作を生業としない平民・職人・芸能民について論じていくのが、逆に学会の風当たりの強さを感じ取れそう。
     中でも、本書は、中世職能民の移動の自由が確保されていたこと、彼等への公事・年貢の性質、実態を解説する。

  • 2014.9.16 読了

  • 網野先生はやはり偉大です。しかし日本人の歴史認識は五十年経っても進歩がないんだなぁ。別のIT関連(?)は凄い進歩しているのに。
    昔何があったか興味ない民族。忘れていく民族。今と先の進歩の方が大事な民族。それが日本人なのかも。思えば装飾されているとはいえ、中国人の方がその点両方(進歩も過去も)持っている。

  • なんとなく米を作る側と搾取する側といった構図で理解されがちな中世についても、実際には多種多様な人々がダイナミックに生きていたのだ、ということを「平民と職人」に的を当て解説したもの。

  • [ 内容 ]
    弥生時代いらい稲作を中心に生きてきた単一の民族という日本人像は、近世以降の通念にしばられた虚像ではないだろうか。
    本書は、中世民衆が負っていた年貢・公事の実態とその意味を問い直し、さらに遍歴する職人集団の活動に光を当てることにより、その虚像をくつがえす。
    日本中世の多様な姿とゆたかな可能性が描き出される。

    [ 目次 ]
    第1部 中世の平民像(平民身分の特徴;さまざまな年貢;年貢の性格 ほか)
    第2部 中世の職人像(職人という言葉;職人身分の特徴;遍歴する職人集団 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 『読書の軌跡』阿部謹也より

  • あらゆる年貢や公事の実態と職人のすがたを示し、民衆=農民の稲作国家イメージを虚像であると論じた。今の社会史のスタンダードだけど、初めて読んだときは新鮮だった。

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著者プロフィール

1928年山梨県生まれ。東京大学文学部卒業。都立北園孝行教諭、名古屋大学文学部助教授、神奈川大学短期大学部教授、同大学経済学部特任教授を歴任。専門は日本中世史、日本海民史。著書に『日本中世の非農業民と天皇』『無縁・公界・楽』『異形の王権』『蒙古襲来』『日本の歴史をよみなおす』『日本社会の歴史(上・中・下)』『「日本」とは何か』『歴史と出会う』『海民と日本社会』ほか多数。2004年逝去。

「2018年 『歴史としての戦後史学 ある歴史家の証言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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