プルトニウムの恐怖 (岩波新書 黄版 173)

著者 : 高木仁三郎
  • 岩波書店 (1981年11月10日発売)
4.11
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  • Amazon.co.jp ・本 (227ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201731

プルトニウムの恐怖 (岩波新書 黄版 173)の感想・レビュー・書評

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  • ずいぶん昔に買った一冊。なんのために買ったかもすでに覚えていない。だけど、今こそいろんな人に読んでほしい本だと思う。この本が書かれた当時(1981年)よりプルトニウムにまつわる技術的な面はきっと進歩しているのだろう。しかし、社会はどうか。この本の後に、東海村JCO臨界事故(1999年)があり、東日本大震災(2011年)があった。技術に人間はついていけているのか。あらためてそんなことを考えた。今、高木氏が生きていたら、どんな言葉を発したのだろう。「エネルギー依存型でない文化をどう創るか、ということに大きな関心がある」という高木氏の言葉に共感を覚えた。

  • 原発とはどんなものか、裏と表どちら側もことについても書いてありました。今を生きるひとりの大人として、原発社会は受け止めねばならない事実でもあるので、いくらリスクばかりが目立つ原発についてであっても、どちらか片側だけを見て判断することは、避けたいと思っていたので、そんなわたしにはちょうど良い内容の本でした。

  • 1981年の本、ではあるのだけど、驚くべきことに内容は古くない、というよりその時代からあまり進歩していないんでしょう。少なくとも現時点で、原子力のエネルギー利用ということについては、成功しているとはとても言えない。この著者は2000年に亡くなっているけど、2011に遭遇したらどう思ったか。

  • (2017.03.28読了)(1999.03.11購入)

    【目次】
    第一章 パンドラの筐は開かれた
    第二章 原子力発電 ―巨大化と人間
     Ⅰ 原子力発電
     Ⅱ スリーマイル島原発事故
    第三章 核燃料はめぐる
     Ⅰ 核燃料サイクルとプルトニウム
     Ⅱ 核燃料サイクルの過程
     Ⅲ サイクルと人と環境と
     Ⅳ 日本の核燃料サイクル
    第四章 核文明のジレンマ
     Ⅰ プルトニウムの毒性
     Ⅱ プルトニウムと核拡散
    第五章 不死鳥かバベルの塔か ―高速増殖炉をめぐって
     Ⅰ 高速増殖炉とは
     Ⅱ 高速増殖炉の将来
    第六章 ホモ・アトミクス
    第七章 未来への一視点
    あとがき

    ☆高木仁三郎さんの本(既読)
    「食卓にあがった死の灰」高木仁三郎・渡辺美紀子著、講談社現代新書、1990.02.20
    「マリー・キュリーが考えたこと」高木仁三郎著、岩波ジュニア新書、1992.02.20
    「宮澤賢治をめぐる冒険」高木仁三郎著、社会思想社、1995.04.30
    「原子力神話からの解放」高木仁三郎著、光文社、2000.08.30
    「原発事故はなぜくりかえすのか」高木仁三郎著、岩波新書、2000.12.20

  • 30年前に書かれた本だが、その通りの未来となり、状況も変わっていない。ただし、予想では3機稼働しているはずの再処理工場は1機も動いていない。筆者の予想を上回って、核燃料サイクルは完全に破綻している。

  • チェルノブイリ原発事故も、「もんじゅ」の事故も、東海村の臨界
    事故も起こる以前。今から約30年前に書かれた作品である。

    主にスリーマイル島原発事故を中心に扱っている。掲載されている
    データは、当然ならが古くはなっているが一般原子炉、高速増殖炉
    についての解説は今でも通用するだろう。

    人類が作り出した人工物であるプルトニウムを論じながら、原子力と
    核燃料リサイクルについて分かり易く書かれている。

    やはり思う。原子力の平和利用とは言うが、それは核の拡散と表裏
    一体をなしている。そして、核兵器を作らなくとも原子力施設を狙った
    テロの可能性だってあるのだ。

    「さらに、工業国の飽くことなきエネルギーへの食欲は、抑えられなく
    てはならない。いったい、電力消費を七年間で二倍にするというような
    ことを、我々はいつまで続けられるというのだろうか。
    平均的なアメリカ人は、すでに平均的なヨーロッパ人の三倍のエネルギー
    を使っており、そのヨーロッパ人は平均的な第三世界の人の約一〇倍を
    使っているのだ。それなのに、我々は、もっともっとと叫んでいるので
    ある。」

    マンハッタン計画のメンバーであり、その後核廃絶を訴えた物理学者の
    言葉である。

    宇宙から見た夜の日本は、不必要に明るいらしい。「なかった昔には戻れ
    ない」とはよく言うが、現在日本にある原発をすべて廃炉にしたとしても
    核燃料は依然として存在する。

    冥界の王の名を戴いたプルトニウムの半減期は2万4000年である。
    そんな時まで、今いる人間は誰も生きちゃいない。もしかしたら、
    人類そのものの生存さえ危ういかも知れぬ。

    それでも、プルトニウムは存在する。誰が、どうやって安全に保管出来
    るのか。保証はどこにもないのだよね。

  • プルトニウムの危険性を分かりやすく説明している。
    読者が、本当に分かるのかどうかは分からない。

    恐怖は、しばしば現実を見る目を曇らせるからである。
    そのとき、そのとき、本当に必要なことは、いろいろ考えられる。

    今、考えなくてはならないのは、プロトニウムを恐れることではなく、
    マスメディアに踊らされることなく、危険を回避する方策ではないだろうか。

    短期的な対応,長期的な対応に区分して、現実に実施可能な方策を積み上げて行きたい。

  • ? 227p 1985・1・20 6刷

  • TMIの悪夢が覚めやらぬ1981年に買ったもの。もう30年がたとうとしている。今、読んでみても名著だ。あまりに文学的な表現がそこかしこに見られるのは、著者が元文学青年だったのか。若干の反科学論的なにおいはあるが、問題提起の本として優れている。

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