経済学とは何だろうか (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201823

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  • 2016/11/02 読了

  • トマス・クーンのパラダイム論や科学知識の社会学の成果を踏まえつつ、経済学における諸潮流の変遷をパラダイム・シフトとして読み説いた本です。併せて、「制度としての経済学」という観点から、経済学を取り巻く科学者集団や学会などの制度的装置の形成を問いなおそうとしています。さらに、アメリカとは異なる日本という文化的土壌において経済学がどのような形で受容されてきたのかという問題も提起されています。

    経済学理論の変遷が、それぞれの時代の政治状況とのかかわりの中で生じてきたという著者の観点はおもしろいと思いました。

  • 経済学を素材にした優れた社会考察を記した著。
    色々考えさせられることは多いが、やはり最も印象的なのはアメリカという国の「単純さ」。
    現代を覆うグローバリズム=デジタル技能を駆使した画一性を思うに、著者の想いを超えてアメリカ(厳密にはそのエリート層)が理想とする「制度化」へのうねりは昔にも増して高まっており、それ故、世界各地での衝突など社会が不安定にもなるのだろう。

  • 1942年生まれで、高校時代に社会科学かぶれした後、大学で経済学を専門に勉強し始めた著者の時代背景がよく著されている。

    古典派経済学が新古典派経済学と進化し、アメリカにおいては、第二次大戦後ケインズ経済学との折れ合いがなされたという経緯がよく理解できた。

    また、アメリカ社会の特異性のゆえ、経済学が制度経済学として社会にビルトインされてしまうという理由も理解できた。

    また、日本に移植された経済学は、それぞれの社会的文脈ゆえ、日本独自の進化をとげるというのも理解できた。

    一番面白かったのは、アメリカ経済学を揶揄した寓話「エコン族の生態」は数理経済学が陥ってしまう罠をするどく指摘していた。

    この世の中に合理的経済人は存在するわけがないということである。

  • 数理経済学、統計学の佐和先生の本で勉強しました。
    「専門用語のわかりにくさ」では、「翻訳された日常言語のジャルゴン化」という点を指摘している。
    「経済学用語のすわりの悪さ」では、英語の経済用語は日常用語なのに日本語の経済用語は専門用語であることを指摘している。自然科学、工学では、「日常生活とはほとんど無縁なものが多い」ので日常用語を使う必要がないため「「収まりの悪さ」に戸惑う必要はない」とのこと。

    用語について、佐和先生のようにきちんとした理解をしている人は多くないのが残念だ。
    最後が保守化する経済学で終わっているところも、現代経済学の現状を表しているようで特徴的だ。

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著者プロフィール

滋賀大学学長、経済学博士

「2013年 『ものの値段大研究』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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