バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
3.47
  • (23)
  • (29)
  • (91)
  • (4)
  • (1)
本棚登録 : 477
レビュー : 44
  • Amazon.co.jp ・本 (230ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004201991

作品紹介・あらすじ

スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • まっとうな消費者たるもの生産者のことを慮るべきではないか、というのが本書の主題だろう。
    本書では、このテーマについて、わたしたちがいつでも購入できるバナナに注目し、生産されるフィリピンミンダナオ島の農民や労働者の状況、多国籍企業の動向などを詳細にレポートしながら、わたしたちがまったく意識を向けたことのない生産者の姿を明らかにしている。
    初版は1982年である。30年以上経過した現在の状況は果たしてどうなっているのだろうか。

  • 知らなかった、そんな陳腐な感想が最初に思い浮かんだ。フィリピンに住んでいたのに、ASEANで働くを推進しているのに、ミンダナオで麻やバナナを巡って多くの不幸が生まれていたなんて

  • 1982年刊。日本のバナナ輸入の最大相手国がフィリピンで、シェアは95%にも及ばんとする。その輸出入、生産管理は米国多国籍企業によるが、その暗躍を解説する。米国の植民地フィリピンへのプランテーションの実相、戦後独立後も現地農家や無産労働者への経済的圧迫(特に高利の貸金漬けに落とす手法)を図っているかが読み解ける。少し古いが、バナナの小売価格の約2%しか現地生産者の手に渡らない構図は知って損はない。特に4~6、9章は価値あり。また、バナナ以外の現在の産物(繊維、輸入食品)に妥当する可能性も念頭に置けるはず。
    栽培品目に関する選択の自由の重要性、そして、その選択の自由を確保するための借入金の極小化の必要性に思いが至るのではないか。

  • 20年以上前の卒論のネタ

  •  
    ── 鶴見 良行《バナナと日本人 ~ フィリピン農園と食卓のあいだ 19820820 岩波新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4004201993
     
     鶴見 俊輔 哲学評論 19220625 京都 20150720 93 /0724 訃報/政治運動、大衆文化研究
     鶴見 良行  人類学 19260428 米国 19941216 72 /祐輔の甥/憲の子
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19220625
     多士才々 ~ 鶴見家の人々 ~
     
    (20150724)
     

  • 読書HACKS! の原尻純一氏のお勧めで、手に取ってみる。「バナナと日本人」とは、何か象徴的な意味と思えば、そのままバナナの話。文章が凝っているとかではなく、そのままバナナの話。バナナ好きではなければ、バナナ本一冊って、しんどいと思うが何故推したんだ!的バナナの話。
    まあ、バナナは好きだけどさ。。。

  • 著者:鶴見良行(1926-1994)人類学者。 
    内容:プランテーションを経済学的に分析する。

    バナナ生産と現地農家と流通販路を多国籍企業がどのように支配しているかを、現地での調査や過去の資料をもとに実証的に示している。また、安直なグローバル化・資本主義批判にも走っておらず、いたって冷静な本。

    【メモ】
    ・『鶴見良行著作集』もある。
    ・鶴見俊輔は著者のいとこらしい。

  • 会社や地名などがゴロゴロ出てきて中盤以降はかなり読みづらかった。

  • フィリピンのバナナの生産者と、日本での消費者、さらにそれをつなぐ商社との関係を描いた本。

    だいぶ、昔の本なので、変化している部分も多いでしょうが、問題の本質的な部分は不変であると思います。

    先進国の資本が、日本の消費者に向けたバナナを、フィリピンで作らせる。
    そのために、地権を収奪し、長い間培われた農地を作り替え、文化を破壊し、多くの労働者を貧困に陥れる。さらに、農薬の利用などにより、現地の人々の健康を害している。

    それでも、国がもうかれば、いずれは貧困も解消される、というのが当時の開発の理屈でもあったのでしょうが、そんなこと到底望めない仕組みが二重三重に先進国資本によって仕組まれています。

    この本では、その当事者の片方でありながら、まったく事情も考えずにバナナを消費し続ける日本人のあり方についても問いかけている。
    はたして、バナナ農園の開発がよかったのかどうか、については簡単に答えを出せることではありませんが、知らないことや、考えないことは絶対に違うだろうと思いました。

    国際化の中で、日本に住んで生活しているだけでも、確実に世界中の貧困につながっている。そのことをもっと当事者意識を持って、向き合わなければならないのでしょうね。

全44件中 1 - 10件を表示

バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)のその他の作品

鶴見良行の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
遠藤 周作
東野 圭吾
フランツ・カフカ
ヘミングウェイ
有効な右矢印 無効な右矢印

バナナと日本人―フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする