バナナと日本人: フィリピン農園と食卓のあいだ (岩波新書 黄版 199)

著者 : 鶴見良行

• 岩波書店 (1982年8月20日発売)

作品紹介・あらすじ

スーパーや八百屋の店頭に並ぶバナナの九割を生産するミンダナオ島。その大農園で何が起きているか。かつて王座にあった台湾、南米産に代わる比国産登場の裏で何が進行したのか。安くて甘いバナナも、ひと皮むけば、そこには多国籍企業の暗躍、農園労働者の貧苦、さらに明治以来の日本と東南アジアの歪んだ関係が鮮やかに浮かび上がる。

感想・レビュー・書評

[津田塾大学図書館さんの感想 · 2024年3月1日]

★2023年度貸出ランキング第16位★

【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/188015

[／まことさんの感想 · 2023年2月18日]

古い本なのでデータも現状とは違っていると思いますが本が書かれた当時のフィリピンでのバナナ栽培の劣悪さに眩暈が起きそうでした。
バナナの産地では借金漬けにされた現地の人々と肥え太る米国資本があったのだと思うとスーパーでバナナを見ると複雑な気持ちになりそうです…。

[nssulibさんの感想 · 2022年1月27日]

「オンラインブックトーク紹介図書2021」

▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00540796

[oriduru1970さんの感想 · 2021年12月23日]

外国の大資本に地域経済の動きを支配されていると、交易量が増えれば増えるほど、末端で働く人々がどんどん貧しくなる。
植民地って、なんというか酷いとこだな。植民地だった過去はその地域の人達のせいではないけど。

[H.Satoさんの感想 · 2021年11月24日]

1982年の本だが、今は中国がカンボジアで中国人向けのバナナ農園をつくって、中国向けのバナナをカンボジア人をつかってつくっている。歴史は繰り返している。

[徳島文理大学 徳島キャンパス附属図書館さんの感想 · 2021年11月11日]

【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/702490

[Takashi Kosekiさんの感想 · 2021年9月6日]

サプライチェーンが問題視される現在、考えさせられる一冊である。

どこで誰がどのように作ったかを消費者は考えないといけない。SDGsの12番responsible consumption and production 。

[wata9さんの感想 · 2021年5月19日]

筆者は国連によるバナナ経済の調査研究に参加したとの由。フィリピン（ミンダナオ島）の話が主で、『怒りの葡萄』のような感じ。

[圭子さんの感想 · 2020年4月20日]

だいぶ昔に書かれたものだけど、内容は歴史というか事実を追ったものなので、今読んでもそんなに変なことは書いてなかった。
当時学生だった私に教授たちがこぞって勧めてくれた本(周囲にも読んでいる人が多かった)。
当時でも出版時期からかなり年月が経っていたが、なるほどこれは確かに時期時代関係ないし、学生時代に読んでおけば学びに対するモチベーション爆上がりですな。ちょっと後悔。
陳腐な感想しか出てきませんが、ズル賢い輩はムナクソだし、庶民は賢くならなければならないなあ、と。
ゼロサムじゃなくてwin-winの世界ってくるのでしょうか。

[あいちゅうさんの感想 · 2019年8月13日]

著者が他に書いたものから、何となくフィールドワークに基づく社会学的なレポートかと思っていたのだが、戦前の日本の入植も含めた企業の歴史も含めて、土地制度から解き明かすかなり重厚な書物だった。
東南アジアの理解を深めるための一つの参照ケースとして。