ピープス氏の秘められた日記――17世紀イギリス紳士の生活 (岩波新書 黄版 206)

著者 : 臼田昭
  • 岩波書店 (1982年10月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004202066

ピープス氏の秘められた日記――17世紀イギリス紳士の生活 (岩波新書 黄版 206)の感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    1600年代の英国、クロムウェル~名誉革命を生きた、
    ピープスの日記の概要。
    主は日記だけれど、当時の政治・社会情勢・経済を内包する。
    幅広い分野を考察できるので、あえてカテゴリーは“その他”。
    国王側のお役人で、かつ小市民的で、猥雑で、お金第一。
    だけど、その持ち前の好奇心と記録能力により、
    海軍大臣まで上り詰めていくピープス氏。
    オランダとの戦争とか、ペスト大流行とか、
    大変な時期に巡り合わせながらも、詳細に日記に綴る。(速記体で)
    まさか自分の日記が未来に万人の目に留まるとは思わずに(^^;
    この本、1982年発行で、当時新刊で読んでます。
    改めて再読してみると、所々古い表現が目立ちますね。
    でも、面白かった。
    本当は全10巻の日記全貌が出版されているんだけど、
    こちらはさすがに・・・近所の図書館にも無いし。

  • 17世紀イギリスの海軍局に勤めたサミュエル・ピープスの日記は、他の人びとに秘密が知られることのないよう、多国語の混成で表記されています。本書は、この「奇書」と呼ぶべき日記の内容を、軽妙な文章で紹介しています。

    日記と言っても、『アミエルの日記』の哲学的な内容とは程遠く、いわば俗事にまみれて生きたピープスという一介の官僚の生活が、ざっくばらんに書かれています。自身の出世と浮気に精を出しながらも、小市民的な用心深さを失うことなく、妻の悋気を恐れている彼の姿は、破滅型の文学者とはまったく異なっています。それでも、リアルな人間の姿が見られるという意味では、興味深いと感じました。

  • 他人の日記が目の前にあったら・・・。
    手を伸ばす衝動を抑えるのはきっと大変。
    17世紀、出世街道をひた走った男の、どこまでも庶民的な毎日をこっそり覗いて見ませんか?
    読み終わる頃にはきっとピープス氏に会いたくなるはず。(ドゥンヤザード・S)

  • 17世紀イギリスの市民ピープス氏の日記。

    おもしろかった点は下記。
    ・17世紀イギリスの世俗を知ることができる
    ・自分に嘘偽りなく記載している(それこそ恥ずかしい箇所は隠語を使ったりしてでも)ため記録的な価値もある
    ・日記といっても普通の生活の中に、賄賂をもらったり不倫をしつつばれないように過ごしていく一人の市民が等身大に描かれていて読み物としておもしろい
    ・著者は一市民から海軍大臣まで出世する。日記はその途中までを描いておりどのようにのし上がっていくのかも垣間見れて興味深い

  • 平民出身でありながら、海軍省書記官にまで上り詰め、「イギリス海軍の父」と呼ばれた男の日記。
    とはとても思えない内容!!!
    その実態は、浮気の顛末、賄賂の内訳、どこそこの居酒屋が美味い、といった下世話なものばかり!!
    しかし、17世紀イギリスの風俗を知る上では第一級資料!
    中には、「今日は後宮でカースルメン伯夫人(チャールズ2世の愛人)が下着を干してるのに遭遇した!眼福!!」といった記述も。
    著者の臼田氏による解説がまた含蓄があって良い。
    近世ヨーロッパの生活に興味があるお方にはオススメです!

  • 仕事、同僚との付き合い、貯金、妻との喧嘩など社会人としての苦労は、350年前であっても、変わらないことを具体的に知ることができた。

    26
    サー・W・ペンはどんな時にも進んで私と仲良くしようとする。
    だが、私たちはお互い憎み合っているのだ。両方ともそうと知っているのだ。
    27
    おお善なる神よ。これはなんという時世、なんという世の中だろうか!人間一人、裏表なく、猫かぶりなしで生きていゆくことができないとは!
    53
    頭の中はごたごた混乱した考えで一杯、はっきり理解したことは何もなし、なんて有様で仕事をやめるのは厭だから、徹夜の覚悟をし、また事実徹夜した。今はもうすぐ4時を打つところだ。一人ぼっちで、凍えそうで、蝋燭は我が家へ帰るほども残っていない。

  • [ 内容 ]
    ピープスは一七世紀イギリスの官僚で、のちに海軍大臣となった人物.彼の人柄や性生活も含めた赤裸々な日常生活だけでなく、宮廷や上流社会の頽廃など当時の世相を生まなましく伝えるこのピープスの『日記』は、世界の奇書の一つに数えられている。
    本書は、その精髄を魅力ある語り口で紹介し、男性観察のまたとない機会を提供する。

    [ 目次 ]


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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 17世紀の半ばのイギリスで、持病の結石手術成功を契機にしたため始めたというロジャー・ピープス氏の日記からトピックに即して抜粋し、突っ込みを入れながら解説している本。隣近所の悪口や浮気の詳細、賄賂の授受などを記した内容を読まれないためにわざわざ速記号と7ヶ国語のちゃんぽんで書いたにもかかわらず、後世の研究者により発見・解読・肖像画付きで公開されてしまうあたりからも想像できるように、一応インテリなのにトンマで愛嬌があり、それが日記に大いに発揮されていて楽しい。時代的には清教徒革命→王政復古→チャールズ2世と議会の対立という封建社会から近代市民社会への移行期を、「即物的な現実主義、厳格な事実密着の姿勢」で、しばしば冷や冷やな思いをしながらもサンドイッチ伯に取り立てられタンジールの糧食補給問題などにも機敏に対処したりして、役人の私設秘書から始まり海軍大臣にまで出世していくピープス氏。クロムウェルの時代の名残なのだろうか、観劇と飲酒を止める止めないの良心の葛藤が見られるが、結局は自分に都合の良いところで妥協してシラーッとしている。賄賂の正当化やお手柄の自画自賛なども同様。「神は褒むべきかな」というようなフレーズが随所にあらわれるが、別に信心深いというわけではなく、教会に行って望遠鏡で美人を眺めて妄想とかしている。こういう「内容形而下の事柄に終始した、俗人の日記」(詩人のコールリッジ曰く「頭がちょん切れて胴体だけの男」)を著者が終始ハイテンションで紹介している。メモ「神様もご存じだ。どんなに誓いを立てても、わたしの心はどうしてもそれを欲し続けるのだ」。

  • しょぼいおじさんの、赤裸々な日記です。妻に倹約を命じて、自分は散財してみたり、ペストの恐怖を語ったり…こういう日記が貴重な資料になるんですね。300年経つと。

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