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Amazon.co.jp ・本 (210ページ) / ISBN・EAN: 9784004202073
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天文観測の歴史を深く掘り下げた本書は、古天文学の視点からアジアを中心に天体に関する記述を読み解いていきます。著名な歴史人物から無名の研究者まで、多彩な登場人物が織り成す物語は、政治的意図を持った天体観...
感想・レビュー・書評
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◼️ 斉藤国治「星の古記録」
古代から近代までの星の記録を、現代の計算で検証する。エピソード満載で楽しすぎる。
30年以上前の本だけど今注目されてるみたい、との情報を得て本屋に行くと、話題の本、的に前面に展示されていた。ほー、まずは読んでみようと。
日本書紀の星食、月が星を覆い隠す現象、の記録から入って、次は日食の記録、惑星同士の接近・合犯などを著者自身も行っているらしい現代の計算で検証していく。惑星、月、太陽の動きは一定の条件は付くがほぼ特定できるからだ。
藤原定家がものした「明月記」(12世紀)に聞き書きとして、かに座の新星爆発の記事があるのは有名な話。中華の記録と比較したり、ものによってはヨーロッパなどの記録と照合したりして、事実か否かを探っていく。
日本ではかなり早くから天文官がおり、緻密な観測を行い、記録を残していることが分かっている。1つ1つをひも解いていかれるエピソードを読むのが楽しい。私は奈良・安倍文殊院で安倍晴明が天文観測をしたと伝わる展望台を見たことがあるけども、飛鳥時代の記録もあるからそこはロマンだなと。
また、この千数百年の間には、超新星爆発があり、隕石がいくつも畿内に落ちた記録があり、ハレー彗星への言及、南極老人星=カノープスが見えた記録にまで踏み込む。天文学的価値が少し見えた感じがしてなるほど、と思ったりした。
おもしろかったのは、おおいぬ座の一等星シリウスに関して。紀元前700年のバビロンでは「銅のように輝く」と書かれ、古代ローマ時代には「この犬星の赤味たるや、火星よりもずっと濃い」などと表現されている。大昔、シリウスは赤かった?というのを検証している。いまはもちろん安定した青白色だ。なぜ?なかなか楽しい。
終盤は明治初期の話。金星の太陽面通過の観測結果により地球と太陽の間の正しい距離が導き出せるのではないか、というアイディアをハレー彗星のエドモンド・ハレーさんが思いついた。世界の天文学者は一斉に注目した。が、何しろ金星、古代の言い方では太白、の太陽面通過は1回起きるとその8年後にもう1回、そこからは100年以上のブランクが空くチョー希少な現象で、ついにハレー自身は巡り会わなかった。
そして1874年、ついにこの天文現象が出来した。どの地域でちゃんとお昼に、どれくらい見えるかは限定されていて、しかも世界のできるだけ離れた地点で複数の観測を行ったほうが良い。有力な国は世界中に観測隊を派遣した。明治7年の日本にも、外国の観測隊が複数到着した。おおむねトラブルはなかったようだが、明治維新間もない日本での大騒動の、その顛末がおもしろい。もちろん観測の詳しい記述もある。
もう一つは皆既日食の、やはり海外の派遣隊のエピソードで、明治20年、すでに太陽コロナの写真が撮られる時代であり、興味深い。
歳星は木星で名前の由来が十二支につながっていたり、三星合は天下の大乱、3つの惑星が接近すると大乱が起きる、とか、「熒惑守心(けいわくしゅしん)」、熒惑つまり火星がさそり座のアンタレス付近に留まると王が死ぬ、などの大凶兆であることなどなかなか言葉を調べて出てくる知識もおもしろい。土星は填星(てんせい)、水星は辰星。
私が生きている間に、ダイナミックな天文現象があってほしいな、いやきっとある、と思える。微笑。ベテルギウス爆発?なんて。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「読み物」としてはちょっと難しい。淡々と事実を述べていく雰囲気は、ちょうど教科書のようだ。天文観測の専門用語がどんどん出てくる。人物も、私でさえ知っている歴史上の有名な人から、そんな人がいたんだぁという無名の人までたくさん登場する。
今回はほとんどナナメ読みだった。
本当はメモをとり、自分で調べて図や表を見ながら読みたい本だ。
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重版を機に購入。
アジアを中心に、史料中の天体に関する記述を読み解いていく「古天文学」についての一冊。
日本史と絡めた内容が興味深い。日本では、現代の趣味とは異なった、政治的意図を持った天体観測が飛鳥の時代から行われていることが分かった。
特に楽しく読めたのは第11章。日食撮影にかける学者たちの奮闘振りからは、天体に惹かれる人々の、今も昔も変わらない姿を垣間見ることが出来た。
次の日食は2035年とのこと。また読み直して、天体に情熱を燃やす古代の人々に想いを馳せてみたい。 -
続日本紀等を読んで謎に思ったことが、日食の記述の多さ、毎年起こっていたのではないかという量に「まさか」と疑いを持っていたのですが、暦の交替と予測の違いをまんま記事にしてたんですね。なるほど。
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内容が古いのは仕方ないとして、
この手の本はほかにあまり知らないので面白かったですね。
もう少し図が多いと良かったのですが、
まぁ、新書ですし、それも仕方がないのでしょう。
最近では国立天文台の相馬さんや谷川さんが
この手の研究を進められているようですから、
ぜひとも新しい見解に沿った本を出してほしいと思います。 -
2020年4月18日購入。
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