中国の妖怪 (岩波新書)

著者 : 中野美代子
  • 岩波書店 (1983年7月20日発売)
3.48
  • (3)
  • (6)
  • (10)
  • (2)
  • (0)
  • 本棚登録 :78
  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004202356

作品紹介・あらすじ

皇帝の権威の象徴である龍や麒麟などの聖獣から孫悟空に至るまで、古代中国には数多くの妖怪が登場する。これらにこめられた様々の宇宙論的イメージは中国人のいかなる思考様式から生まれたのであろうか。著者は『山海経』を始めとする中国の文献や美術史学、文化人類学などの成果を駆使し、妖怪の「存在の論理」を読み解いていく。

中国の妖怪 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 中国の「妖怪」―と言っても、いわゆる魑魅魍魎の類だけではなくて、「龍」「麒麟」「四神」などの比較的メジャーな神獣から論考を進めていく一冊。文献学にとどまらず、図像や文様の分析や他文化との比較と様々な角度から「妖怪」を腑分けしていく、その過程がとってもスリリング。

    中国文明の美術品などの展示会は好きでよく見に行くけれど、デザインがダイナミックで面白いのは大抵秦代くらいまでのごく初期の文明で、それ以降だとよい意味でも悪い意味でも「デザイン化」してしまうなぁ、という印象は以前から抱いていた。そのことはこの筆者の言を借りれば「龍が飼いならされてしまった」ということなのだろうと思う。

    個人的には、饕餮(とうてつ)文に関する考察が印象的だった。この太い線画の文様、ネイティブアメリカの人達が描く摸様に言われてみたらよく似てるわ。

  • 中国の志怪・神話に登場する妖怪たちを、西遊記の翻訳者の中野美代子さんが紹介する。単なる包括的な分類・紹介だけではなく、妖怪たちにこめられた宇宙論的イメージ・起源をだいたんにエリアーデ風に考察する。中国古代小説・志怪小説が好きな人は、「捜神記」とともに手元においておくべき一冊。

  • ビュフォン
    1、過剰による妖怪
    2、欠如による妖怪
    3、諸部分の転倒もしくは誤れる配置による妖怪

    現実の形態や生態を超えて、観念に現前するものすなわちイメージを結ぶもの

    聖性のシンボル、ファリック・シンボルとしての角
    一角獣と処女。

    龍について
    逆鱗がある。ナーガ、増殖シンボル
    ウロロボス、永遠性、循環性、アンドロギュヌス、宇宙卵。
    殷代のトウテツ文、シンメトリーと渦巻文様。
    渦巻文様
    副葬壷に限られる。非日常の。エリアーデ。
    渦巻から雷文、巴文、卍文そして龍文が。
    虹と蛇、龍
    両頭龍である虹が水飲みに天から降りてくる。アボリジニの虹蛇。
    漢の武帝に飼いならされ王権シンボルへ
    ドラゴン、ナーガ、ガンガー、メリュジーヌ、エキドナ、女禍など

    人面鳥セイレーンからアラビアを通じたジュゴンから人魚へ
    イメージの好奇心輸入輸出

    魑魅魍魎の住む山

    聖なる場としての山


    東に青龍、木、青はひだり
    西に白虎、金、白はみぎ
    南に朱雀、火、赤はまえ
    北に玄武、水、黒はうしろ

    風水思想における理想の地形は著名な山水画の基本構図とほぼ一致する。北を見る。

    蛇とキジが交わって生んだ卵が雷に遇い土中深く潜り2、3百年経て孵ったものが蜃である。この蜃が燕を食べ息を吐くと、空中に楼閣をつくりだす。すなわち、蜃気楼である。

  • 日本人から見ると、中国の妖怪ってということかと知りたいから、本を読み始めた。筆者は中国の文物から言い始めた。中国人と妖怪の出逢いから文化のつながれまで孔子や鲁讯の口を借りて、中国の妖怪の発展などを書いた。その中に中国人はよくわかる女娲から龍にかけて書いた。妖怪の発展史を紹介する時も、「山海経」や「説問解字」や「管子」などを引用した。一応妖怪だけではなく、中国で有名な星宿なども書いている。更に近年中国で大きい反論した「野人人件」も書き、妖怪と人の结びを深めった。この本を読むと、自分も知らないことはいっぱい知ってきた。例えば、孔子はキリンの子どもであることとか、大地の主人は亀とか、玄武は亀と蛇の総合体などだ。一番びっくりしたことは筆者があとがきを書く時、私の地元「福建省」にいることだった。

全5件中 1 - 5件を表示

中野美代子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
酒見 賢一
三浦 しをん
谷崎 潤一郎
有効な右矢印 無効な右矢印

中国の妖怪 (岩波新書)に関連する談話室の質問

中国の妖怪 (岩波新書)はこんな本です

中国の妖怪 (岩波新書)を本棚に登録しているひと

ツイートする