楽譜の風景 (岩波新書 黄版 250)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004202509

感想・レビュー・書評

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  • クラシック音楽初心者の上、楽譜を全く読めない私でもそれなりに楽しく読めました。

    写譜屋さんなんて商売も初めて知りました。
    楽譜を読めたらもっと楽しいだろうな。

  • 自分もオーケストラをやるので学生の頃面白く読みました。
    ストラヴィンスキーの春の祭典の暗譜をするのために
    目でフォトコピーするという点は同じ感性でした。
    私も「自分の譜面をフォトコピーできたものが暗譜」という
    やりかたなので。。。
    音感ではなく記憶力に頼るやり方ですが
    指揮者がそれをするのは相当な記憶力ですよね。

  • 指揮者・岩城宏之氏の、クラッシック音楽エピソードエッセイ集なんだけど、古今東西の「楽譜」にまつわる裏話が面白切なく語られます。

    ベートーヴェンの悪筆は、ちょっと見にはまったく読み取れないほどひどかったとか、シューベルトは悪筆ではなかったが、アクセント記号(>)がデクレッシェンドに見まごうように書かれていて後世の印刷が混乱しているとか。

    現代音楽の作曲家たちは、曲の構造や楽器の使い方ばかりでなく音符(記譜法)まで発明したがる、とか(著者、けっこう怒ってます)。

    難曲「春の祭典」に暗譜で臨んだまではよかったが、ある演奏会でとんでもないミスをやらかしたとか(著者、恥を忍んでいます)。

    恥を忍ぶと言えば、戦後の混乱期に音楽家を志した著者、正直言って、芸大に入る3年くらい前まで移調楽器の存在やハ音記号を知らなかったとか。

    とてもコクのある話が続き、一気に読ませてもらいました。

  • 音楽、特に古典のそれは、作曲者と演奏者が分かれている点が他の芸術と大きく異なる。楽譜は、その仲立ちをするものであり、場合によってはそれが作曲者の意図を汲みとる唯一の手掛かりとなる。印刷技術のない時代、手で一つずつ書かれた音符には、如何ほどの思いが込められたであろうか。

    オススメ度:
    ★★★☆☆

    ぽんず(海洋環境科学科)

    所蔵情報:
    品川図書館 760/I93
    越中島図書館 081/I 4/250

  • 指揮者や演奏家だけでなく、写譜する人たちのお話まで、たいへん楽しく読みました。
    貴重な楽譜の写真はもっと大判で見たかった。

  • (高校文化祭の古本市でみつけた)

  • 裏話?というかなんというか、色んな話を包み隠さず書いてくれてることがとても楽しい。
    当時の話を知ることで、今の自分と比べてあれこれ考えるのも楽しい。
    購入したので、手元に置いておきます。

  •  
    ── 岩城 宏之《楽譜の風景 19831220 岩波新書》
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4004202507
     
    (20140829)
     

  • オーケストラ裏話、指揮者のお仕事についてとてもわかりやすくおもしろい本です。

    琉球大学:とみぃ

  • インターネットラジオのクラシック専門局

    「OTTAVA」

    の夕刻から夜へかけての番組で、斎藤茂さんと仰る
    ミュージックディレクターの方がお話をされているのですが、
    せんだっての放送の中で、このご本が話題になりました。

    「オーケストラの少女」という往年の名画に影響されて、音楽家を
    志した方が大勢いらしたというのです。

    このお話、私は映画ではなく、少女名作全集の中の1冊として
    子供の頃読んだことがあり、映画は未だに見ていないのです。

    が、その影響されて音楽家になられた方の中に、岩城宏之さんが
    おいでになり、それについての愉快な挿話がこの本に語られて
    いることを紹介していらっしゃいました。

    聞けば、この名著、すでに絶版であるのだとか。
    私は、古い本だったら、逆に図書館にあるかも、と思いつき
    早速こうして読むことが出来たという仕儀なのです。

    そのエピソードの面白さは、ご一読頂くとして。

    岩城宏之さんという指揮者が、いかに作曲家の創り出した音と
    それを記した楽譜を尊重していたのかが、この本でよくわかります。

    自分が気持ちよくなるのではなくて、
    きちんと音楽を届けるための楽譜。

    私たち聴衆は、それがどんなふうに扱われるのか
    知らないことがたくさんあります。
    演奏会に使われる楽譜の陰に、
    多くの専門家が携わっていること。

    演奏することの難しさ。素晴らしさ。

    などなど…。

    美しい音楽は、記された楽譜としても、
    美しい風景を持つなんて、聴くことは好きでも
    実際に演奏しない私には、この本を読まなかったら
    知らずに済んでしまったことでしょう。

    そして、驚くべきなのは、現代音楽のムーブメントが
    この本が出版された時から、日本にもちゃんとあって
    それが今の、現代音楽の豊かな成果になっているということ。

    岩城さんの現代音楽への見識は、今読んでも全然古びていなくて
    クラシック音楽といっても、今生み出されている音楽にも
    耳を傾けてみないともったいないんだということが
    とても良くわかります。

    だって自分の生きてるこの時代の、気分や空気や
    メッセージを映しているのだから、どこかに共感できるものが
    あるかもしれないし、そういう作品が生まれてくるのは
    クラシック音楽が、まだ生きてる証拠かもしれません。

    ブラームスやシューベルト、ショパンと同じように
    それらもまた「楽譜の風景」を持って生まれるのですから
    どこかで私の肌に合う曲も生まれているかも…?

    平易な言葉で書かれているのに、内容は興味深いので
    お手に取る機会が作れそうなら、ぜひお読みになってみてください。

    人間としての岩城さんの魅力も、とても伝わってきますよ。

  • (1995.06.29読了)(1983.12.21購入)

    ☆岩城宏之の本(既読)
    「岩城音楽教室」岩城宏之著、光文社、1977.06.20
    「ハニホヘト音楽説法」岩城宏之著、新潮社、1982.02.20
    「棒ふり旅がらす」岩城宏之著、朝日新聞社、1984.02.25

  • [ 内容 ]
    ウィーン・フィルやベルリン・フィルの素晴しい音色は、楽員たちのどんな苦心によって磨かれ、華やかなコンサートの舞台裏では、どんな人たちがそれを支えているのか。
    日本を代表する指揮者として第一級のオーケストラの素顔を見てきた著者が、『楽譜の風景』に続き、興味深いエピソードをまじえつつ、その表情を軽妙な筆致で描き出す。

    [ 目次 ]
    1 ウィーン・フィルの秘密
    2 ベルリン・フィルの表情
    3 舞台裏の風景
    4 ハープの運び屋さん
    5 指揮棒のこと、ホールのこと

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 音楽をやる人間なら一度は目を通しておきたい本。作曲者と演奏者、聴衆をつなぐシナプスの役割を持つ「楽譜」について目からウロコの内容が一杯。ベートーベンの第9交響曲の手稿から出版譜に至る過程で大きく表現が変わってしまった最終章の話や、暗譜ミスの話、浄書という出版に関わる職人技のエピソード等音楽にそれほど興味が無い人でも楽しめる内容です。新品は入手不能なので、amazonマーケットプレイスに利用をお勧めします。

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著者プロフィール

1932-2006。東京藝術大学在学中にN響副指揮者となり、56年デビュー。以後、世界のトップ・オーケストラを指揮。エッセイストとしても知られ、著書に『フィルハーモニーの風景』『音の影』など多数。

「2023年 『指揮のおけいこ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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