記号論への招待 (岩波新書 黄版 258)

著者 :
  • 岩波書店
3.49
  • (38)
  • (64)
  • (125)
  • (15)
  • (3)
本棚登録 : 1119
感想 : 75
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004202585

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ロゴとかサインとか扱う立場なのでそもそも学校で勉強しておけよ、という話である。(ゼミでS先生が取り上げてた記憶はある。)
    言語学的なことよりも、商標として保護される対象が日本とアメリカ等では全然違う(アメリカでは色、音、におい、製品の見た目自体も対象)ことの要因は記号論の理解や法律への反映というのがあるんじゃないかとか思ったり。あと漢字とかなカナの存在も。
    自分の、演劇見るコンピュータ妄想もここかな。批評理論のコードをDBにしてプログラムに詰めておけばいいんじゃないの?

  • 全部で240ページ程なので、ページの分量的には確かに「招待」レベル。
    でも、中身はなかなか難しい…。
    本の中に出てくる例は、身の回りを思い返すと「確かにそうだな」と思えるけれど、そこから本題に入っていくとなかなか理解するのに時間がかかります。
    「招待」とはいうものの、事前に知識をもった人が読んだほうがいいような気がします。

  • 学士入学の入試用に読んだ本。

  • 高校生のときに読んで、言葉の捉え方が広がった。

  • 記号は意味作用を持つ.この働きは一つには文節という働きによって特徴づけられる.これは事物間の共通点,相違点を区別する働きであり,記号の持つ本質的な働きである.実はその意味は固定されたものではなくむしろ創造的なものですらありえる.創造的な働きは読み手の,蓋然性に基づいた推論に基づくという主張がされている.言語は意味作用を持つという意味で記号の一例であるが.やはり創造的な活動が見られる.それは例えば詩や文学の形として現れるものだ.本の大半は言語,特に慣習的な意味作用と創造的な意味作用ということの対立・緊張関係にに関する話題で占められている.
    おそらく筆者の興味なんだろうなと思いながら読んだ.後半部では記号の持つ美的作用ということに主題が移る.読み進んでいくとこれもまた言語におけるコードを超えた意味作用の創出であるということがはっきりしていく.

    まあ,いろいろ考えながら読んでみた.

    自分からすると興味深い点がいくつかあった.本文中では書かれていないが,上で「蓋然性に基づいた推論」と書いたもの,これはサイエンスの世界でアブダクションと呼ばれる推論とおそらく同一のものだと強く感じる.興味深い.また最後の方にあった詩歌と「祭り」の類似性に対する指摘も興味深いと思った.体系だってないので読みづらいけど結構面白い.

  • 記号論の入門書として紹介されていたので手に取った。
    この分野は未体験なので眉間にしわを寄せながら読んだが、発見の多い本だった。

    コミュニケーションというのは暗号解読をいつも自然にやっているようなものだし、詩というのは日常を越えた新世界への冒険だ。
    占いの論理や比喩、コンテクストと主体の介入、祭りについての話も興味深い。

    中盤~後半は統辞論も加わって記号のシステムについての話だが、言語ってよくできたシステムだなーと本当に感心してしまう。

    ソシュールやエーコの記号についての本も読みたいところだが、用語や考え方が身につくまでこちらを反復して読んだほうがいいのかもしれないなあ。もっと難しいのだろうし…。
    本の中で紹介されていた『シャーロック・ホームズの記号論』も読んでみたい。

    記号性を持つのは言語に限ったことじゃないという例がいくつかあったので、日常生活で記号発見遊びをやってみると面白そうだ。

  • この本も論文を書き始めた頃に読んで参考にした本です。詩の言葉をどのように考えたらよいか、その基本原則を教えてくれます。

    内容(「BOOK」データベースより)
    いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    池上 嘉彦
    1934年京都市に生まれる。1961年東京大学大学院博士課程修了。専攻は言語学、英語学。現在、東京大学名誉教授、昭和女子大学教授

  • 言語に寄り過ぎている、入門編としては不適格

  • 言語学から
    とくにはなさげ

  • [ 内容 ]
    いま広範な学問・芸術領域から熱い視線を浴びている「記号論」。
    それは言語や文化の理解にどのような変革を迫っているのか―。
    ことわざや広告、ナンセンス詩など身近な日本語の表現を引きながらコミュニケーションのしくみに新しい光をあて、記号論の基本的な考え方を述べる。
    分かりやすくしかも知的興奮に満ちた、万人のための入門書。

    [ 目次 ]
    1 ことば再発見―言語から記号へ(記号とは、符号とは? 「言語創造」 ほか)
    2 伝えるコミュニケーションと読みとるコミュニケーション―伝達をめぐって(コミュニケーション 伝達の仕組み ほか)
    3 創る意味と創られる意味―意味作用をめぐって(記号と意味作用 分節と意味作用 ほか)
    4 記号論の拡がり―文化の解読のために(記号の「美的機能」から芸術記号論・詩学へ 文化記号論へ向けて)

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

全75件中 31 - 40件を表示

著者プロフィール

1934年、京都市の生まれ。東京大学で英語英文学、イェール大学で言語学専攻。現在、東京大学名誉教授、日本認知言語学会名誉会長。インディアナ大学、ミュンヘン大学、チュービンゲン大学、ベルリン自由大学、北京日本学研究センターなどで客員教授、ロンドン大学、カリフォルニア大学バークレー校などで客員研究員。Longman Dictionary of Contemporary English(3rd ed.),『ロングマン英和辞典』の編集で校閲者。著書に『意味論』『「する」と「なる」の言語学』(大修館書店)、『記号論への招待』『ことばの詩学』(岩波書店)、『〈英文法〉を考える』『日本語と日本語論』(ちくま学芸文庫)、『英語の感覚・日本語の感覚』(NHKブックス)など。言語学研究書の翻訳、論文多数。

「2022年 『ふしぎなことば ことばのふしぎ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

池上嘉彦の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×