昭和青春読書私史 (岩波新書 黄版316)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203162

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  • 読書と世相がクロスする。
    著者はそこに自身の体験を差し込む。
    私は主に映像でその現場に近づいていく。
    『雪国』も『西部戦線異常なし』も『モンテ・クリスト伯』も。

  • 戦争体験を色濃く反映した、読書についての随筆。取り上げられている本は、当時軟弱とされたり発禁になったりしていた本中心。川端康成を「一心に、只管に、執拗に」少女を描いた作家と論じたあと、自らが『雪国』を読んだ時の状況がさらりと記されます。それは昭和20年(1945年)8月19日清津近くで敗走中にソ連軍戦車隊に包囲され、玉砕命令が出された日。太陽が照るなか轟音を聴きながら、自らの死を待ちながらの読書。

  • [ 内容 ]
    時代は戦争に向かって走っていた。
    昭和十二年春、中学一年生のとき手にした『モンテ・クリスト伯』の復讐奇譚が著者を本の世界の魅力に引きずり込む。
    言葉も交わせぬ異性の心をフランス文学のなかに探り、紅灯の巷を荷風の小説とともにさまよう。
    ――軍靴の足音近づく昭和十年代の青春体験を、万感あふれる思いをこめて語り綴る。

    [ 目次 ]


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著者プロフィール

1922‐86年。東京生まれ。思想家、評論家。大学在学中に学徒出陣。ソ連軍との戦闘を経て捕虜となる。復員後、大学を中退。出版社勤務などを経て、評論家として独立。1964‐66年には思想の科学研究会会長をつとめた。日本戦没学生記念会(わだつみ会)の再建に尽力し、のちに常任理事。著書に、『学徒出陣』(三省堂)、『人間の再建』(筑摩書房)、『芸と美の伝承』(朝文社)などがある。

「2021年 『戦争体験 一九七〇年への遺書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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