外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

著者 : 千野栄一
  • 岩波書店 (1986年1月20日発売)
3.91
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203292

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)の感想・レビュー・書評

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  • 「女海外ひとり旅」に書き込みをしていた「旅の上級者のかた」が薦めていたので読んでみました。
    「もっと早く読めばよかった」とおっしゃっていました。

    とても面白かったし、納得いく本でした。
    でも自分が全部そのとおりするかというと、躊躇するところがあります。
    26年前の本ということもあります…。

    しかし、つべこべ言わずに、「まず自分の目的にあった英単語を1000覚えよう」と決めました。
    ダイエットするときに「食べる量を減らし、運動する」みたいなものです。
    1000覚えたら次のことを考えます。

  • 英語だけでなく、外国語全般の学習方法のエッセンスがつまった名著。語学に少しでも興味があればぜひ一読して欲しい本。私はこの本を読んで、語学の勉強法に対する認識が大きく変わった。

    中身は言われてみれば当然の事ばかり書いてあるが、それが語学上達にとって必要不可欠であり、近道などない事が思い知らされる。地道な努力が一番の上達のコツなのだ。

    「自分は語学の才能がない」と評する千野先生だが、自身の苦労なされたエピソードや他に出来る人のお話は、読んでいて引き込まれるものがある。

  • -

  • 著者自身の体験談以上に、かつて接した語学教育者や学習者の武勇伝が載っていて、なかなかインパクトがあった。学ぶ事について纏めると、初めは日本語で書かれた簡単な本を使い、必須単語を徹底して覚え、あとは必要に応じて辞書を引きながらやっていく、ということで、それだけみれば通り一遍の語学書と同じなのだが、出てくる人たちが篦棒な猛者ばかりで、道無き道を進み切り開いた人達の情熱に驚いた。

  • 千野栄一『外国語上達法』1986
    明解でいい本だなと思う。「第二言語習得論」といわれる科学的アプローチが流行(?)のようだが、この本とあわせれば、いろいろと得るところがあると思う。著者はスラブ語の専門家でロシア語史をやっているうちに、チェコ語とかクロアチア語などをマスターした人で、チェコ語の話がよくでてくる。今のような便利なもんがなく、日本語の辞書もない時代に、難しい言葉をマスターした人々のことがいっぱいでてきて、とにかく示唆に富んでいて面白かった。
    ・語彙(最初の1000語はガリガリやる。論文が書けるようになるには4000〜5000語が必要で3〜4年はかかる。とにかく単語集をみているだけでドイツ語を習得したチェコ人がおったらしい)
    ・文法 チェコの英語学者マテジウス(失明してベッドの上で業績をのこした人らしい)の理論が面白かった。言語は基本、既知から未知を示すもんである。英語では受身と不定冠詞が未知を扱うらしい。不定冠詞というと、なんかボンヤリしているとしか思わなかったが、不定だからこそ未知の新しい情報だということ。
    例)
    I am a student.
    わたし[目の前にいる既知の者]→〔まだ知らないだろうけど〕学生なのよ。
    ・教師の項目には、①教える言語ができること、②教え方がうまいこと、③人格的な魅力があることというのが「いい教師」の条件だそうだが、熱意があればカバーもできるといっている。
     クロアチア語やロシア語の教授方法が面白かった。毎回とにかく20語くらいで文法項目をマスターする。学生にノートを作らせ、できないところを書かせ、教師がノートをあつめて、できないところをくり返し何度もあてる。少ない項目を確実にできるようにしていくというもの。「オーダーメイド授業」とか「学習者中心アプローチ」とかいうけど、1960年代にもすぐれた教師はやっていたんだなと思う。
    ・レアリア
    現代では「現物教材」と訳されて、レストランのメニューなどを指すが、本来はギリシア・ラテンなどの古典を読むのに必要な知識のこと。これを読んで、「漢文にもこれあるわ」と思った。たとえば、「鼎」(かなえ)が三本足の器であることを知らないと、「鼎立」とか「鼎談」とかが分からないというようなこと。レアリアを英語に訳すと、thought and lifeというらしい。
    このほかにも、辞書や学習書、発音や会話などについても書いてあります。

  • 本書によれば、外国語の学び方は、語彙と文法を重視する、である。3000語、覚えればよいのである。 そして、語学が目的になってしまっている人は、手段で語学を学ぶ人より挫折しやすい、ということである。

  • 初版が86年で、16年時点で47刷に達していことからも、良書と期待して手に取った。
    1語でも語彙を増やすに時間をつかうべきかと思った。が、それでもなお読みたかったし、200ページに収まってる内容は、移動時間を殺すのに都合が良かった。

    読み終えて思うのは、非母語を難なく扱えるようになった人は、賢く謙虚で、でも自信のある人だなと。しかし問題はぼくの中国語である。良い自習書もあり、先生もおり、なんなら中国語がつかえる国にすんでいるのに、この体たらく。
    この本に照らし合わせると、発音無視しすぎ・覚えるべき基本語彙がみえてない・ゴール設定できてない。ってことに、耳が痛すぎる。

  • 古典的名著。

    個人的なことだが、自分も第二外国語を学習中である。

    本書にあった「語彙と文法」は、まさに実感。


    とにかく、刺激と再認識させられる知見が多い。

    名著。

  •  外国語を習得しようとする場合、何語を何の目的で学ぶかをはっきり決めてかからないといけない、というのが第一の主張である。日本ではまず最初、英語がその候補に選ばれるわけだが、この場合でも英語の自分に持つ意味をよく考えなくてはならない。
     次に、習得したいと思う外国語が決まったら、その外国語をどの程度習得するつもりかの見通しをつけなくてはならない。読み書き話すという三つができるようになるには、言語の難易の差によって3年から5年が必要になってくる。(p.31)

     最近ソビエトで出たロシア語の初歩の本を見ていたときのことである。「これは魚ですか、鳥ですか」という疑問文があり、一瞬「ロシア人よお前もか」と思った。ところがその横に挿絵がついていて、展覧会で一枚の絵の前に立った見物人が抽象画をさしながら画家に聞いている場面が描かれていたので、思わず笑わされてしまったし、「……ですか、それとも……ですか」という構文を一緒に覚えさせられてしまった。(p.102)

     会話というものは自分が相手の人に伝えたいことを伝え、相手の人が伝えたいと思っていることを聞くことであって、自分がたまたまその外国で知っている句を使ってみることではない。ここに、会話集や会話学校のもたらす危険がある。(p.172)

     そもそも言語というものは、それ自身が目的ではなく、伝達を始めとする幾つかの機能を果たすために存在している。すなわち言語は「自目的」的ではなく、「他目的」的なものである。そして、言語はそれだけで単独に使われるのではなく、必ず何かある状況の中で使われる。この状況は、いろいろな情報を言語に与える。従ってこの状況がよく分かっていれば、その言語の理解が容易になる。そして、その言語が伝えている内容が具体的に把握されれば、その言語の理解がより容易になることは自明のことである。ここに、レアリアが大切な理由がある。(pp.184-185)

     シェークスピアについての評論を読む場合、シェークスピアを読んだことがあるかないかはその理解に大きな差が出てこないわけにはいかないし、機械を扱ったことのない人が機械のことを聞いても読んでも分からないところのあるのはそのためである。自分の知らない内容について聞いたり読んだりしたとき、その理解が大変であることは母語でも同じだとはいえ、それが外国語ともなれば余計に困難の度が加わることとなる。(p.192)

  • 外国語上達のtips(コツ)が分かる。

    外国語学習の導入にもモチベーションアップにも最適。

    出版年は古いが、内容は色褪せない。

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