外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203292

感想・レビュー・書評

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  • 外国語を学ぶ前に当たって、
    すごく良いことを教えてもらえた気がした。

  • 佐藤優さんが知性とは何かで紹介していたので読みました。

    外国語学習において語彙と文法、そして継続的な学習が大切だと書いてあり、改めて英語学習の必要性を感じました。


    外国語上達法 千野栄一

    1:はじめに

    「語学の取得というのは、まるで水をしゃくっているのようなものです。絶えずしゃくってないと、水がなくなって胃s舞います。水がどんどんもれるからといって、しゃくうのをやめるとザルははぜてしまう」

    忘れることを恐れるな。

    2:目的と目標

    必要とするだけの量だけ学習する

    何語を何の目的で学ぶのかはっきりさせる。

    3:必要なもの

    外国語上達に必要なもの

    お金と時間

    外国語の習得には、記憶が重要な役割を演じており、記憶には繰り返しが大切でそのためには時間が必要である。ある外国語を習得しようと決心し、具体的な目標に向かってスタートした時は半年はがむしゃらに頑張る。

    短期間で急激に習得したものは、短期間に急激に忘れるが、長期間で覚えたものは忘れるのにも時間がかかる。

    覚えるのは語彙と文法

    4:語彙

    言語を人間に例えれば骨や神経は文法であり、語彙は血であり、肉である。骨や神経がだめんら、その人間はうまく動かないが、血やにくがなければ人間ではなく残骸にすぎない。

    繰り返しが学習の母

    5:文法

    文法は補助手段であってそれ自体が学習の目的となってはいけない。

    6:学習書

    初歩の語学の自習書なり、教科書は薄くなければならない。語学の習得のためにはこれだけ、澄んだ。ここまでわかった。一つの山を越えたということを絶えず確認して、次のエネルギーを呼び覚ますことが必要である。

    やみくもに語彙を覚える時期では教科書に載っている単語の訳を覚えることに徹する。

    7:教師
    8:辞書
    9:発音
    10:会話
    人は努力する限り過つものである。 ファウスト ゲーテ

    会話というものは自分が相手の人に伝えたいことを伝え、相手の人が伝えたいと思っていることを聞くことであって、自分がたまたまその外国語で知っている句を使ってみることではない。

    会話をすることによって知識や考えを深めるために話をするのであって日本語の会話と大差ないのである。

    11:レアリア

    外国語を学ぶということは外国の文化を学ぶということ

    言語が周囲の状況から切り離されておらず、その状況の与えるいろいろのあ情報とともに使用される限り、それらの周囲の状況が与える譲歩を間違いなくキャッチすることはその言語を理解する上で大切である。


    外国語の背景を知ること。

    12:まとめ

    学習法で大切なのはお金をかけること。定期的に繰り返すこと。

    繰り返しは忘却の特効薬である。

    「馬を水辺に連れて行くのはやさしいが、水を飲ませることは難しい」

  • レアリアというキーワードがあることを知った。英文の内容を理解するときに、関連知識があるとわかりやすいと感じていたが、レアリアとはその関連知識の一般的な呼び方である。レアリアのことを書いてある章には、いくつかのおもしろい例が載っていた。外国語で書かれた文章の舞台である国々での当たり前のこと(これもレアリア)についての知識がないと、誤訳をしたり、翻訳に大変苦労をしたりするということであった。

  • 外国語学習の指南書。語学習得は繰り返し継続することが大切と説かれている。文法の必要性、参考書・辞書・教師の選び方は学習に役に立つ。ユニークなのは発音のために音声学を学ぶ方法だ。そこまでやるのかと驚いたが、正しい発音を手にいれるためには必要な回り道かもしれない。

  • 著者が外国語コンプレックスに悩んでいたのがまず驚きだった。
    外国語学習の勇気が出る一冊。

  • はっきりした目的と程度と動機付け

  • 外国語学習法の古典.
    評価はいろいろあるだろうが,目を通しておいて損はないだろう.

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 1階文庫本コーナー
    請求記号: 807//C47

    【選書理由・おすすめコメント】
    千野栄一さんは東京外語大学で教授・和光大学で学長を務められた方で、語学の達人と言われた方です。30年ほど前に書かれた本ですが、語学習得のやる気にさせ、エッセイのような読み物としても面白い本です。
    (語学教育センター 高嶺エヴァ先生)

  • 先輩が貸してくれた本。

    大学で英語を学んでいた私にとってはこれと言って真新しいことは書かれていなかったが、著者の経験も絡めて書かれているのでなかなか楽しめた。

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著者プロフィール

千野 栄一(ちの・えいいち):1932-2002年。東京大学言語学科、プラハ・カレル大学スラヴ語学科卒。東京教育大学助教授、東京外国語大学教授、和光大学教授・学長を歴任。主な編著書に『言語学大辞典』(全6巻、共編)『世界文字辞典』(共編)『言語学の散歩』『プラハの古本屋』『外国語上達法』、主な訳書にチャペック『ロボット』、クンデラ『存在の耐えられない軽さ』などがある。

「2022年 『言語学を学ぶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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