短編小説礼讃 (岩波新書 黄版 347)

著者 : 阿部昭
  • 岩波書店 (1986年8月20日発売)
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  • 11レビュー
  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203476

短編小説礼讃 (岩波新書 黄版 347)の感想・レビュー・書評

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  • 阿部昭『短編小説礼讃』(岩波新書)を時々、読み返します。

    この本は、わたくしが社会人2年生の夏に出版されました。
    ジェットコースターのような社会人1年目を過ごし、
    少し、精神的に落ち着いた頃、手にしました。

    気づいたらその本は、どこかに迷子になってしまいました。

    しばらく品切れが続いていて、やっと復刊されたとき、
    今度は迷子になってもいいように、まとめて3冊、買いました。

    復刊時、帯に脚本家の山田太一さんが、
    推薦の言葉を書いています。

    たまたま、買った直後に、
    山田さんと仕事の打ち合わせがあって、
    そのとき余談で、「3冊、買いました」と、言ったら、
    山田さんはすかさず、
    「あの本は3冊、買う価値がありますね」と、
    おっしゃいました。

    短編小説が好きだけど、何を読んでいけばよいのか、わからない
    という人に、
    信頼できる案内役になってくれます。

    わたくしは、自分が書いているものが、「大丈夫かな」と不安なとき、
    この本を読み返します。
    読むたびに、もっとがんばろう、と奮い立ちます。

    短いお話が好きな人、実際に書いている人に、元気をくれる本です。

  • エッセイなのか?というツッコミはさておき。

    短編のだいご味を伝える、という本なのですが、とても面白い。批評とかじゃないし感想でもない。筆者が好きで、ここのね、これがいいんですよ、しかもね…みたいな感じで、文章も難しくなく、気取ることもなく、本当になんか読んでいて楽しい本だった。

    疲れたら読み返したくなる本だし、ここに出ていた短編も併せて読んでみたくなる、そんな本だった。

  • もっとも、私のこういういい方は実は本末転倒で、短編の作者はもともとイメージで語るのが得意~
    ルナールなどは、「十語を超える描写はもうはっきり目に見えない」と極端なことを言っている、。

  • 短編の面白さを解説している本だが、自分には合わなかった

  • 阿部昭の小説はいくつか読んだけど、素晴らしかった。本書はルナール、モーパッサン、チェーホフ、ヘミングウェイ、国木田独歩、梶井基次郎など、今その作品を「古典」と感じてしまうような作家の作品を紹介しているが、これが、面白い。四百字詰原稿用紙に数枚から二十枚ほどの作品でも才能ある作家にかかれば、これだけのものが描けるという。特にモーパッサンの『聖水番』は拉致被害者家族のことが頭に浮かんだ。
    読んだことのある作家については、深く頷き、読んでない作品は「読まねば」という気持ちになった。優れた短編小説は作家の若い時に生み出されているというのも面白い。とりあえず、阿部昭とモーパッサンはぜひ読まねば。

  • これを読めば、短篇小説の魅力がさらに
    深まること、間違いなし!の一冊です。

  • GUEST 047/脚本家・山田太一:スミスの本棚:ワールドビジネスサテライト:テレビ東京 http://www.tv-tokyo.co.jp/wbs/blog/smith/2011/12/post122428.html

  • [ 内容 ]
    古今東西の短編小説は人生の感動をどう描いてきたか。
    濃密な文学空間から何を読みとるか――。
    「短編びいき」を自認する当代きっての短編の名手が傑作をとりあげ、その醍醐味を伝える。
    印刷されざる“短い話”こそ原型と語り、古典落語の魅力にふれ、創作の秘密にまで説き及んで「素晴らしきかな、短編小説!」と結ぶユニークな文学案内。

    [ 目次 ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
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    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  •  チェーホフといえば、阿刀田と同じく作家である阿部昭の『短編小説礼賛』(岩波新書86.8)という一冊がある。
    手許にあるのは13刷だから、それなりに息長く売れ続けたものだろう。これには、鴎外,モーパッサン,ドーデ,独歩,ルナール,菊池寛,志賀直哉,マンスフィールド,梶井基次郎,魯迅,ヘミングウエーと並んでチェーホフに一章が割かれている。

     阿部はここで、チェーホフの短編を、修業時代にそっくり敷き写したようなキャサリン・マンスフィールドの短編が物議をかもしたことを語りながら、またチェーホフが日頃機会あるごとにモーパッサンの名前を口に出していたことを語る。
    チェーホフは戯曲「かもめ」の女優アルカージナに『水の上』を読ませて「ふん、あとはつまらない嘘っぱちだ」と本を閉じさせてしまう。
     しかしこれは、モーパッサンの短編小説のつくり方と違うチェーホフの書き方を強調するものではあっても、モーパッサンを否定的に見ていたということではなさそうだ。
    勝手に想像すれば、チェーホフにとってモーパッサンとは、山岳行で聳え立つ、しかし乗り越えなければならない一つのポイントだったのではないか。

     阿部はチェーホフの特長をこう語る。「たしかに、チェーホフの短編は筋が辿りにくい、一口にこんな話とは言いにくい。また言ったところであまり意味がない。どんな絵とかどんな音楽とか説明することに意味がないのと同じである。」
    更に「<話>や<筋>そのものに頼らず、あからさまなメッセージも発せず、ただひたすら<生きたイメージ>に語らせる。」そういうチェーホフの影響は映画監督たち、デ・シーカ,フェリーニ,ベルイマン,ライたちにも及んでいるのでは、と想像している。

    「結びが決して終わりを意味せず、そのつど新しい始まりの可能性をはらんでいるような、こういう短編小説の形。チェーホフによって創められ、彼自身によって究め尽くされたように見えるその書き方。以来どんな短編作者もそれを意識することなしには唯の一行もかけなくなったと言っていい」と。
     そしてこうも語る。「初期の短編から、晩年の大きな戯曲にいたるまで、チェーホフがどんな人物をも心をこめて大切に扱っているのをわれわれは知っている。彼は同じような老若男女を繰り返し書いたのではなく、誰ひとりとして同じ人間はいないことを示したのである。それはもう単に文学の問題でもなければ小説技法の問題でもない」

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