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Amazon.co.jp ・本 (216ページ) / ISBN・EAN: 9784004203575
みんなの感想まとめ
自然の花や木に対する人間の美意識は、文化的な教養や知識によって形成されるものであることが強調されています。この書籍では、各国や地域の歴史を通じて花の見方や文化を紹介し、園芸や交配など花そのものに焦点を...
感想・レビュー・書評
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「自然の花、自然の森に対する人間の本能的美意識は、昆虫や動物より劣っているので、その人間のもつ美学は文化的に形成されるほかない……。いわばそれに足る教養を身につけて、はじめて理解でき、鑑賞できる……。その教養……には対象に対する知識が大きく作用する。」(p.216)
人がむかしから花をどうみてきたかを、各国または地域の各時代について雑学まじえながら紹介する本。扱われる内容は、花占いとか花言葉とか、ああゆうポップカルチャーに片足突っ込んだような、「花にかかわる物事」ではなく、主に園芸や交配など、「花そのもの」が中心。専門的なものも含むが、文章が平易で全く難しくない。
英国の王室が誕生するきっかけとなった薔薇戦争のバラは中国原産だったとか、中国などの地では家畜を囲むような構造の家屋が発達したため、庭は草木を植えて愛でるところではなく、家畜舎の代わりで、草花を植えて生活に彩りをなんてゆう発想はうまれにくかったとか、室町から江戸にかけての日本の草花のレベルは世界的にみて退けを取らないものだったのに、交配はあくまで自然にまかせることしかせず、動植物の交配という科学的な気づきはあったのに人工的に新種を作り出そうという考えにはいたらなかったとか、まあいろいろと面白い小ネタ(というと失礼かもしらんが)があった。
ただ、個人的には文化史から逸れた最終章(IV)が一番おもしろかった。
「東南アジアの熱帯降雨林は、地球の上に生れた植物社会として最高の存在である。樹高が50mもの巨大木が散在し、その下に大高木の樹冠が連続して連なり、その下にさらに樹木層がある。ものすごい樹木性の蔓植物が樹木にからみつき、はるか高い樹冠で花を咲せ、地上からは落花だけが見られる。蘭や羊歯類……の着生植物がぎっしりつき、蘚類も樹幹に密生する。このように東南アジアの熱帯降雨林の植物社会は、樹木の巨大さ、植物の生活型の多様性、樹木、灌木、蔓性植物の多いことなど、おそらく地球上に地質時代以来かつて出現したどの植物社会にも優るものではないだろうか。……こんなものがいまの地球上にまだ残っているのだ。」(p.213) -
・前半は興味深い内容だった
・人間の持つ美学は文化的に形成されるため、教養や知識あってこそ、それを理解し観賞できる。 -
同じ筆者の『栽培植物と農耕の起源』が面白かったから、復刊を機に買った本。面白かった。
食べられる草木(野菜や果実)は当然、人間が積極的に手を入れていく。けれども美しさを愛でるために花木を品種改良していくっていうのはやはり文化なのよね。そして、野生種のどこに美を感じるかというのもまた文化なわけだ。
そういう意味では、日本では斑入りの葉を美しいと思うけど、海外では評価されてないという話は面白かった。(本が書かれたのが1986年だから現在ではどういう評価なのかはわからないけど) -
2025年5月10日、グラビティの読書の星で紹介してる女性がいた。
「今日はこれ。古本市でこの前買った本(*^^*)」
「このまえ私が桜が好きという話をして、本当に綺麗と思ってるの?と言われて気になっていた。桜は美しいものだという文化圏で育っていなかったらやっぱり私たちは桜のことを綺麗と思わないんだろうか。ずっと気になっててその話に言及してる本が読みたかったんだよね。」←たぶんこれもこの本のことだと思う。 -
2023/8/19(土)まで本館で、草木に関する企画展示が開催中であり、それに触発され、毎日出版文化賞受賞の本作を読むことにした。同氏の著書に接するのは、学生時代のゼミ課題図書であり、アニメの宮崎駿監督も影響を受けた「栽培植物と農耕の起源」(岩波新書 青版)以来。
日ごろ何気なく目にしている花や木が、多様な民族の長い文化的営為によって生みだされたものであり、東洋と西洋の花卉園芸文化、虫・鳥・人間の立場から捉える花の美しさ庶民と花の文化などについて、愛情をもって丹念に解説されている。 -
花をそだて鑑賞する花卉園芸文化が、世界の各地でどのようにして生まれ、どのような歴史をたどったのかということを解説している本です。
著者は、世界の花卉園芸文化の系統分類をおこない、「西洋花卉園芸文化」と「東洋花卉園芸文化」の二つの系統が、花の美しさを愛でる文化として大きな潮流をかたちづくっているという見かたを提示しています。そのうえで、「西洋花卉園芸文化」は、メソポタミア、エジプト、ローマなどの地中海地域にひろまり、その後西ヨーロッパを中心に新たな展開を見ることになったとされます。他方「東洋花卉園芸文化」は、中国を中心に展開され、やがて日本において発展することになったとされます。
こうした大きな見取り図のもとで、世界各地および日本において花の栽培がおこなわれてきた歴史が説明されています。 -
照葉樹林文化圏の提唱者の一人、中尾佐助の名著。
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あたりまえに考えていた花や木の中に
日本独特の感性、美意識はあったのだと
思いなおしました。 -
農業発生時の植物の栽培化でも感じたけど、野生にあった植物を、人の手で栽培し始める、という変化は、こうも社会で暮らしながら多様な植物に囲まれて生きていると、意識から抜け落ちてしまう。
実際、プラントハンターと呼ばれる西洋の探検家たちは、東アジアからたくさんのし花木を持ち帰り、改良・栽培化したのだ。
あまりにも植物知らなくて、さらっと読んでしまったが、
独自の美意識から、日本人は優れた、美しい、高尚な、マニアックな、たくさんの花や木を作り出して楽しんできたことがわかった。
その美意識は、どこから生まれたのだろう。
当たり前と思ってることが、世界的には稀であることに興味がそそられる。 -
? 216p 1986・11・20 1刷
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2009/11/15図書館で借りる
中央 XS 4 357 書庫にあります
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