エスキモー極北の文化誌 (岩波新書 黄版 364)

  • 岩波書店
4.00
  • (2)
  • (3)
  • (2)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 40
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203643

作品紹介・あらすじ

限られた物質的資源をさまざまな工夫で活用して苛酷な環境を生き抜いてきた「創意ある人々」エスキモー。言語の研究のためにたびたびアラスカを訪れてエスキモーと生活を共にしてきた著者は、驚くべき独自の体系を示すエスキモー語の世界、また短い夏の生活の輝き、長い冬に伝えられてきた興趣あふれる伝承や儀礼の世界へと読者をいざなう。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「エスキモー 極北の文化誌」宮岡伯人著、岩波新書、1987.02.20
    216p ¥480 (2018.03.16読了)(2018.03.08借入)
    「カナダ=エスキモー」本多勝一著、を読んだついでに何か関連本を読んでみたいと思って、図書館の蔵書検索をしてみたら、この本がヒットしました。新書版なので、手軽に読めそうと思ったのですが、苦戦しました。
    サントリー学芸賞受賞作ということなので、興味深い内容であるのは確かです。民族調査は、文化人類学を専攻する方々がやっている場合が多いのですが、この本は、言語面からのアプローチになっています。エスキモー語は、かなり特殊な言語のようです。
    「雪」をあらわす言葉がない、というのにはびっくりしました。日本語の場合は、一般的な雪をあらわす言葉があって、さらにどんな雪かを表すには、XX雪という表現になっています。エスキモー語の場合には、雪というくくりはなくて、それぞれ独自の名前が付けられているのだそうです。
    エスキモー人とアメリカ・インディアンの関係は、どんな感じなのでしょうか?
    エスキモーもインディアンも日本人と同じモンゴロイドなのでしょうか?
    57頁に、「人種的に言えばエスキモーは、より早く新大陸に移住した「古モンゴロイド」のアメリカ・インディアンに対し、アリューシャン列島に住むアレウトとともに「新モンゴロイド」であるとされる。」と書いてあります。

    【目次】
    Ⅰ フィールド・ワーク
    1 フィールドにはいる
    2 ことばのフィールド・ワーク
    説話その一 「ワタリガラスの創世」
    Ⅱ 西と東―文化の地域差
    1 エスキモーの内と外
    2 犬橇の旅
    3 西と東―文化の地域差
    説話その二 「セドナ(海の女神)」
    Ⅲ 夏と冬のくらし
    1 生業の季節―ユッピック・エスキモーの夏
    2 儀礼の季節―ユッピック・エスキモーの冬
    説話その三 「太陽と月」
    Ⅳ ことばからみた文化
    1 空間把握
    2 「ことば」と「もの」
    3 呪文と忌詞
    説話その四 「トゥネック(先住者)」
    Ⅴ どこからどこへ
    1 原郷と移住
    2 ことばを守る闘い
    参考文献
    あとがき

    ●エスキモー人口(48頁)
    1982年の推計によれば、総計して十万人強にすぎない
    ソヴィエト・千二百、アメリカ合衆国・三万四千七百、カナダ・二万三千、デンマーク・四万二千。
    ●イヌイット(54頁)
    カナダ・エスキモーでは、イヌックの複数形である「イヌイット(Inuit)」がその自称であり、これは今日、カナダにおける公称にもなっている。

    ☆関連図書(既読)
    「カナダ=エスキモー」本多勝一著、朝日新聞社、1981.09.20
    (2018年3月22日・記)
    受賞歴
    第9回(1987年) サントリー学芸賞・芸術・文学部門受賞
    内容(「BOOK」データベースより)amazon
    限られた物質的資源をさまざまな工夫で活用して苛酷な環境を生き抜いてきた「創意ある人々」エスキモー。言語の研究のためにたびたびアラスカを訪れてエスキモーと生活を共にしてきた著者は、驚くべき独自の体系を示すエスキモー語の世界、また短い夏の生活の輝き、長い冬に伝えられてきた興趣あふれる伝承や儀礼の世界へと読者をいざなう。

  • ロフト行き

  • 言語を中心に書かれているので、生活一般の事を期待すると思惑がハズレます。

  • [ 内容 ]
    限られた物質的資源をさまざまな工夫で活用して苛酷な環境を生き抜いてきた「創意ある人々」エスキモー。
    言語の研究のためにたびたびアラスカを訪れてエスキモーと生活を共にしてきた著者は、驚くべき独自の体系を示すエスキモー語の世界、また短い夏の生活の輝き、長い冬に伝えられてきた興趣あふれる伝承や儀礼の世界へと読者をいざなう。

    [ 目次 ]
    1 フィールド・ワーク
    2 西と東―文化の地域差
    3 夏と冬のくらし
    4 ことばからみた文化
    5 どこからどこへ

    [ POP ]


    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • グリーンランドやカナダの東のエスキモー
    アリューシャン列島からチュクチ海にいたるベーリンジアのユッピック・エスキモー

    アラスカ・エスキモーの村々には「ツンドラ部隊」といった義勇軍が組織されていた

    東エスキモーで登場するワタリガラスは創造神話ではない、チュクチ・コリヤークでは造物主、北西海岸インディアンの神話でも重要な位置を占める

    カヤックの操舵穴;木枠に固定=西、皮でのみ固定=東

    アラスカ・エスキモーは国家の斉一性と民族の独自性の調和が切実な問題
    グリーンランド・エスキモーはほとんどの原住民がいまもなおエスキモー語を母語にしている

全6件中 1 - 6件を表示

宮岡伯人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×