平和憲法 (岩波新書 黄版 371)

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  • Amazon.co.jp ・本 (212ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203711

作品紹介・あらすじ

経済大国から軍事大国への道を突き進む日本。現実政治は憲法から離脱するばかりである。なぜこのようなことになったのか。現状を憂うる憲法学者が、戦後40年の憲法と政治の関係を冷静に分析することによって第九条の平和主義のリアリティを明らかにし、憲法を政治の準則にするためにわれわれは何をなすべきかを情熱をこめて説く。

感想・レビュー・書評

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  • 1987年に刊行された本で、護憲派の立場から、日本国憲法の平和主義の理念を説いています。

    ポツダム宣言の受諾によって軍国主義が否定され、明治憲法から日本国憲法への転換が起こったことは、外見的には市民革命と等しくても、それは「横からの市民革命」(家永三郎)にすぎず、市民革命の実体を欠いていたと著者は理解します。そして、そのために平和憲法を脅かす権力が戦後に残されたと指摘し、日本国民が市民として目ざめることによって、日本の市民革命を完結するべきだと主張されています。

    当然のことながら、現在日本国憲法が直面している数々の問題については触れられておらず、今改めて本書を読む意味はあまりないような気がします。

  • [ 内容 ]
    経済大国から軍事大国への道を突き進む日本。
    現実政治は憲法から離脱するばかりである。
    なぜこのようなことになったのか。
    現状を憂うる憲法学者が、戦後40年の憲法と政治の関係を冷静に分析することによって第九条の平和主義のリアリティを明らかにし、憲法を政治の準則にするためにわれわれは何をなすべきかを情熱をこめて説く。

    [ 目次 ]
    第1部 憲法第九条は非現実的か(憲法第九条をめぐる政治の動き;「第九条は非現実的だ」、「第九条は経済大国日本にふさわしくない」;立憲主義の観点から;軍事的な観点から;経済・財政の観点から;われわれの課題;憲法はなぜ政治の準則として機能しないのか)
    第2部 日本の市民革命の特色を考える―憲法を政治の準則とするために(明治憲法から日本国憲法への転換;日本の外見的市民革命;なにをなすべきか)

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著者プロフィール

杉原 泰雄(すぎはら やすお) 
1930年, 静岡県に生まれる. 1961年, 一橋大学大学院法学研究科博士課程修了. 現在, 一橋大学名誉教授, 駿河台大学名誉教授. 主著:『第4版 憲法読本』(岩波書店, 2014), 『憲法と公教育』(勁草書房, 2011), 『憲法と資本主義の現在』(勁草書房, 2010), 『新版体系憲法事典』(編集代表, 青林書院, 2008), 『憲法と資本主義』(勁草書房, 2008), 『地方自治の憲法論』[補訂版](勁草書房, 2008), 『憲法と国家論』(有斐閣, 2006), 『憲法の「現在」』(有信堂高文社, 2003), 『憲法を学ぶ 第4版』(共編, 有斐閣, 2001), 『恒久世界平和のために』(共編, 勁草書房, 1998), 『日本国憲法史年表』(編集代表, 勁草書房, 1998), 『憲法の歴史』(岩波書店, 1996), 『憲法問題の見方』(弘文堂, 1995), 『民衆の国家構想』(日本評論社, 1992), 『人権の歴史』(岩波書店, 1992), 『国民主権の史的展開』(岩波書店, 1985)

「2016年 『日本国憲法と共に生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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