子どもの宇宙 (岩波新書)

著者 : 河合隼雄
  • 岩波書店 (1987年9月21日発売)
3.89
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004203865

作品紹介・あらすじ

ひとりひとりの子どもの内面に広大な宇宙が存在することを、大人はつい忘れがちである。臨床心理学者として長年心の問題に携わってきた著者が、登校拒否・家出など具体的な症例や児童文学を手がかりに、豊かな可能性にみちた子どもの心の世界を探究し、家出願望や秘密、老人や動物とのかかわりが心の成長に果す役割を明らかにする。

子どもの宇宙 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • この本自体が宇宙ではないかと思われるくらい、広がりがある。子どもの宇宙を守れる大人になりたい。強くそう思う。大人が思っている以上に子どもはすごい。そう痛感した。
    この本には様々な児童文学が紹介されている。どれも面白そうで手に取ってみたいと思うものばかりだった。

    • hanchassoさん
      是非読みたいです!チャンスがあったら貸して~
      2013/02/04
  • ・この宇宙のなかに子どもたちがいる。これは誰でも知っている。しかし、ひとりひとりの子どものなかに宇宙があることを誰もが知っているだろうか。それは、無限の広がりと深さをもって存在している。大人たちは、子どもの姿の小ささに惑わされてついその広大な宇宙の存在を忘れてしまう。大人たちは小さい子どもを早く大きくしようと焦るあまり、子どもたちの中にある広大な宇宙を歪曲してしまったり、回復困難なほどに破壊したりする。このような恐ろしいことは、しばしば大人たちの自称する「教育」や「指導」や「善意」という名のもとになされるので余計にたまらない感じを与える。
    私はふと、大人になるということは、子どもたちの持つこのような素晴らしい宇宙の存在を少しずつ忘れ去ってゆく過程なのかとさえ思う。それでは、あまりにもつまらないのではなかろうか。

    (僕は覚えている。4歳の時の自意識と、今の自意識、自我というか、自分というものの観念が全く変わらないという事を。人を見る時、相手が大人とか考えず対等に思っていたなあ。)


    ・自分の子どもが自分が養子であることに気づいたのではないか。このような時、本人に打ち明けるべきか、何が正しいかという議論は何とでも言え無意味である。ともかく養子としてもらわれてきた本人にとって、その事実がどれほど簡単に受け入れ難く、大変なことか、ということである。それに大人がどれ程共感できるかが最も大切なことなのである。
    このような時に私が「専門家の意見」として秘密を保持し続けるべきだとか、打ち明けるべきだなどと答えると、この親たちは専門家に自分たちの責任を肩代わりさせて養子となった子どもと共に背負うべき苦しみを放棄してしまうであろう。
    だから、このようなとき私のするべき事は、期待されているような「答」を言うのではなく、この子どもの置かれている状態を、親たちに心から分かってもらうように努力する事なのである。

    ・心理療法をしていて、特にそれが死にまつわる事であるとき、このようなまったく不思議な現象に出会う事が多い(死の時刻に縁者に挨拶にくる、しかも同じ姿を複数の人が見る、など)。
    われわれはこれをどう説明するかなどというよりも、事実は事実として受け止め、そこに込められた意味について考えてみるべきだろう。

    ・心理療法というととかく来談者の秘密を暴き立てるものと思っている人もあるようだが、この例に示されるように、われわれはむしろ、その秘密をできるだけ大切に扱うのである。

  •  忘れていた子供のころの感覚をふと思い出して、いいなぁ、なつかしいなぁと思うことがある。多くの大人が、子ども時代に忘れてきてしまったものは、大人になって忘れてしまったものは何か。子供は「何となく感じて」いる。

  • 読みやすかったです。様々な本が引用されていて、そちらが読みたくなりました。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「そちらが読みたくなりました。」
      私もそうでした!
      2013/09/05
  • どの大人も子供の時代があった。
    しかしながら目は自分のまつげをみえないのと同じように、自分自身の一部である子供時代の心のあり方について大人になっておもいだすのは難しい。
    その結果、大人の視点で子供の心を解釈してしまいがちな親になる。
    「大人になるということは、子供のころにもっていたすばらしい(内的)宇宙の存在をわすれることではないか」と著者は述べている。一方で「大人も自分のなかに宇宙があるのだが、地位や月給などの地位財にこころを奪われがちで、その宇宙の存在にきがつくことが案がいこわいのではないか」と。大人はそのような不安におそわれるのがこわいので、子供の宇宙の存在を無視したりは破壊してしまう。
    この本は、心理学者の河合先生が、子供のこころのなかには広大な宇宙があり、それがどのような作用を生じて成長していくか?変化していくか?を紹介した本。秀逸なのは、それを理論だけでなあく、優れた児童文学作品の解説の形をとりながら展開している。
    児童文学は透徹した子供のしてんで世界を描いている。子供ではなく大人が再度よみとくことで、子供の目、こころの動きを体験できる。紹介されている本でこれはぜひ読んでみたいとおもったおは以下。

    ★子供と家族
    ラモーナとおかあさん
    クローディアの秘密
    ふたりのロッテ

    ★子供と秘密
    秘密の花園
    まぼろしの小さい犬

    ★子供と時空
    時の旅人
    ノンちゃん雲に乗る

    ★子供と老人
    ぼんぼん
    ジョコンダ婦人の肖像

    ★子供と死
    あのころはフリードリヒがいた
    誰が君を殺したのか?

    あなたが百匹の羊をもっていたとする。そのうちの一匹がいなくなったら99匹を野原に残しておいて、いなくなった一匹を見つけるまで捜し歩かないであろうか? (ルカ伝第14章5)

  • 私の宇宙はどこに行ったんだろう?

  • Amazon、¥258.

  • 子どもと秘密、子どもと老人の章を中心に読む

  • 子どもの世界の広さを考えさせてくれる話。

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