日中アヘン戦争 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300298

作品紹介・あらすじ

日中戦争はもう一つのアヘン戦争であった。昭和12年以後、日本は内蒙古にかいらい政権を樹立、ここを中心に莫大な量のアヘンを生産し、中国全土にアヘン・麻薬を流しつづけた。その害毒はじつに戦慄すべきものであった。著者が発掘した決定的な資料をふまえて、日本が日中戦争においておこなった最大の国家犯罪の全貌に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 日中戦争こそアヘン戦争だった。
    もっともっと解明されてほしいところ。

  • 1988年刊。満州事変以降、特に日中戦争以降は国策としてアヘンを中国内に蔓延させ、交戦意欲減退と莫大な資金獲得の手段とする戦術を採用したが、その実情を暴く。中共への安直な盲信は時代がかっていると言うしかないが、依拠する文献の入手経緯の問題を素直に開陳する点など、総じて学者としての良心を感じ、好感度大。また、引用も国際連盟報告書など、記述内容も出鱈目とは言いがたい。日中戦争前は国策でなかったとする点も中庸。もちろん、仮に中国人がアヘン等の常用者だとする点が問題だしても、製造・販売の方がより重い罪なのは明白。
    これは、現行の自己使用目的所持よりも製造や販売目的所持の方が重い罪とされていることからも明らかなこと。このようなアヘンの製造販売に積極的に関与したことは重く受け止める必要があろうし、大東亜共栄圏が実のないプロパガンタとしか受け止められなかったに違いない。

  •  蒙疆政権資料を手がかりに、知られざる国家犯罪=〈もうひとつの阿片戦争〉として日中戦争を位置づける。新書版だが内容は充実、資料的な価値もある。本当に勉強になった。
     「日中戦争がいかに不当で不法な戦争であったかを明証する歴史的事実に目をふさぐことによって、日中間の相互理解と友好に寄与がもたらせるとは考えられない」とは今からおよそ30年前の言葉だが、いまもなお新鮮に聞こえてしまうところがほんとうに情けない。戦時期の阿片政策のことはたしかに知ってはいたが、ここまでとは思わなかった。日中戦争の実態・実相がいかに闇の向こう側に葬り去られていたかを突きつけられた気がしてしかたがない。

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