サッチャー時代のイギリス―その政治、経済、教育 (岩波新書)

著者 : 森嶋通夫
  • 岩波書店 (1988年12月20日発売)
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300496

作品紹介

1979年にマーガレット・サッチャーが首相の座について以来、イギリスはどのように変わりつつあるか。経済・防衛から教育・福祉まで、「利潤」と「効率」の旗をかかげる"鉄の宰相"は、この国に何をもたらしたのか。激しい変化をロンドン大学教授として現地で見すえてきた著者が『イギリスと日本』(正・続)以来久々に問う、鮮やかな分析。

サッチャー時代のイギリス―その政治、経済、教育 (岩波新書)の感想・レビュー・書評

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  • <目次>
    はしがき
    Ⅰ 党首、マニフェスト、選挙ー英首相の強大な力の背景ー
    Ⅱ 歴史の車輪を逆転させる女ーサッチャーの「信仰復興」-
    Ⅲ 荒れ狂う「反福祉主義」の嵐ー悔しかったら頑張りなさいー
    Ⅳ 歴史の大河の中でー戦勝、挫折、ヨーロッパ化ー

    ***

  • 内容説明
    1979年にマーガレット・サッチャーが首相の座について以来、イギリスはどのように変わりつつあるか。
    経済・防衛から教育・福祉まで、「利潤」と「効率」の旗をかかげる“鉄の宰相”は、この国に何をもたらしたのか。
    激しい変化をロンドン大学教授として現地で見すえてきた著者が『イギリスと日本』(正・続)以来久々に問う、鮮やかな分析。

    目次
    1 党首、マニフェスト、選挙―英首相の強大な力の背景
    2 歴史の車輪を逆転させる女―サッチャーの「信仰復興」(リバイバル)
    3 荒れ狂う「反福祉主義(サッチャリズム)」の嵐―悔しかったら頑張りなさい
    4 歴史の大河の中で―戦後、挫折、ヨーロッパ化

  • ここでもオバカな会田雄次・渡部昇一が批判されていて、ワロタw

  • 教師の解雇、競争原理の強化による格差、反福祉。国民に嫌われる事を沢山やっておきながら、英国を蘇らせた秘密はなんだろうか、と読んでみた。
    嫌われようがやり遂げる力、嫌われても別の視点で点を稼いで世論を味方につける。対立軸の作り方が巧みなのだと思った。
    蓮舫のやり方は中途半端で生ぬるく、パフォーマンス重視だったという事も分かった。全ては覚悟だ。小泉元首相にはそれが感じられた。中身はともかくね。だからみんな痛がりながらも付いて行った。

    この作者は結論にたどり着くまでの説明が長く、別のサッチャーに関する著書の作者を痛烈に批判しており、その姿勢がなんか遠吠えみたいでいい感じがしなかった。

  • 4004300495  232p 1988・12・20 1刷

  • 著者はこの書で、サッチャリズムを「シュンペーター反革命」と規定する。

    シュンペーターは、労働者の窮乏化理論に基づく純経済学的なマルクスの革命論をしりぞけて、社会学的な観点から資本主義体制の崩壊を考察した。つまり、経済発展が進み文化が変質するところに、社会の変質の原因を求めたのである。

    資本主義が高度に発展すると、小規模企業が崩壊してその社長たちは保守党支持層から脱落する。他方、大企業では企業家個人のイノベーションによって企業者活動がおこなわれるのではなく、単なる会社運営の要員としての重役や、いつでも所有権を放棄できる株主による官僚的な運営が進められる。こうして資本主義の精気はしだいに失われてゆく。さらに、資本主義によって生み出された大量の知識人は、農民や労働者と異なり、各地にバラバラに育った人々の寄せ集めにすぎず、つねに内部分裂をくりかえす。そのため、彼らによって生み出される「世論」はつねに流動的となる。こうして資本主義は中枢部の麻痺状態に陥り、没落してゆくとシュンペーターは考えたのである。

    サッチャーは、こうした「歴史の車輪を逆転させる女」だ。彼女は、ビクトリア時代の上層および中上層階級の禁欲的な家庭を基礎として構築される自由私企業経済の再生をめざした。

    だが著者によれば、彼女が構築しようとする「完全競争の社会」も、は富者と貧者が生じることでシュンペーターの変換過程に入ってしまうという。とはいえ、シュンペーターの変換過程は一直線に進むと考えられており、サッチャーのような反革命者が現れることを考慮していない。サッチャリズムは、こうした問題を浮き彫りにしている。

  • サッチャーは労働者階級から這い上がってきたから、自分と同じ境遇の人を優遇したのだろう。
    そして徹底的な赤嫌いだからモスクワオリンピックも徹底的にボイコットした。

  • 鉄の女サッチャーの政治スタイル、政策に関する入門書的一冊。

  • 読み進めるにつれて、「これは今の日本の話か!」という思いを深くした。衆参のねじれ現象は、ある意味、筆者が「二大政党制こそイギリス病の根源」と下した診断を、きわめてコンパクトな形で実現してしまっているのかもしれない。ひとつ、どうしても疑問が残るのが、イギリスが経済効率主義に大きく舵を切ったのは、マーガレット・サッチャーというたったひとりの個人の力だったのだろうか、ということ。それならそれで、小泉純一郎にすら帰することのできない、日本の「名無し」の「改革」とやらが、結局、メリトクラシーを奉じる官僚たち(←ここまではイギリスも同じ)の日本型無責任体制の中で進んだらしいことが、ひとつの対照性を帯びて浮かび上がってきて、なかなか面白い。

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