経済学の考え方 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300533

感想・レビュー・書評

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  • 経済を学ぶ人の名著。だが、僕には難しすぎた

  • 古典派、制度学派、ケインズ経済学、マネタリズムそして不均衡動学に至る経済学史という感じの内容です。

    一通りミクロ経済学(一般均衡理論)を勉強した後の方が面白く読めると思います。

    新書としてはかなり充実した内容です。
    経済学好きには買いの1冊です。

    ただ、フリードマンとベッカー批判がすさまじいです。この部分をどうとらえるかは人それぞれだと思いますが、私は個人的にベッカーは本書で批判されるほど悪い経済学者だと思わないので星4つにしました。

  • 【引用】歴史的過程のもとにおける人間の社会的行動に関わるものであって、繰り返しを許さない歴史的な現象である。実験を行うことはできない、許されないし、天文学のように数多くを観察することのできない。したがって、経済学の研究に際しては、とくに深い洞察力と論理力が必要となってくる。

    経済学は科学の中で最も芸術的なもので、芸術のなかでもっとも科学的なものである。また、すぐれて実践的な面をもつ。

  • 70~80年代の反ケインズ経済学にはぴしゃりと厳しい宇沢先生。たしかに合理性だけで根拠に人間の複雑な行動の総体を一般化するのは無理があるし、そのことに寄りすぎると結局は世の中投機合戦になってしまって、どこが「経世済民」やねんと。

    ソースティン・ヴェブレン、ジョーン・ロビンソンについて調べたくなった。アカロフとスティグリッツのことも、ちゃんと若かりし頃から目をつけていたんだなぁ。

    近代経済学の導入として、ちゃんと勉強になる新書です。

  • 2014年に86歳で亡くなられましたが、戦後長らく日本の経済学をリードしてきた著者による経済学の入門の書です。1988年刊行。

    アダム・スミスからその後の経済学の変遷を平易に解説しながら、”経済学はどのような学問か”を自らの研究体験をまじえて説いています。

    全編通じて大変示唆に富む内容ですが、とりわけジョーン・ロビンソンが1971年にアメリカ経済学会で行った講演『経済学の第二の危機』を紹介するくだりは著者の経済学にかける思いが強く伝わってきます。
    (N)

  • 宇沢弘文氏がケインズ経済学を中心に経済学の成り立ちと考え方について丁寧に論じている。

    いろいろと目からウロコで感動的でさえあった。
    高校生の頃、読んでいたらきっと経済学を専攻していただろう。
    (きっとケインジアンになっていた)
    が、高校生の頃、読んでいたら何が書かれているかわからなかったに違いない。
    社会に出てからの日々の生活や仕事通じた蓄積によって理解できたのだろう。

    この本は30年前に書かれたものだが、現在の課題を予言している。
    いや、現在はその予言すらも越えてしまっている。

    宇野氏が論の中でこきおろしている新古典主義の系譜につながるマネタリズムを中心とした反ケインズ主義は
    その大前提として、雇用の流動性、必要な情報がいつでも必要なだけ入手できる環境、生産物AとBが時間を考慮することなくすぐに交換でき、またそのときに最大価値をもたらすものだけを生産できる仕組みだと述べられている。

    これらについて当時は実現不可能と思われてきたが現代では技術革新によりある程度の実現性がでてきている。

    ・非正規雇用といわれる雇用制度の発達
    ・コンピュータの発達によるビッグデータの取扱い
    ・インターネットをはじめとする情報ネットワークの
     高速化によるクラウドビジネスの発達

    そういう意味ではその状況を踏まえた新しい「経済学の考え方」というものもあるのかも知れない。

    しかし、
    本来、経済学は経済現象を通じて人の幸せを追究する学問と考えるなら、それこそが経済学の本質だと考えるなら、
    上記の現在の経済はその「経済学の考え方を使って」、人がいかにホモ・エコノミクスであるべきかを追究するものになってしまっている。

    数値化・定式化できないもの(幸福感や生きがいといったような人の感情やいわゆる文化に関する活動)は除外される。逆にそういったものさえ数値化・定式化しようとしている。

    それは、かつても今も科学技術がその非人間性の部分を増大したことで
    公害をはじめとする環境破壊を引き起こしたのと同じように、経済学が科学技術化することで非人間的な社会を作り出そうとしているように思われる。

    宇沢氏はそういった経済学の課題への対応として「社会的共通資本」を提言しているが、3.11の地震と福島原発事故を経験した今、それすらも、もう間に合わなくなってしまっているのかも知れない。

    しかし、それでも現代の課題を解決していくのはこれら過去の思考の積み重ねの上ににしかないのだと考える。

    この本を読み終えた上で中途で積読状態となっている「人類が永遠に続くのではないとしたら」加藤典洋著を読みなおしたいと考えている。

  • 15/3/6読了

  • 経済学の後退を論じた部分が興味深い。政治との結びつきを求めた結果か。

    経済学の流れがよく分かった。万能で無いことも。

    全体的に行間を埋める思索が必要だった。前提知識があれば良かったのかもしれないが、新書の読了にそのような知識求められるのも現代では酷だろう。数式や概念的な理解がハードルだったか。

    ただ、古典の力は存分に感じた。歴史を画する書物は土台になる。そこから縦横に発展ができる。

    ・ハチスンの人間のための神
    ・資本主義から社会主義に変わっても人間性の向上はない。
    ・社会主義官僚に自由はほぼない。
    ・産業と営利の緊張関係。ヴェブレン
    ・財政支出の増加、所得税の減税。貨幣供給量を減らして、市場利子率を低下させる。ケインズ。
    ・所得再分配のパラドクス

  • 作者の新自由主義嫌いが笑える。

    アダムスミス・・・古典派経済学

    ケインズ(修正資本主義)
    →有効需要の創出
    →完全雇用、経済の安定化を目指す

    マネタリズム
    ・合理的期待性仮説
    ・サプライサイド経済学

  • 初心者向けではない。ただ、経済学の基礎知識があれば、経済学史の核となる論点がすっきりまとめられていて、読みやすいと思います。合理的期待形成仮説やマネタリストに対してはとても辛辣。

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著者プロフィール

元東京大学名誉教授
1928年生まれ。51年東京大学理学部数学科卒業、56年スタンフォード大学経済学部研究員、58年同助手、59年同助教授、60年カリフォルニア大学バークレー校経済学部助教授、61年スタンフォード大学経済学部準教授、64年シカゴ大学経済学部教授、68年東京大学経済学部助教授、69年同教授、89年東京大学を定年退官、新潟大学経済学部教授、中央大学経済学部教授、同志社大学社会的共通資本研究センター所長などを経て、2014年死去

「2017年 『経済と人間の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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