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Amazon.co.jp ・本 (237ページ) / ISBN・EAN: 9784004300724
みんなの感想まとめ
ゴッホの最期の2年半に焦点を当てた本書は、彼の創作活動と内面を深く掘り下げています。著者は、膨大な手紙や関連資料を基に、客観的かつ緻密な視点でヴァンサンの人生を描写。特に、彼がアルルで過ごした奇蹟のよ...
感想・レビュー・書評
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1989年刊。新書で上下巻、総ページは500弱、カラー口絵が16ページ。ゴッホの最期の2年半、炎のように燃えて燃え尽きた時期に焦点をあてた力作。
書き手の藤村信は、在仏のジャーナリスト。美術史研究者や作家とは異なり、アプローチはきわめて客観的で緻密。ゴッホ関連の膨大な数の手紙を読み込んでいるだけでなく、関連資料もよく調べてある。驚くことに、アムステルダムでテオの一人息子(その名もフィンセント・ファン・ゴッホ)に会って話も聞いている(えー、存命だったの?!)。
本書では、ゴッホでもフィンセントでもなく、フランスではそう呼ばれたように「ヴァンサン」で通している。上巻は、プロヴァンス・アルルの1年2カ月。1888年2月21日の午後、ヴァンサンがパリから汽車で雪に埋もれたアルルの駅に降り立つところから始まる。雪や大風(ミストラル)に苦しめられながらの野外での写生、でも平穏で多産な日々。が、ゴーガンを呼び寄せ、共同生活をするあたりから、ちゃんと回っていた歯車がおかしくなる。
このアルルの生活の前半、わずか7カ月のうちに、≪アルルの跳ね橋≫≪花咲く果樹園≫≪クロー平野≫≪プロヴァンスの収穫≫≪種まく人≫≪ひまわり≫≪郵便配達夫ジョゼフ・ルーラン≫≪夜のカフェ≫≪夜のカフェテラス≫≪古い風車小屋≫≪黄色い家≫≪ローヌ川の星月夜≫≪赤い葡萄畑≫≪アルルの女≫といった名作が生み出される。奇蹟のような7カ月。
(p.s.ヴァンサンがドーデの愛読者だったとは! アルルを選んだのはそれも一因だったかもしれない。ドーデの『風車小屋だより』はアルル近郊の村フォンヴィエイユが舞台、ドーデのタルタラン物語の主人公が住んでいたのはアルルの隣の町タラスコン。アルルに来て最初に読んだ小説はドーデの『アルプスのタルタラン』!)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校時代、世界史の先生に借りた本ですが、心に響いて今でも思い出す本。
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高校生の頃愛読してました。
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★評価は読了後に。
絵画評なのかと思っていたら、史伝というかヴァンサンという人物の掘り下げを意図したものらしい。
日本への手繰り寄せ方とか微妙に牽強付会的匂いを感じなくはないけれども、要するに面倒なお人やったんやね。
それをピュアと捉えるか、甘えと捉えるか、病気だったと捉えるか、人それぞれでしょう。ただ残した作品は本物だけに皆首を垂れるしかないといったところですか。 -
ゴッホの後半生を生き生きと描き出した評伝です。上巻では、ゴッホと彼の庇護者である弟のテオとの交流を軸に、アルル時代の様子を描きます。
世間からは一顧だにされない印象派の絵画を扱いつつ、兄を支え続けたテオの姿と、ジャポニズムに深い影響を受け、みずからの理想の中の日本をアルルの地に見ようとしたフィンセントの姿が、深く心に残ります。 -
(1998.04.08読了)(1989.05.25購入)
(「BOOK」データベースより)amazon
渦巻く太陽、黒い炎のように物狂おしく燃える糸杉…。1888年アルルを訪れたゴッホは、死に至るまでの千日間に、驚くべき芸術の開花を成し遂げた。忍び寄る狂気のなかで生きた人間ゴッホとは、どのような人物であったのか。彼に魅了されたフランス在住の著者が、10年の構想のすえ、謎に満ちたその肖像を鮮やかに甦らせる。
☆関連図書(既読)
「ゴッホの手紙(上) ベルナール宛」ゴッホ著・硲伊之助訳、岩波文庫、1955.01.05
「ゴッホの手紙(中)」ゴッホ著・硲伊之助訳、岩波文庫、1961.05.05
「ゴッホの手紙(下)」ゴッホ著・硲伊之助訳、岩波文庫、1970.03.16 -
2012/09/10
藤村信の作品
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