暮らしの中の太平洋戦争: 欲シガリマセン勝ツマデハ (岩波新書 新赤版 78)
- 岩波書店 (1989年7月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004300786
作品紹介・あらすじ
ガソリンを使わない「木炭自動車」とは?「衣料切符」の役割は?「千人針」の一時停止命令の裏に、何があったのか?珍らしいビラや貴重な極秘文書をふんだんに紹介しながら、「昭和」の終焉とともに忘れられようとしている戦争下の庶民の生活を描き出す。-1枚のチラシが、忌まわしい日々の悲惨と滑稽を何を雄弁に語ることか。
感想・レビュー・書評
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20131103
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著者が長年かけて収集した戦前・戦中の民間文書や資料を時系列的に並べ、当時の世相や戦争の情況と対比させながら解説したもので、面白く読める本である。非常に貴重な資料の紹介もあり興味深いのだが、「こういうものがあります。そのときはこんな時代でした」という単なる説明のみで、深い考察がなされていないのは残念である。また、資料解説に対して著者のイデオロギーが反映されすぎていて、冷静な観点を失っているため、読むに耐えない部分もあった。
かなりのコレクションを保存しているようなので、もう少し中立的な視点を保持しつつ、再びもっと多くの資料紹介を載せて出版されれば有益だと思う。
もちろん、歴史を「物語る」資料を中心に太平洋戦争を描いた、という点では貴重な書籍であるし、こうした普段は見る事のできない戦時文書の写真も収録したのはありがたいことだと思う。 -
これを読むと、戦後の日本の変わり方の理由が少しわかる気がする。<br>
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-2006年07月13日読了