豊かさとは何か (岩波新書)

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レビュー : 74
  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300854

感想・レビュー・書評

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  • 「何かをすること」と同価値の「何もしないこと」。そこに在ることで、すでにあらゆるものの中にいて、つながっていることの豊かさ。目にはみえないが、感じることのできるもの。

  • 1989年に刊行された本です。経済的な豊かさを至上の価値とする日本社会が本当の「豊かさ」を置き去りにしてきたことを批判的に論じています。

    著者自身が見聞した(当時)西ドイツのすばらしいところと比較することで、この国の教育、労働、福祉などの問題点が指摘されています。現在のヨーロッパは金融不安と移民問題で苦しんでおり、本書で書かれているような理想的な国家ではないのでしょうが、本書で指摘されているわが国の問題は改善されるどころか、ますます深刻になっているようにも思います。

  • 発刊年はやや古いが名著である。日本や日本人を相対的に捉えており、普段の自分自身の中にある根底の考えを見直すきっかけにもなる。

  • 30年前も今も変わらない話題。
    豊かさってなんなんだろうなぁ。

  • 10年以上前に読んだが,山崎亮氏が影響を受けた本ということを知り再読した。
    1989年にこのような内容をつづっていることに驚く。
    消費社会に没入している僕らの進むべき方向を示唆しているように感じた。

  • エーリッヒ・フロムが『生きるということ』のなかで説いた、人間の価値様式、「持つ様式」と「在る様式」を日本という社会にプロットして論じた名著といえる。人間にとっての本当の豊かさについて教えてくれる。

    がんばって働いても報われない、ひとりひとりのがんばり(特に過労死や自殺で死んだりすることもある)で支えられている経済至上主義と哀れとまで言える社会資本の貧しさのなかにこの国は存在している。

    余暇活動の価値も到底認められないから、有給取得率だって上がらない。これでは日々の暮らしのなかで、文化的価値を見出し、友人や家族など、人と人とのかかわりあいを通じて、自己実現を果たしていくなんて到底夢のような話。生涯学習論の中ではずっとこの話はしてきたのに。

    バブルのころよりはショボくなったんだろうけど、経済分野、土地への投機は相も変わらずこの国が大好きなこと。国の政策だって企業の設備投資を促すだの、結局は上から下へと流れていくもの(そして下には流れてこない)。社会資本整備、特に福祉への投資なんて政治家はいつもリップサービス程度。保育士や福祉職の待遇なんてどんな時も上がらない。

    こんな日本が本当に豊かな社会なのか?と考える前に、すべてを読み終え唖然としたこと。本書が刊行されたのは、今から30年近くも前のことなのに・・・

    結局のところ、今も昔も何も変わっていない。この国には進歩も本当の豊かさもあったもんじゃないのかと。

  • 今になって読んでみるかと

    その結果、いまいちの印象。
    もっと若いときに読めば違ったのかもしれないけれど、何を信仰するのかといった次元の話。
    もちろんバブル期を背景に警鐘を鳴らしたという位置づけを念頭に置く必要はある。
    それでも89年に出ているっていうのは警鐘というか反省といったタイミングか。

  • 請求記号:I/365/Te77
    選書コメント:
    タイトル通りに“豊かさ”ということを考えさせられる書籍。本当に豊かであるとはどういうことなのかを考える参考となる。時代が進んでも変わらない“豊かさ”の本質を見つめている。
    (環境創造学部環境創造学科 橋本 みのり 講師)

  • このタイトルでバブル期によく読まれた本なので興味があって読んでみた。内容を簡単にまとめると金銭的幸福に浮かれる現代(当時の)に対し、社会的幸せ(福祉やワークライフバランス等)を訴えている著書。いつの時代も同じことを訴えているが経済成長がないと社会的福祉の享受も難しいジレンマをどのように解決するかという点をもう少し突っ込んで欲しかった。結局は国民が格差があっても利益を追求するか、ある程度の全体の最適化を優先するかを選択するしかないと思うが。

  • おすすめ資料 第93回 大切なものとは(2009.7.31)
     
    100年に1度といわれる世界経済危機のもと、国内でも輸出、生産の急激な落ち込みや、それにともなう雇用情勢の悪化など、私たちの生活にも影がさしています。
    持ち直してきたとは言われますが、まだまだ、先行きは不透明だと言えるでしょう。

    バブル経済崩壊前の1989年に刊行された本書は、私たちが人間として豊かに生きるとはどういうことかを問いかけています。
    統計データなどが過去のものだということだけ注意して読んでいけば、本質的な著者の主張に時代錯誤は感じられません。
    著者の提示する豊かさに賛否が分かれることとは思いますが、貧しさや生活の苦しさの裏側に、豊かさをどこに求めるかという問いがあることは間違いないのではないでしょうか。

    本書の続編として『豊かさの条件』もあります。
    2003年刊行で、現在に近づいた分、逆に数字の古さが気になって著者の本質的メッセージを汲み取りにくいかもしれません。
    阪神淡路大震災の被災者とのNPO活動を通した交流なども取り上げられており、より身近に感じられる方もいらっしゃることと思いますのでご紹介しておきます。

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