自由と国家―いま「憲法」のもつ意味 (岩波新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004300939

感想・レビュー・書評

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  • 1789年のフランス革命の意味を問いなおすことを通して、1989年時点における憲法および立憲主義をめぐる諸問題を考察している本です。

    著者は、ホッブズやルソーにまでさかのぼることで、西洋の政治思想における個人と国家の相克をめぐる議論の核心にメスを入れ、個人を担い手とする「人権」という考え方と、「国家」という政治的統一とのあいだの緊張関係が織り成してきた問題の地平をえがこうとしています。そのうえで、諸個人と集権国家を二つの極にもつ「ルソー=ジャコバン型モデル」や、アメリカの「ウェストミンスター・モデル」などの理念型をとりだすとともに、多極共存型の民主主義というモデルの可能性を展望しています。

    普遍性と多様性とのあいだで引き裂かれる立憲主義の孕んでいる問題を、比較憲法学という観点から明瞭なしかたで論じており、興味深く読みました。

  • 【工藤庸子・選】
    人類にとってのフランス革命を考えよう! 英国「権利章典」から300年、フランス「人権宣言」から200年、明治憲法発布から100年という節目の年に刊行。いま輝きをます古典的名著。

  • 1989年刊。著者は東京大学法学部教授。◆近代、つまり仏革命以降の憲法の意義に関し、憲法先駆国である英米仏、そして独の変遷を踏まえつつ、フランス革命の正負の影響を論じ、他方、独帝国憲法の後継というべき帝国憲法から現憲法への変遷、連続性と断続性を論じ、自由とその前提としての人間の尊厳を憲法で保障する意味を解説する。◇という内容で、個人的にはしっくりくる。また、仏革命の意義を経済面と政治・法学面とで峻別する視点は得心。◇とはいえ、人権の普遍性を言うには、各国憲法の内容の違い、国の歴史に左右される変遷を踏まえ、
    成文に顕出されるとは限らない自由権規定に関し、各国憲法の共通項の抽出の要を感じるが、そういう視点は余り感じない。◇また、批判的検討をすべき共産主義国憲法にも規定上は自由保障がある(法律・国家による留保大という問題に加え、運用面の問題多いが)ことも等閑視。イスラム圏のコーランも同様。◆とはいえ、旧憲法では仮設でしかない脆弱な立憲主義を政治的に覆滅したと評しうる天皇機関説事件。これが日本憲法史上の画期かつ痛恨の事態だったとの点は、過日読破した「天皇機関説事件」を踏まえると成程の感。◆仏革命は後学テーマ。

  • 1989年という冷戦構造崩壊間近の時期に書かれた憲法論。権利章典が制定された1689年、人権宣言が制定された1789年、明治憲法が制定された1889年をオーバーラップさせながら、近代立憲主義とその根本的思想である、普遍的原理としての人権の擁護を、日本の保守派や文化相対主義者に反駁する形で表明する。20年近く前に書かれた新書であるとはいえ、ここで扱われている問題は未だに問題であり続けている。その点で、今なお読む価値のある新書である。

  • 5-5 法律論

  • タイトルにある通り日本と同時代の他国では何があったか、そこでは憲法がどんな役割を果たしたのかという感じ

  • [ 内容 ]
    イギリスの「権利章典」から300年、フランス人権宣言から200年、そして明治憲法の発布から100年。
    その1989年に「昭和」が終わり、保守支配も揺らいだ。
    加えて中国の流血事件、ソ連・東欧の自由化への模索…。
    1990年代の政治を見通す座標軸を求めて個人・集団と国家との歴史的な相剋に光をあて、「近代立憲主義」の意味を問う。

    [ 目次 ]
    1 いま何が問題か―1989・憲法論的考察
    2 明治憲法体制「そんなに悪くなかった」のか―〈1989〉の意味
    3 個人と国家 どうむきあうか―〈1789〉対〈1689〉の意味
    4 日本の憲法体験から何を発信するか―〈1689-1789〉モデルの押しつけ?

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 【2009夏休み_4冊目】

    先生から薦められた樋口陽一の本.読みやすかった!
    近代国家,個人,中間団体,国民,憲法について,少しは理解が進んだかな?

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著者プロフィール

東北大学名誉教授・東京大学名誉教授

「2017年 『憲法の尊厳 奥平憲法学の継承と展開』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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