自由と国家: いま「憲法」のもつ意味 (岩波新書 新赤版 93)
- 岩波書店 (1989年11月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004300939
感想・レビュー・書評
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【工藤庸子・選】
人類にとってのフランス革命を考えよう! 英国「権利章典」から300年、フランス「人権宣言」から200年、明治憲法発布から100年という節目の年に刊行。いま輝きをます古典的名著。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1789年のフランス革命の意味を問いなおすことを通して、1989年時点における憲法および立憲主義をめぐる諸問題を考察している本です。
著者は、ホッブズやルソーにまでさかのぼることで、西洋の政治思想における個人と国家の相克をめぐる議論の核心にメスを入れ、個人を担い手とする「人権」という考え方と、「国家」という政治的統一とのあいだの緊張関係が織り成してきた問題の地平をえがこうとしています。そのうえで、諸個人と集権国家を二つの極にもつ「ルソー=ジャコバン型モデル」や、アメリカの「ウェストミンスター・モデル」などの理念型をとりだすとともに、多極共存型の民主主義というモデルの可能性を展望しています。
普遍性と多様性とのあいだで引き裂かれる立憲主義の孕んでいる問題を、比較憲法学という観点から明瞭なしかたで論じており、興味深く読みました。 -
1989年という冷戦構造崩壊間近の時期に書かれた憲法論。権利章典が制定された1689年、人権宣言が制定された1789年、明治憲法が制定された1889年をオーバーラップさせながら、近代立憲主義とその根本的思想である、普遍的原理としての人権の擁護を、日本の保守派や文化相対主義者に反駁する形で表明する。20年近く前に書かれた新書であるとはいえ、ここで扱われている問題は未だに問題であり続けている。その点で、今なお読む価値のある新書である。
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5-5 法律論
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タイトルにある通り日本と同時代の他国では何があったか、そこでは憲法がどんな役割を果たしたのかという感じ
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【2009夏休み_4冊目】
先生から薦められた樋口陽一の本.読みやすかった!
近代国家,個人,中間団体,国民,憲法について,少しは理解が進んだかな?