現代音楽の冒険 (岩波新書)

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レビュー : 2
  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004301233

作品紹介・あらすじ

20世紀の音楽は、激変する社会やその矛盾と関わりあいながら、どのような冒険に挑んできたのだろうか。たとえばシェーンベルク、バルトーク、そしてJ・ケージは?さらにジャズや民族音楽は?現代日本を代表する作曲家が、自らの軌跡と重ねあわせながら、現代音楽の挑戦の歩みとその可能性、そして創作の秘密を解きあかす。

感想・レビュー・書評

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  • 音楽とは行為の結果である。その結果がまた自他の行為を誘発し、継続性のなかに音楽が生まれる。
    都市文化と基層文化という括りもおもしろい。
    ケージやコルトレーンにも言及。
    作曲家によるフトコロ深い音楽論。

  • 著者間宮芳生氏は、1929年生まれだから、儂の父と同じ歳だ。戦後のクラシック音楽の変遷と自分の職業(=作曲家)への取り組みが興味深く読めた。ドキュメンタリーフィルムや企業のPR映画など、まだ世の中がマジメだった昭和pureバブル期の時代のニオイがよく解る話だった。

    読了後、こんな夢を見た。
    否、聴いた。

    一音だけが鳴り続けている。たぶん、鍵盤中央のラの音だ(と思う)。
    だれかが音叉を叩いたのだろうか。
    純音が、小さく鳴り続けている。

    いつまで鳴り続けるのだろうかといぶかり始めた頃、1オクターブ上の音が付け加わる。
    さらに、もう1オクターブ上の音が、
    さらにもう一音が、...
    と、かぶさり続けて、
    純音だったはずのラの音が、女声のラの声になっていた。

    響き続けるラの声。

    ラだけだった声がターブ上のラとの2音間を上下するようになり、さらに間にソを経由するようになる。
    やがて、ペンタトニックのゆったりとしたメロディーに変わってゆく。

    単旋律のメロディーに第2の声が加わる。
    が、まだ同じ旋律をたどるだけ。
    それが5度、4度と離れて重唱になってゆく。

    打撃音のリズムが加わり、徐々にテンポも増す。

    声の旋律に楽器の旋律が絡みだし、
    その楽器が和音を奏でだす。
    和音が複雑さを増しセブンスコードになる。
    リズムも、細かくなってゆき、複合リズムに変わってゆく。

    すでに、和音はナインスを超えて、
    儂の耳にはテンションだらけに聞こえ始めている。
    楽器の音色も雑音が混じり、ディストーションが掛かりまくっている。
    アフタービートだったリズムは、5拍子にでも7拍子にでもカウントできるようになっている。

    調性がなくなり、メロディーを追うことはもはや不可能だ。
    さらに、分数音まで鳴り響きだして、リズムも分からなくなり、音の洪水が鳴って、...

    ...目が覚めた。

    各章の扉に掲げられていた自作曲の手書き楽譜が面白かった。

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著者プロフィール

作曲:1929年北海道旭川市生まれ。1952年東京音楽学校(現東京芸術大学)作曲科卒業。以来一貫して日本作曲界の第一線にある。作品はオペラ、管弦楽曲、室内楽、合唱曲、日本伝統音楽の作品など多岐にわたる。ことに《合唱のためのコンポジション》15作、《独唱とピアノのための日本民謡集》全24曲,セレナード……、オペラ《昔噺人買太郎兵位》《鳴神》など、声を媒体とした作品は,日本と世界の民族音楽の研究に立脚した独創的な領域をなす。



「2017年 『ヴィブラフォンとマリンバのための音楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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