アメリカ黒人の歴史 (岩波新書 新赤版165 新赤版 165)

  • 岩波書店 (1991年3月20日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784004301653

みんなの感想まとめ

本書は、アメリカ黒人の歴史を深く掘り下げ、特に人種差別に立ち向かう勇敢な人々の姿を描いています。キング牧師をはじめ、多くの黒人と勇気ある白人たちが、差別撤廃のために尽力し、時には血を流しながらも前進し...

感想・レビュー・書評

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  • 1964年に刊行された書籍を1991年に増補したもの。枠組みとしては、黒人奴隷制の歴史を米国資本主義の発展に即して説明する方法がとられており、マルクス経済学の影響が垣間見られるが、個々の具体的叙述があくまでも史実に徹してなされていることが、ロングセラーたる所以なのだろう。自分の黒人奴隷についての知識が断片的なものに過ぎなかったことを思い知らされた1冊だった。

  • はしがきを読んだだけなのに、チカラのこもった本だというのが伝わってきた。こんな本なかなかないね。

  • ふむ

  • 黒人差別に関して学ぼうと思い、手に取った。
    ビギナーなので非常に勉強になった。概観するには良い書なのだと思う。学び続けよう。

  • 1600年くらいから現代まで続く歴史を一冊の本で網羅するのは対象を絞ったとしてもやはり難しく、大筋をなぞるので精一杯な感がある。もう少し詳しく時代別にでも読んでみたい。

  • 「地域研究論(アメリカ)」伊達雅彦先生 参考図書
    https://library.shobi-u.ac.jp/mylimedio/search/search.do?target=local&mode=comp&materialid=00081240

  • イギリス植民地時代から現代(1990年頃)までの、アメリカにおける黒人の歴史を振り返る本。30年ほど前に出版された本ではあるが、概略をつかむにはもってこいの好著である。

    民主主義を標榜する国家として知られるアメリカであるが、その歴史のなかでは黒人や先住民族に対する迫害が際立っている。キング牧師死去以降、黒人の権利にかんする法制度は整備されてきたが、結局のところ実情は悪いままであるようだ。白人に比べ、経済状況は悪化しており、黒人内での格差も拡大している傾向にある。

  • アメリカという国を理解するためには必要不可欠な本。これを読んでいるといないとでは、アメリカに対する考え方が変わる。映画を見るにあたり、本書を読んでいると、さらに一歩深まった理解ができると思う

  • アメリカ黒人の歴史を丁寧に描いていて、世界史の下地がない私でも非常に面白く興味深く読むことができた。
    出来事の点と点を繋いで歴史の大きな流れを把握することが出来たところがよかった。

    印象に残ったところ
    ・歴史は常に勝者・強者によって紡がれるものだという指摘に、確かに黒人の偉人はあまり歴史の教科書に登場しないなとハッとした。
    ・南北戦争で奴隷解放した後でも、資本主義の安い労働力として黒人が低い地位であった方が資本家にとって得であり、差別はなくならなかったという話になるほどなと思った。
    ・黒人が人権や参政権を得るまでの道のりの険しさを知り、今の自分があたりまえに政治に参加できることのありがたみを感じた。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/705184

  • 今、アメリカで起きていることの源泉を理解できた。オバマ大統領誕生からその後を書いた続編を読みたい。

  • 本田創造著、岩波書店。91年

    当初使われていた白人の年季奉行人に変わる形で、黒人奴隷が導入される。18世紀産業革命に伴って綿花需要が急増したことで、黒人奴隷貿易も活発になり18世紀だけで600-700万人が連れてこられた。奴隷制反対運動もこの頃から活発になる。黒人女のモーゼと呼ばれるハリエットタブマンの名前も出てくる。※20ドル紙幣の肖像として使われる話が延期されたばかり

  • 黒人奴隷がアメリカに連れてこられた頃から、奴隷解放、公民権運動を経て現在の法的な平等(ただし明確に格差が残っている)な状態に至るまでの変遷について。

    本書でも触れられていたように合衆国憲法制定の頃には黒人奴隷がいたわけで、マディソンらの考えていた民主制の想定する人民に黒人は含まれていたのだろうかなどと考えると暗澹たる気持ちになる。

    また現在でも黒人と白人の間には(当然法的な平等は担保されているにしろ)明確な格差があり、男女の格差の問題にも通ずるものがあると感じた。しかし最後に引かれているキング牧師の言葉の通り、人種間の問題でなく人類に共通する貧しい人の問題になりつつあるという見方は大切だと思う。

  • 合衆国総人口の約12パーセントを占める黒人たちによる、人間として・市民としての平等を求める闘いはどのようなものであったのかを描く。合衆国独立前から南北戦争を経て公民権運動へ、さらに真の解放を目指す現在までの長い苦闘の歩みを歴史的発展とともに辿る。

  • 1991年刊行。米国の黒歴史、あるいは現代をも貫く闇の部分。黒人奴隷、差別、そしてその軽減・解消と、その限界・現代的課題を史的事実をビビッドに交えつつ、検討していく。本書の起点は17世紀初頭の黒人輸入。終点は1968年のキング牧師暗殺で、その後は黒人の分権化・二極化を粗描するのみ。独立戦争、南北戦争と各々の要因等は、米国史を理解している方が取組やすいかも。ただ、本書の叙述も判りよいことは間違いない。著者は一橋大学教授。黒人解放運動と、労働運動との連関性にも言及。個人的には、➀米国綿花等プランテーション。
    ②南北戦争における黒人の意義。③南北戦争後の南部大地主+北部の資本家に対抗した黒人その他と、その行動の歴史と挫折に関心を払いたいところ。

  • ローマ時代の奴隷制度は理解できる。戦争に負けた国から賠償金として扱われ、資産として数えられたことは奴隷が働きに応じて自身を買い戻すことができたことからわかる。勝者の分が大きいが、計算が合うシステムだ。産業革命時代の奴隷制度もまぁ理解できる。およそ人としての扱いを受けなかったとしても、アフリカに持ち込んだ繊維製品、ラム酒の代金としてプランテーションの労働力のために集められた。人道的ではなかったが、経済的合理性があった。だが、公民権運動時代の黒人の扱われ方は全くもって理解できない。白人学校に入学した黒人少女の登校を阻止するために武器を持って学校に押しかけ暴動を起こし、広報活動のためバスで全国を回っている黒人団体の到着を待ち構えて集団で取り囲んで暴行を加える。白人相手だったとしても、黒人を擁護するなら襲いかかる。嫌いな団体への一方的な攻撃は今もネット上でよく見かけるが、実際に行動するのは圧倒的にコストが高い。そこに如何なる合理性があったのか。感情としての合理性しかなかったならば、多数の攻撃者を生むまでに追いやった社会情勢とは何だったのか。本書で提示されるのは事実の列挙のみであり、その背景はほとんど見えてこない。
    想像だけで語るならば、恐らくその根底にあるのは社会正義だろう。たとえ他者から『百害あって一利なし』と見えたとしても、一利もない行動はどんな個人にも実行することはできない。当時の攻撃者には、黒人を排斥することでしか達成できないように思えた理想の世界があったのだろう。
    いつの時代でも、人種、宗教、性的指向などそれぞれの社会システムにおける少数派が、逸脱者として攻撃の対象となってきたのは世界の問題だが、恐らくそれ以外でも、気付かないところで『正義』のために敵を創りだし、消費されている無駄なコストは数多くあることだろう。植え付けられた『正義』の概念を矯正することは出来ないのか、『攻撃』以外の手段で解消させることができないのか。本屋の端くれとしては、『知ること』がその一歩となることを信じて、多くの人に色んな本を読んでほしい。

  • (2014.10.04読了)(2009.06.30購入)
    黒人が大統領になっているアメリカですが、相変わらず、黒人に対するあからさまな差別行為が治まらないようです。自分のことを考えても、外国人にどう接したらいいのかというとまどいが、無いわけではないので、差別意識をなくすというのは、そんなに簡単なことではないとは思います。
    この本は、アメリカで黒人がどのように扱われてきたのかを歴史家が書いたものです。
    奴隷というと、黒人というイメージがありますが、歴史的に見ると、黒人だけが奴隷だったわけではないといわれると、確かにそうだったなと思います。
    アメリカ大陸の発見が行われた後、アメリカ・インディアンとかインディオといわれる人たちが、労働力として使われていたのですが、ヨーロッパから持ち込まれた病気のために、多くの労働力が失われてしまいました。
    その失われた労働力を補うために、アフリカから黒人が運ばれてきて、労働力として使われるようになりました。インディオも黒人も、人間として扱われることがなかったという点では、一緒です。
    白人も黒人も同じ人間である、と認めると建国に理念に反してしまうので、認めるわけにはいかないし、白人が信仰しているキリスト教の教えにも反してしまいます。
    アメリカ南部の主要産業は、綿花の栽培でした。綿花の収穫には、安い大量の労働力が必要でした。そのために、奴隷労働者としての、黒人が必要だったのです。
    南北戦争の結果、奴隷制度の廃止が宣言されましたが、差別は残りました。
    リンカーンも、白人と黒人を対等に扱う気は、最初からあったわけではなさそうです。黒人を開放し、アフリカに帰そうという考えに共感していたとのことです。
    奴隷制度が廃止されても、法律の上で、差別することは許されていた。例えば、選挙権を字を読み書きできない人には、与えなくてよいとか。
    バスや食堂、トイレ、学校なども、白人と黒人では、分けられており南アフリカで行われていた、アパルトヘイトと同じような状況でした。
    公民権運動として、対等に扱ってもらうための運動が行われ、ケネディ大統領のときに法案がつくられ、死後、成立しています。
    それが、1964年ですので、今年で50年ということになります。
    その後、黒人の社会進出が行われ、黒人の市長や知事などが実現し、大統領まで実現しています。その分、黒人の間の格差も広がって来たということにはなりますが。

    【目次】
    はしがき
    プロローグ アメリカ黒人とは
    1 植民地時代の奴隷制度
    2 独立革命
    3 南部の綿花王国
    4 奴隷制廃止運動
    5 南北戦争
    6 南部の再建と黒人差別制度
    7 近代黒人解放運動
    8 公民権闘争の開幕
    9 黒人革命
    10 アメリカ黒人の現在
    アメリカ黒人史略年表

    ●黒人奴隷(71頁)
    黒人奴隷とは、一切の権利を剥奪され、獣の水準に引き下げられて、法律上はたんなる動産にすぎず、人類の同胞関係の圏外に置かれ、人間族から切り離された人間存在である。彼ら黒人奴隷には、これが自分のものだといえるものは、何一つない。
    ●リンカン(115頁)
    この戦争におけるリンカンの最高目的が、奴隷解放にではなく連邦の統一護持にあったことが示されている。
    ●リンカンの考え(118頁)
    奴隷解放のことが日程にのぼらざるを得なくなったときにも、リンカンは、できることなら奴隷は漸進的に解放し、その所有者には補償金を支払い、なおかつ解放された黒人はアフリカかどこかに植民させるのがよいと考えていた。だが、黒人の側からの強い反対と国会における共和党急進派の活躍が、このようなリンカンの考えを粉砕した。
    ●選挙権の剥奪(143頁)
    1890年から20世紀初頭にかけて、ミシシッピ州を皮切りに南部諸州を席巻した黒人選挙権の剥奪は、こうして起こった。そのミシシッピ州では、憲法修正第15条に抵触しないように、黒人選挙権の剥奪は、州憲法の中に「人頭税」や「読み書き試験」を取り入れることによって行われた。
    ●バス乗車拒否運動(179頁)
    1956年11月13日、連邦最高裁判所は「バスの人権隔離は違憲である」との判決を下し、その命令が12月20日にモントゴメリー市当局に通達されて、この抵抗運動は黒人側の全面勝利をもってその幕を閉じた。

    ☆関連図書(既読)
    「アメリカの階梯」西垣通著、講談社、2004.09.07
    「キング牧師とマルコムX」上坂昇著、講談社現代新書、1994.12.20
    「物語アメリカの歴史」猿谷要著、中公新書、1991.10.25
    「黒い積荷」マニックス著・土田とも訳、平凡社、1976.03.18
    「ぼくの肌は黒い」吉田ルイ子著、ポプラ社、1978.07.30
    「ハーレムの熱い日々」吉田ルイ子著、講談社文庫、1979.01.15
    「怒りの葡萄(上)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.09.10
    「怒りの葡萄(中)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.09.20
    「怒りの葡萄(下)」スタインベック著・石一郎訳、角川文庫、1956.11.05
    「風と共に去りぬ1」ミッチェル著・大久保康雄訳、河出書房新社、1960.03.
    「風と共に去りぬ2」ミッチェル著・大久保康雄訳、河出書房新社、1960.03.
    「風と共に去りぬ3」ミッチェル著・大久保康雄訳、河出書房新社、1960.03.
    (2014年10月15日・記)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    合衆国総人口の約十二パーセント、三千万人以上を占める黒人たち。人間としての、市民としての平等を求める彼らの闘いは、どのようなものであったのか。合衆国独立前から南北戦争を経て公民権運動へ、さらに真の解放を目指す現在までの長い苦闘の歩みを歴史的発展とともにたどる。旧版以後二十七年の変化を見据え、大幅に書き改めた。

  • 1863年のリンカーンの奴隷解放宣言に始まり、
    100年後の1964年にようやく公民権法が成立する。
    このあたりで差別は無くなったかと思ってしまうが、
    まだまだアフリカ系アメリカ人を取り巻く状況は厳しい。
    未だ差別による負の遺産は残っているのだ。

    アメリカという国が成立した時点で、
    この国における黒人奴隷という歴史もまた始ったのは
    何とも不幸なことだと思う。

    ちょっと内容が古いので、
    最新の状況については別の本で補完する必要がある。
    ただ、建国前後と奴隷解放宣言以降数十年の記述については
    非常に参考になった。

  • 差別の本質とは何だろうと考えてみると、自らの経済状況や生活を脅かす存在を排除しようとする気持ちがその大きな要因の一つではないかと、少なくとも本書を読んで感じた。だとしたら、理想的な平等主義を唱えることでは、差別は根絶できない、ということを認識すべきだろうと思う。

  • モントゴメリーでのローザパークスの行動が、マルチンルーサーキング牧師の非暴力的抵抗に繋がっていく,黒人運動の歴史を知るのによい。

    黒人大統領の登場を含む,改定版が出るのを期待する。

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