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- Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
- / ISBN・EAN: 9784004302032
感想・レビュー・書評
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この本は,内容の上では二部構成である.前半は広義の臨床の知,つまり現場の知とも言い換えられる事柄を扱い,後半のV章「医療と臨床の知」以降の2章が狭義の (医学的) 臨床の知について述べている.
前半の内容は,現在では常識化して今更と思った事もそこそこあるが,疑義を差し挟むような事柄はあまりなく,論理の流れも明快である.特にマルチン・ハイデガーの『放下』で述べられている結論のショボさについては頷かされた.
それが一気に明快でなくなるのは後半で,どうにも歯切れが悪い.医療の現実に対する門外からの感想文,という体である.このあたりが,臨床を唱えながら臨床に身を置かずに生きる筆者の立場の限界だろうか.詳細をみるコメント0件をすべて表示