日本海繁盛記 (岩波新書 新赤版 208)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (196ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302087

作品紹介・あらすじ

近世から近代にかけて、日本海には北海道から佐渡・能登をへて大阪へ至る海上の道があった。鰊〆粕、米、木材などを運ぶこの大動脈の主役「北前船」は、人びとの勇気や気概ものせ、沿岸各地を繋いでいた。海商や船乗りたちの足跡を出身地や寄港地にたどり、海に結びついた暮らし、その豊かでのびやかな文化を再発見する歴史エッセイ。

感想・レビュー・書評

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  • 「日本海」という言葉に
    「物流」という言葉をかぶせると
    ーその昔、日本海は
     (大陸から日本列島への)文化の道だった
    という事柄を思い起こしてしまう

    今回の「繁盛期」は
    「北前船」による沿岸の各港の「繁盛」の記録、
    上記の「文化の道」同様
    「日本海」が」大動脈となって
    さまざまな「物」「人」「勇気」「気概」
    を運んでいた時の興味深いエッセイ

    私の暮らす瀬戸内地方の一つに
    昔からの「港町」の一つに「室津」という
    素適な港町がある
    半日もあれば、歩いて回れる「町」ですが
    その小さな町に
    ぎっしりと大きな「海運の歴史」が
    つまっている

    あらためて
    「港町」探訪の面白さを
    かきたてられる一冊です

  • 前書きの文章がとても印象的で、テーマより先に良質な文章に出会えた嬉しさを感じた。
    これまで読まなかったことを、非常に損をした気分にすらなった。

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著者プロフィール

高田宏(たかだ・ひろし) 作家。1932年、京都生まれ。石川県江沼郡大聖寺町(現・加賀市)に育つ。55年、京都大学文学部(仏文専攻)卒。光文社に入社し「少女」編集部で狩野川台風、伊勢湾台風などの被災地を取材。アジア経済研究所を経て、63年にエッソ・スタンダード石油で企業PR誌「エナジー」を創刊。84年より著述業に専念。主な著書に、日本初の近代国語辞書『言海』を生んだ大槻文彦の評伝『言葉の海へ』(78年、大佛次郎賞、亀井勝一郎賞受賞、新潮社)、『木に会う』(90年、読売文学賞受賞、新潮社)など。2015年没。

「2016年 『荒ぶる自然 日本列島天変地異録』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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