戦争と美術 (岩波新書 新赤版 237)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004302377

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  • 美術の思想は戦時下でも完全には朽ちぬ。

    世界大戦を通して、戦時下で美術家達がどのような思想のもと作品を作り、発表したのかを読み解く。
    特に第二次世界大戦下の思想統制、自由な表現者ができない中でも、各画家が何を思い、何を表現したのかを記述されている。
    特に、日本だけでなく世界でも高名な藤田や、新人画会の「自由な表現」などから、一億玉砕が叫ばれる、個人の思想が許されない世界線の中でも、自由な思想と戦争に対する懐疑心を常に持ち続けながら作品を出展し、戦争を乗り越えた画家たちの思想を読み解く。

  • (2000.11.09読了)(2000.08.11購入)
    (「BOOK」データベースより)amazon
    第二次大戦中、戦争画を描いた多くの有名画家たちがいた。また時局にささやかな抵抗を試み、描くことを拒否した画家たちもいた。著者は、彼らの根底に潜む人間の弱さを凝視しつつ、自らが画家であることを深く意識しながら、当時の画家の戦争責任を考える。藤田嗣治と松本竣介の2人を焦点にすえ、時代と向き合う芸術家の生き方を鋭く問う。

著者プロフィール

司 修(つかさ・おさむ)
1936年生まれ。画家、小説家。法政大学名誉教授。
中学卒業後、独学で絵を学び、絵画や版画をはじめ、絵本、書籍の装丁、挿絵など多岐にわたる作品を発表。また小説やエッセイ、脚本など文筆分野での活躍でも知られる。
1978年『はなのゆびわ』で小学館絵画賞受賞。 1993年 「犬」で 川端康成文学賞、 2006年 『ブロンズの地中海』で毎日芸術賞、2011年『本の魔法』で大佛次郎賞受賞。 2016年イーハトーブ賞受賞。

展覧会
1986 年『司修の世界』(池田20 世紀美術館)
2011 年『司修のえものがたり──絵本原画の世界』(群馬県立近代美術館)

著書
絵本:『河原にできた中世の町』(文・網野善彦、岩波書店)
   『まちんと』(文・松谷みよ子、偕成社)
   『ぼくはひとりぼっちじゃない』(作・絵 司修、理論社)
小説:『幽霊さん』(ぷねうま舎)
   『戦争と美術』(岩波新書)
   『空白の絵本 ─語り部の少年たち─』(鳥影社)
などがある。

「2024年 『さようなら大江健三郎こんにちは』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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